<吉祥寺残日録>ウクライナ危機🇺🇦 ホワイトハウスでの首脳会談がまさかの大激論!王様トランプを怒らせたゼレンスキー大統領の絶体絶命 #250301

今日から3月。

東京は最高気温が20度に達しようかというポカポカ陽気だ。

ところが今日は朝から気分が重い。

朝のテレビニュースでウクライナの命運を左右しかねない大激論を目の当たりにしたためである。

短期間で戦争を終わらせるとの公約を実現させるため、ここにきて連日ウクライナ問題であの手この手のディールで揺さぶりをかけてきたトランプ大統領。

アメリカがこれまでに行った巨額の軍事支援の見返りとしてウクライナの領土に眠るレアアースなどの鉱物資源の権益をアメリカに渡し共同開発することで、ウクライナの安全が保証されるという独自の構想を飲ませるべくホワイトハウスでゼレンスキー大統領との首脳会談に臨んだ。

このところゼレンスキー氏を「選挙なき独裁者」と呼ぶなどギクシャクしていた両者の関係だが、この日はトランプ氏自らゼレンスキー大統領を出迎え、会談後には合意文書への署名と共同記者会見も予定されていた。

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石破総理など他の首脳たちとの会談同様、トランプ大統領はホワイトハウスにメディアを入れて質問を受けるスタイルでかなり長めの冒頭撮影を許した。

ところが、この多くのメディアの前で、両首脳は思いもかけない言い合いとなったのである。

果たして、何があったのか?

日本経済新聞の報道をもとに、大激論の詳細を記録しておきたい。

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言い合いのきっかけを作ったのは同席したバンス副大統領だったようだ。

以下、日本経済新聞からの引用。

記者 (トランプ氏が)ロシアのプーチン大統領と「親密になりすぎる」と心配する声がある。

トランプ氏 私はプーチンと歩調を合わせているわけではない。誰とも歩調を合わせていない。私は米国と世界とともにいる。彼(ゼレンスキー氏)は非常に強い憎悪を(プーチン氏に対し)抱いているが、向こうもそうだ。私はタフになることもできるが、そのやり方では合意は得られない。

バンス氏 私も(その質問に)答えたい。プーチンに厳しい口調で記者会見した米国の大統領が4年間、存在した。だが、プーチンはウクライナの多くの部分を破壊した。バイデン(前大統領)にとっては行動よりも発言の方が重要だった。平和への道とは外交に関与することだ。トランプ大統領がやっていることは、これだ。

ゼレンスキー氏 聞いてもよいか。プーチンは2014年にウクライナを占領した。東部とクリミア半島だ。その後、何年もの間、(米国の大統領は)誰も止められなかった。

トランプ氏 14年にはここ(ホワイトハウス)に私はいなかった。

ゼレンスキー氏 しかし、14年から22年まで状況は同じだった。人々が死んでいるのに誰も彼(プーチン氏)を止めなかった。私は彼と話して、そして契約を結んだ。停戦協定を結んだ。ガスの契約も結んだ。しかし、彼は停戦を破った。捕虜の交換も約束したが、それも破った。(バンス氏に向かって)あなたが話す外交とは何なのか。

バンス氏 あなたの国の破壊を終わらせる外交について話している。

ゼレンスキー氏 しかし、あなたが強くなければ。

バンス氏 失礼だが、あなたが米国のメディアの前で訴えをするために、ここに来るのは失礼だ。(トランプ)大統領に感謝すべきだ。

ゼレンスキー氏 あなたはウクライナに来たことはあるか。私たちが抱える問題について、あなたは知っているか。

バンス氏 実際に話を聞いて、何が起こっているか知っている。あなたはプロパガンダツアーをやっているのだ。あなたが問題を抱えていることに気づいていないのか。

ゼレンスキー氏 戦争中は誰もが問題を抱えている。(米国は)海に囲まれ、今は感じていないかもしれないが、将来は感じるだろう。

トランプ氏 あなたは(私たちのことを)何も知らない。我々がどう感じるかについて、語るな。

ゼレンスキー氏 言っていない。質問に答えただけだ。

トランプ氏 あなたは指示する立場にない。

ゼレンスキー氏 私は指示などしていない。

ここで、トランプ大統領がキレる。

トランプ氏 あなたは今、非常に不利な立場にいる。あなたには(使える)カードがない。我々にはカードがある。

ゼレンスキー氏 私はカードゲームなどしていない。

トランプ氏 今まさに、あなたはカードゲームをしている。

ゼレンスキー氏 私はとても真剣だ。戦時下の大統領だ。

トランプ氏 あなたは何百万人もの命をギャンブルにしている。第3次世界大戦をギャンブルにしている。あなたがやっていることは、米国に対して非常に失礼だ。

ゼレンスキー氏 私はあなたの国に敬意を払っている。

バンス氏 感謝の気持ちを一度でも伝えたことはあるか。

ゼレンスキー氏 何度もある。

バンス氏 いいえ。この会談で言ったか。

ゼレンスキー氏 何度も言った。

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ここでバンス大統領が去年の選挙戦の話まで持ち出し火に油をそそぐ。

