ついに、大谷翔平がロサンゼルス・ドジャーズのユニフォームに袖を通した。
日本時間15日午前8時から始まった大谷の入団会見。
その様子は日本のテレビでも生中継された。
日本からも多くのメディアが押しかけ、総勢400人を超える報道陣が見守る中で大谷翔平は通訳の水原一平氏を伴って、ドジャーズカラーであるブルーのネクタイと紺色のスーツで登場した。
球団関係者による歓迎のスピーチの後、大谷は上着を脱ぎ、背番号「17」と記されたドジャーズのユニフォームに袖を通した。
ちょっとはにかんだようないつもの表情。
名実ともに、ドジャーズ大谷翔平の誕生である。
2度目のMVPを獲得した二刀流のスーパースター大谷翔平の獲得競争は熾烈を極めた。
当初から本命と見られていたドジャーズのほか、サンフランシスコ・ジャイアンツやトロント・ブルージェイズなどが最後の最後まで競り合い、メディアの報道も過熱した。
そして正式にドジャーズ入団が発表されたのは9日。
私がそれを知ったのはアイスランドからリヒテンシュタインに到着し、ホテルでネットニュースにアクセスした時だった。
その契約内容が明るみになる。
10年契約で総額7億ドル、日本円で1000億円を超えるメジャーリーグはもちろん、全てのプロスポーツ史上最高額での契約だったのだ。
サッカーなどに比べ、世界的にはマイナーとされる野球で、メッシらを超える契約を果たした大谷翔平はまた一つ伝説を打ち立てたことになる。
さらにみんなを驚かせたのは、現役時代に受け取る年俸を低く抑えて契約額の97%を引退後に受け取るという契約内容だった。
自らの年俸が他の選手補強に悪影響を与えることを避けるためで、何よりもドジャーズが勝てるチームであることが大谷にとって最優先の条件だということがこの契約からもうかがえる。
さらに、この契約の中には、マーク・ウォルター・オーナー、アンドルー・フリードマン編成本部長のいずれかが役職を退いた場合には大谷側が契約期間の途中で破棄できるという条項も含まれていた。
ワールドチャンピオンという目標を掴むために、オーナーやフロントとの信頼関係を重視してドジャーズを最終的に選んだことをこの条項は示しているのだろう。
今日の入団会見で、大谷は次のように述べた。
「明確な勝利へのビジョンと豊富な球団の歴史を持つドジャースの一員になれたことを、心よりうれしく思うと同時に興奮している」
さらに古巣であるエンゼルスへの最大限の感謝を述べ、大谷獲得のために名乗りを上げてくれた全てのチームにも感謝すると語った。
大谷らしい簡潔だが、心配りの行き届いたスピーチ。
そこには浮かれた言葉はひとつもなく、ただ勝利のために最善の選択をするという大谷の覚悟を感じた。
その後、着席して記者からの質疑応答に答えた大谷。
余計な言葉は避け、問われたことに簡潔に答えていく。
優勝への思いについて問われると、「優先順位は、いちばん上。勝つことが今の僕にとっていちばん大事なことだと思うし、優勝に欠かせなかったと言われる存在になれるよう全力で頑張りたい」と語り、ワールドシリーズ優勝に並々ならぬ決意を示した。
9月に受けた右肘手術のことを聞かれると、すでに素振りを始めていることを明かし、「キャンプで試合に入れる準備ができていれば開幕に十分間に合うんじゃないか」と話し、順調な回復をアピールした。
来シーズン、ドジャーズの開幕戦は3月韓国で行われることが決まっている。

しかしこの日の会見で、野球のこと以上にメディアに取り上げられたのは、2度目のMVP受賞の際に一緒に登場した愛犬の名前だった。
「デコピンです。こちらの人は発音が難しいので、こちらではディコイで紹介しています」
あの犬の名前をここで発表してもらいたいという記者からの質問を受け、大谷は少し照れた表情でその名前を明かしたのだ。
アメリカ人のファンの間で、「デコピン」という日本語が一気に広まることは間違いない。
名実とも世界のトッププレーヤーになりながら、相変わらず少年のような純粋さを感じさせるところが、日本でもアメリカでも大谷が愛される理由なのだろう。
私は来年2月、カリブ海の旅行に行く際に久しぶりにロサンゼルスに立ち寄る計画を立てている。
学生時代、3ヶ月半を過ごしたロサンゼルスの懐かしい場所を訪ねるのが目的だが、当時私が通った「エバンス・アダルトスクール」はドジャーズスタジアムのすぐ近くにあった。
その頃大谷がすでに練習に参加しているかどうかはわからないが、せっかくならば私もドジャーズの本拠地をのぞいてみたいと思っている。
ドジャーズ大谷の活躍と、ワールドシリーズ制覇が見られるか・・・今から楽しみで仕方がない。