私がヨーロッパ旅行に出掛けている間に、大きなニュースがいくつかあった。
まずは、去就が注目されていた大谷翔平。
来シーズンからは、ロサンゼルス・ドジャーズのユニフォームを着ることに決まった。

10年契約で7億ドル、約1022億円という世界のスポーツ史上最高額での契約となった。
ものすごい金額だ。
しかも、現役の10年間は1年平均200万ドルしか受け取らず、残りの6億8000万ドルは引退後に受け取る契約内容になっているそうだ。
現役引退後に、メジャーの球団でも買うつもりなのだろうか?
そもそも、大谷は野球以外のことにほとんどエネルギーを注いでいないようなので、現役時代に大金をもらっても使い道がないというのが正直なところだろう。
日本時間の15日午前に大々的な入団会見が行われる予定なので、詳しくはまたその時に。

ガザ情勢は、旅行前の一時休戦が終わり、イスラエル軍によるガザ南部への本格的な軍事作戦が始まった。
イスラエルの求めに応じて南部に避難した人たちも容赦ない攻撃にさらされている。
一方的にガザでの犠牲者が増え続ける事態に、反イスラエルの国際世論も日増しに高まり、国連総会は12日に開いた緊急特別会合で即時停戦を求める決議を採択した。
こうした中、イスラエルの後ろ盾となって安保理で拒否権を行使してきたアメリカも次第に立ち位置を変えてきていて、バイデン大統領は「イスラエルは支持を失いつつある」と苦言を呈した。
「パレスチナ国家を認めない」というネタニヤフ政権の強硬姿勢に対し、バイデン政権は次第に距離を置き始める可能性がある。

こうして国際的に孤立を深めるイスラエルは、ガザ市内に張り巡らされた地下トンネルに海水を流し込む作戦を開始したという。
地下トンネルはハマスの隠れ家となっていると同時に、いまだに囚われている人質たちもトンネル内にいる可能性が高いとされる。
ネタニヤフ政権は人質の命を犠牲にしても、ハマスの息の根を止めるという強い意志を示したものだ。
ガザでの戦闘も始まったからすでに2ヶ月を超え、パレスチナ側の死者数は2万人に迫っている。

こうしたニュースを吹き飛ばす勢いで、私の旅行中、メディアが大騒ぎしているのが自民党の政治パーティーをめぐる裏金疑惑である。
旅立つ直前、私はこの問題が岸田政権の致命傷になる可能性があると書いたが、もはやその屋台骨はガタガタになっている。
今日臨時国会が閉幕し記者会見に臨んだ岸田総理は、政治資金の問題に自ら先頭に立ち火の玉となって解決を図ると述べた。
とりあえず手始めとして、派閥パーティーの自粛を申し合わせるとともに、総理自身も派閥から離れ、明日内閣改造をおこなうと明言した。
「安倍派一掃」が改造の目的で、検察の当面の捜査対象となっている安倍派所属の4人の大臣と5人の副大臣が更迭される。

この中には、岸田政権を発足以来支えてきた松野官房長官も含まれていて、当初この問題に反応の鈍かった岸田総理は、今日の会見でも時折言葉を詰まらせ今にも泣き出しそうな危機感を滲ませた。
松野氏の後任には同じ岸田派の林芳正前外相が就任する方向で最終調整が行われているそうだが、候補者が次々に事態する泥舟状態の中で、岸田さんは林さんに将来派閥を譲ることを条件に就任を懇願することになるのだろうか。

党役員でも、安倍派五人衆と呼ばれる萩生田政調会長と高木国対委員長が自ら辞任するようである。
年末の予算編成の重要な時期に、政調会長が交代するというのは異例の事態だ。
安倍派一掃を打ち出した岸田総理に対して、最大派閥である安倍派内からは強い反発が出ていて、自民党内の権力争いは先が見通せない状況に陥っている。
支持率も20%台に落ち込んだ岸田総理。
もはや生き残ることは不可能なほどの窮地に立たされているように見える。

ただ、自民党に取って代わるほどの魅力的な野党がいないことが岸田さんにとってのかすかな希望だ。
さらに、現在の政治資金規正法では派閥からのキックバックを認めた議員を処罰することはできないとの専門家の指摘もある。
検察は全国から50人の検事を集め、来年の通常国会が始まるまでの1ヶ月に集中的な捜査を行う構えだ。
果たして、派閥政治の闇にどこまで迫れるのか?
安倍一強体制の中で牙を抜かれていた検察が久しぶりに国民の喝采を浴びる成果を挙げることができるのか、大いに注目して見守りたいと思う。