<吉祥寺残日録>敬老の日、伯母の空き家管理のため岡山に帰省した #210920

コロナ第5波もかなり落ち着いてきて、この三連休、全国の行楽地はかなりの賑わいだったらしい。

私も今日、一人で飛行機に乗って岡山にやってきたのだが、もちろん観光目的ではない。

認知症で入院した伯母の留守宅を管理する役目が私にはあるのだ。

1ヶ月余り空き家のままになっていた伯母の家は、心配した泥棒被害などはなかったが、庭の芝生がすっかり伸びていた。

早速、草刈機を取り出して芝刈りをする。

そして、押し入れに眠っていた布団を天日干し。

岡山に到着した時には快晴だったのに、布団を干すとなぜか雲が出てくる、布団干しのアルアルである。

郵便受けを確認すると、選挙のチラシなどが溜まっていた。

水道メーターをチェックする会社からの手紙も入っていて、いつもより水道の使用量が多いと書いてあった。

それは、私たちが長期滞在したために違いない。

8月に来た時に、押入れの中から引っ張り出した古いタンス。

私たちの衣類を仕舞うのに使わせてもらおうと思ったのだが、長い間、押入れの中に眠っていたので、引き出しを全部引っこ抜いて1ヶ月間乾燥させていた。

今日乾いた引き出しをタンスに納めてみると、前より確実に滑りが良くなった気がする。

滑りが良くなったということで言えば、ふすまやしょうじといった建具が全部動きにくかったので、家からロウソクを持参し、敷居にすりすりしてみた。

たったそれだけのことで、建具が軽快に動くようになり、家の中の移動が格段に快適になった。

そんな作業をしていると、あっという間にお昼になった。

途中のスーパーで買った「モダン焼き」。

岡山では、焼きそばの入ったお好み焼きを「モダン焼き」というのだが、このサイズで300円もしないのだ。

今日の午前中には、大谷翔平が10勝目をかけたマウンドに上がっていたのに、私は移動と雑用ですっかり見逃してしまった。

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この日の大谷は8回2失点10奪三振と好投したが、仲間の援護がなく10勝目はお預けとなったようだ。

でも、せっかくならば103年ぶりの快挙をリアルタイムで見たいので、私にとっては残念でもあり、ありがたくもあるという感じである。

午後には、お墓の周囲の草を刈る。

明日、私の母がお彼岸のお墓参りをしたいというので、その前に歩く道を作ってあげるためだ。

ただこの季節の草は、昔懐かしい優しい雑草が多く、草刈機を入れるのがかわいそうに思えた。

そのため、母が通れる程度の通路だけを草刈りし、周辺の雑草はそのまま残すことにした。

今年1年、井の頭公園で植物観察を続けている影響もあった、道端の雑草にも愛着が湧いてきているように感じる。

その後は、ブドウ畑の様子を見に行った。

管理する人のいないブドウ畑はこんな風になるんだと、そのワイルドな光景に言葉を失う。

高級ブドウとして人気が高い「シャインマスカット」も、人が手をかけず放置していると、小さな粒がたくさんついた長い房になり、おまけに袋かけをしていないので、雨に濡れたり鳥や虫に食べられて半ば腐ったようにしてぶら下がっている。

それでもまだ、露地ものの「シャインマスカット」は今がちょうど収穫時期なので、食べられそうな房もないわけではない。

一方、大粒の黒ブドウである「ピオーネ」は、本来8月下旬に収穫しなければならないもので、かなり悲惨な状況になっていた。

果肉が腐り、そこに虫が集まって、とても食べられそうにない。

中にはすでに干しブドウのような姿になって枝からぶら下がっているものもある。

果たして、このブドウ畑、どう始末すればいいのだろうか?

やはり、月に1回程度帰省するだけでできるほど、農業は生やさしいものではないということだろう。

この畑も墓も、長年、伯母が一人で管理してくれていたのだ。

都会で生活している人間のひ弱さ、役に立たなさを痛感しながら、明日私は入院後初めて伯母の病院に面会に行く。

自分が望みもしない入院を強いた私を、伯母はどんな顔で迎えてくれるのだろうか?

正直、不安である。

岡山16年夏

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