バンス氏 あなたは(24年大統領選期間中の)10月に東部ペンシルベニア州に行き、野党(民主党)の選挙運動に加担した。トランプ大統領に感謝の言葉を述べなさい。あなたの国を救おうとしているのだ。

ゼレンスキー氏 あなたは、戦争について大きな声でも張り上げればよいと思っているのか。

トランプ氏 彼は大きな声で話していない。あなたの国は大きな問題を抱えている。

ゼレンスキー氏 答えてもよいか。

トランプ氏 いや、あなたはもうたくさん話した。あなたの国は大きな問題を抱えている。

ゼレンスキー氏 分かっている。

トランプ氏 あなたはこれに勝っていない。あなたは我々のおかげで無事に済む可能性が非常に高い。

ゼレンスキー氏 我々は自国にとどまり、戦争の当初から強くあり続けている。私たちは孤立していた。私は感謝している。

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トランプ大統領は、ゼレンスキー氏を何度も指差しながらどんどん追い詰めていく。

トランプ氏 あなたは孤立していない。我々は(バイデン氏を念頭に)愚かな大統領を通じて、あなたに3500億ドルを支援した。軍備装備を与えた。あなたの兵士は勇敢だが、我々の軍備装備を使わなければならなかった。なければ、この戦争は2週間で終わっていたはずだ。

バンス氏 繰り返すが、感謝の気持ちを伝えて、受け入れなさい。

ゼレンスキー氏 私は感謝を何度も米国民に述べた。

バンス氏 意見の相違があることを受け入れなさい。米国のメディアの前で、争おうとするのは良くない。私たちはあなたが間違っているのを知っている。

トランプ氏 ここで起こっていることを米国民に見てもらうのはとても良い。だから、これほど長く(口論を)続けているのだ。感謝しなければならない。

ゼレンスキー氏 感謝している。

トランプ氏 あなたにはカードがない。あなたの国民は死にかけている。

ゼレンスキー氏 分かっている。(もう)やめてほしい。大統領、お願いだ。

トランプ氏 あなたの兵士は不足している。だが、あなたは私たちに「停戦したくない」と言ってきた。もし、今すぐに停戦すれば、弾丸が飛び交うことも、仲間が殺されることもなくなるだろう。

ゼレンスキー氏 もちろん、戦争を止めたい。

トランプ氏 私は停戦を望んでいる。我々がいなければ、あなたにはカードがない。厳しいディール(取引)になるだろう。まずは態度を改めないといけない。

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歴史上稀に見る悲惨な首脳会談。

トランプ氏は最後、記者からの質問にこう答えて会談を打ち切った。

記者 ロシアが停戦を破ったらどうするのか。

トランプ氏 もしものことか。今、もしも爆弾があなたの頭上に落ちたらどうするのか。

記者 ロシアは何度も停戦の約束を破っている。

トランプ氏 彼が何を破ったのか。バイデンとは破った。彼らはバイデンやオバマ(元大統領)を尊重しなかった。私のことは尊重している。プーチンと私は多くの地獄を経験した。ロシアを利用した魔女狩りを経験した。バイデンやヒラリー・クリントン(元国務長官)ら民主党の詐欺だった。彼はそれを乗り越えた。あらゆることを非難されたが、実際は何の関係もなかった。

彼はオバマやブッシュ(元大統領)、バイデンとの取引を破棄したかもしれない。何が起こったのか分からないが、私に対しては破ったことがない。彼は取引を望んでいる。

問題はあなた(ゼレンスキー氏)がタフになるように力を与えてしまったことだ。米国なしでは、タフになれない。あなたの国民は勇敢だが、私たちは合意しなければ、去る。あなたにはカードがない。

あなたが(米国と)合意文書に署名すれば、あなた方ははるかに有利な立場に立つだろう。しかし、あなたは感謝の態度を示していない。それは良くない。

もう十分だ。このやりとりはテレビ番組を作るのに、よい材料となるだろう。

ゼレンスキー大統領は、想定外なほど大失敗の会談を終え、逃げるようにホワイトハウスを後にした。

ロシアの侵攻から3年、欧米諸国ではどこに行っても暖かく迎えられた彼が、これまで味わったことのない挫折感だっただろう。

会談後トランプ大統領がいつも見ているFOXニュースのインタビューに答え、「関係修復は可能だ」と期待を口にしたゼレンスキー氏だったが、メディアの前で繰り広げられたこの大激論は今や王様気取りのトランプ大統領やその取り巻きたちには許し難い汚点として残ったに違いない。

もはやゼレンスキー氏とは交渉せず、プーチン大統領とのディールに専念し、ウクライナが望まない形での停戦を迫る可能性が高くなった。

軍事大国ロシアの侵攻を前に自ら広告塔となって世界に支援を求め続けてきたゼレンスキー大統領。

その彼が今や退陣の危機に瀕している。

私はつい数日前のブログで、停戦実現を祈りつつ次のように書いた。

『願わくは、ウクライナの人々がある程度納得できる形での停戦が実現することをただただ祈りながら、予測のつかない成り行きを見守るだけである。』

しかし最悪の首脳会談を大きなターニングポイントとして、「予測のつかない成り行き」は最悪の方向に進み始めるような気がしてならない。

実に気分の悪い3月の始まりである。

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