8月1日で私の結婚生活も43周年を迎えた。
子育てを終え、会社も辞めて、妻と2人の穏やかな暮らしももう5年になる。
今年の結婚記念日は岡山で過ごす予定だったが、2歳の孫が入院したとの連絡を受けて急遽東京に戻り、結局いつものように吉祥寺で迎えることになった。

岡山とは違って特別やらなければならないことのない吉祥寺での生活。
結婚記念日だからといって特段の予定もなく静かに過ごすつもりだったけれど、珍しく妻の方から食事のお誘いがあった。
コロナ禍の期間中に近所にできた小さなイタリアレストランに行ってみたいというのである。
お店の名前は「momento」。
イタリア語で「瞬間」とか「一瞬」とかいう意味だろうか。

入り口の黒板にはこんな言葉が書かれていた。
『イタリアのミシュランで修業したシェフがお作り致します』
「イタリアのミシュラン」というワードに惹かれてか、店の前を通るたびに小さなレストランは結構客で賑わっているため、妻も以前から気になっていたらしい。

記念日なので最初はディナーでもと思ったが、コースメニューは少し重すぎると妻が言うのでランチを予約することにした。
この店のランチにはいくつかの選択肢がある。
- パスタ&ドリンクセット 1800円
- メイン&ドリンクセット 2600円
- Aセット(前菜+パスタ+メイン) 4500円
- Bセット(前菜+メイン+パン) 3500円
- Cセット(前菜+パスタ) 2900円
この日のメインディッシュは「天然真鯛のアクアパッツァ」か「イベリコ豚肩肉のソテー」からのチョイスだった。

店内は、2人掛けのテーブルが5つのみ。
すでに3組の先客があり、私たちは壁際の席に座る。
天井にはアンティークで小さなシャンデリア、壁を飾る小物類はイタリアで調達した物のようだ。

珍しく私と妻のオーダーが一致した。
前菜とメインで構成される「Bセット」だ。
私も妻もイタリアンの前菜が好きなので、カルパッチョや自家製テリーヌなど10種類ほどのアンティパストは外せない。

私はランチドリンクの白ワインもオーダーして、結婚記念日のランチが始まった。
しかし、期待が高すぎたのか前菜は特別美味しいとは感じない。
妻は美味しいと食べていたが、どうもイタリアのミシュランで修業したシェフの味付けは私好みではなかったようだ。

続いてメインとなる「真鯛のアクアパッツァ」。
この店の人気メニューらしい。
見た目はとても美味しそうなのだが、残念ながら、これまた期待したほどではなかった。

メインと一緒に運ばれてきた自家製のパンはとても柔らかくてしっとりしていた。
ひょっとすると他の料理を選んでいたら、私の印象も違ったかもしれない。
ただ、店と客の間にはやはり相性というものがあり、どうやらこの店と私はあまり相性が良くないようだ。

ランチをいただく前は、食後のコーヒーも注文するつもりだったけれど、結局そのまま店を出て近所にある馴染みの喫茶店「チャイブレイク」でチャイを飲むことにした。
いつもながらスパイスの効いたチャイは美味しかったけれど、値段はいつの間にか上がっていた。
何もかも値上がりする昨今、チャイ1杯880円というのも致し方ないのだろう。

ネット上にフェイク情報が氾濫し、信じる人がいるのか不思議なような陰謀論がすっかり社会に定着してしまった今の世界。
いろいろ私の意に沿わないことは増えているけれど、東京と岡山を往復する呑気な隠居生活には満足している。
金婚式まであと7年。
世界がもっと平和になり、社会が極論に振り回されることなく、今の穏やかな生活がそれまで続いてほしい。
まあ、そんなことを考えながら過ごした43年目の結婚記念日だった。
食べログ評価3.13、私の評価は3.10。
「吉祥寺 イタリア料理と自然派ワイン momento」
電話:070-4002-5496
営業時間:11:30-14:00/17:30-22:00
定休日:日曜、不定休
https://www.instagram.com/momento_italian/