今日は久しぶりに朝から晴天に恵まれた。

朝起きて畑をひと回りし、大きくなっていた桃を2個収穫してみた。
伯母が植えていた桃の種類は不明だが、岡山名産の「清水白桃」ならば7月下旬から8月上旬が収穫のタイミング。
まだ早すぎるかなと思いながら桃を採って来たのは、今日妻が東京に戻るからだ。

袋を破ってみると、桃は傷もなく立派に育っていたものの、色がまだ青い。
特にヘタのあたりは薄い緑色が抜けておらず、やはりまだ収穫には早すぎるようだ。
ということで、すぐに切って食べることはせず、妻がキャリーケースに入れて東京に持ち帰ることに。
吉祥寺のマンションで追熟させ、明後日私が帰京する頃には食べごろになっていることを願う。

ということで、午前中に妻を駅まで送っていき、今日からまた2日間一人暮らしが始まった。
今更食材を買い足すのも面倒なので、冷蔵庫に残っているものと庭で育った野菜で食いつなぐことにして、足りない分は外食を楽しもうと思っている。
参考にしたのが図書館で借りた「岡山のおいしい店 500選」という一冊。
タウン誌の編集者が選ぶ「ごっつぉ」の2018年版である。

この本に掲載されているお店の中で、家から一番近い国道沿いのレストランに行くことにした。
「レストラン ツモロ」
今年で開店からちょうど50年を迎える老舗の洋食店で、特大の「ハンバーグステーキ」が店の看板メニューらしい。

ツタのからまる外観が昔からのシンボルだという。
ただイメージしていたオシャレな感じとはいささか異なり、人の出入りがなければ廃墟かと疑ってしまう独特の風情がある。
特に入り口付近のツタは低く垂れ下がって、少し腰をかがめて店の中に入るといった具合だ。

店内は想像通りレトロな雰囲気。
ランプを再利用した照明、板張りの天井、レンガ造りのカウンターの奥にオーナーと思しき老夫婦がいる。
空いた席に座ると、奥さんの方が声をかけてきた。
「うちはセルフサービスなので、取りに来てもらえます?」

私は見逃していたが、入り口にはこんな注意書きが置いてあった。
- カウンターに水があります。各自お願いします。
- ご注文を言って空いている席にお座り下さい。
- 料理が出来ましたらお呼びしますのでカウンターに取りに来てください。
- カウンターの後ろにナイフ・フォークがありますので各自お取りください。
- 飲食後、カウンターの左端に食器をお持ち下さい。
なるほど、こういうセルフサービスの店は珍しい。
これならば老夫婦の移動距離は最低限で済むというわけだ。

カウンターにお水を取りに行きつつ、私は迷わず「ハンバーグステーキ(サラダ・ライス付)」(1000円)を注文する。
メニューは他に1000円で食べられる「ローストポーク」「ローストビーフ」「ビーフシチュー」、さらに「ビーフステーキ」(2500円)と「本日のサービスメニュー」(2000円)があるようだが、私がお店にいる間にやってきた客は全員私と同じ「ハンバーグステーキ」を頼んでいた。
やっぱりダントツの人気メニューなのだ。

常連さんらしき人は、何度もカウンターに足を運びできた料理を自分の席に運んでいる。
これがこの店のシステムなのだ。
私もカウンターの様子を見ながら、自分の分ができたらその都度取りに行く。

まず最初がサラダ。
ランチについてくるサラダではあるが、決してミニではない。
大皿にキャベツの千切りがたっぷり載せられ、中央にマヨネーズとドレッシングがかかっている。

続いてライスを取りにいったタイミングでちょうど私のハンバーグが出来上がった。
「両方一度に運ぶと危ないよ」と言われながら、2つの皿を両手に持って自分のテーブルまで運ぶ。
3枚の皿でもうテーブルはいっぱいだ。
これで今どき1000円+消費税はなかなかのサービス価格と言えるだろう。
店を訪れる客の大半が男性というのも頷ける。

さて、こちらがお店の名物「ハンバーグステーキ」。
ドーム型をした特大ハンバーグで、本によれば厚み6センチ、重さは650グラムもあるという。
確かにデカい。
だが単にデカいだけが取り柄ではないことは一口食べればすぐにわかった。

ハンバーグを半分にカットすると、中から白い湯気がもわっと立ち昇った。
まず感じるのはそのふわふわ感。
見た目の重量感とは対照的に、実に柔らかく溶けていくようなハンバーグである。

そして、生姜ベースの甘めのソースが食欲をそそる。
ご飯との相性も抜群だが、キャベツと一緒に食べるのも美味い。
あの大量の千切りキャベツはこの特大ハンバーグを美味しく食べるために必要だったのだ。

岡山市の中心部からは離れた国道沿いのレストラン。
老夫婦が営むこのお店が半世紀もの間、客から愛され続けたのは癖になる特大ハンバーグのおかげだろう。
私もすっかりその虜になってしまったようだ。
食べログ評価3.39、私の評価は3.80。
「レストラン ツモロ」 電話:086-278-0112 営業時間:11:00~21:00 定休日:水曜