2021年のテーマとして掲げた「井の頭公園の植物」観察。
今回は、春らしさが増す中で、様子の変化が目についた低木を2つ記録しておく。
「トサミズキ」と「ヒサカキ」、どちらもまったくこれまで縁のなかった植物である。
「トサミズキ(土佐水木)」

葉っぱのない枯れ枝に、たくさんの黄色の花がぶら下がっている。
ちょっと不思議な植物だ。

名前は「トサミズキ」。
主に土佐(高知県)の山地に自生するマンサク科の落葉樹だという。
枝の先から黄色い花がいくつもぶら下がる光景は、かなり目立つので、古くから庭木として植えられてきた。

井の頭公園の中でも、比較的人工的なエリアにポツンと植えられている。
実はもう一箇所この「トサミズキ」が植えられている場所がある。
それは・・・

「ジブリ美術館」前の花壇だ。
こちらの「トサミズキ」はまだ小さいが、それでもいくつもの花がぶら下がっていた。

一つの蕾から、8個ほどの小花が連なって咲く。
見れば見るほど不思議な植物だ。
花言葉は「優雅」「清楚」、ちょっと違う気がする。
この「トサミズキ」によく似た植物が、吉祥寺通り沿いの歩道に植えられている。

こちらは「ヒュウガミズキ」という。
「トサミズキ」に比べると、花が小さく、一つの蕾から咲く小花は2〜3個だそうだ。
花言葉は「思いやり」。
どちらも、花を楽しむための植物のようで、それ以外の特徴についてはあまり書かれていなかった。
「トサミズキ」 分類:マンサク科トサミズキ属 特徴:落葉広葉樹・低木 花が咲く時期:3〜4月 実がなる時期:9〜11月
井の頭公園の「トサミズキ」はここ!

「ヒサカキ(柃)」

井の頭弁財天の前を通りがかった時、この小さな薄緑色の小花に気がついた。
これまで見向きもしなかった常緑樹だが、そこにはグリーンアドベンチャーの名札が設置されていた。

『ひさかき』。
用途として、「関東以北ではさかきの代用として神事に使われる』と書かれている。

確かに、その葉は艶やかで、神前に供える榊によく似ている。
「ヒサカキ」の名前の由来にはいくつもの説があるという。
名前の由来には諸説あるが、①小型のサカキを意味する「姫サカキ」②サカキに似るがサカキではない「非サカキ」③実が沢山なる「実サカキ」④日当たりを好むため「陽サカキ」などの語源が知られる。
出典:「庭木図鑑 植木ペディア」

ただ、私が興味を持ったのは、こちらの花のつき方だ。
枝の裏に小さな花がひしめくようにぶら下がっている。
いろんな花の咲き方があるものだ。
ちなみに、この花、近くで嗅ぐとプロパンガスの匂いがするという。

木としては、まったく面白くもないが、防火性や耐潮性があり、垣根としても多用されるそうだ。
言われてみれば、よく見かけるような気もする。
ある研究者によれば、この「ヒサカキ」、実は日本の木の中で最も個体数が多いという推計もあるという。
花言葉は「神を尊ぶ」、神事に使うものですから・・・。
「ヒサカキ」 分類:モッコク科/ヒサカキ属 特徴:常緑広葉樹・低木 花が咲く時期:3〜4月 実がなる時期:10〜11月
井の頭公園の「ヒサカキ」はここ!

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