🇯🇵 京都府/京都市→和歌山県/伊都郡高野町 2023年4月7日
今、高野山の宿坊でこのブログを書いている。
高野山に来た目的は、伯母の永代供養を相談するため。
しかし本心は、初めての高野山に激しく旅情を掻き立てられている。

高野山に行くならば吉野の桜も見てみたいと、前日京都に宿を取ることにした。
初めて宿泊した京都駅南口のビジネスホテル「ヴィアインプライム京都駅八条口」は予想以上に素敵な朝食ビュッフェがついていて、さすが「プライム」と付いているだけあって普通のヴィアインより頑張っているのがわかる。

おばんざいや漬物はもちろん、ご飯も白米、茶粥、美活米御飯と並び迷ってしまう。
今晩はお寺の精進料理だから朝はパンにしようと思っていたのに、知らぬうちにすっかりお盆の上は和食で埋まっている。
さすが、京都。
世界に冠たる観光都市だ。

朝からいろいろ食べて腹一杯になったのに、「オリジナル白玉ぜんざい」の鍋と見て思わず食べてしまった。
これがまた、塩味が効いていて美味しいのである。

今日は朝から雨が降った。
それも相当な大雨なので、予定していた吉野行きを諦め、京都から高野山に直行することに決めた。
京都駅からJRの新快速に乗り大阪駅へ。
関西の鉄道がどうなっているのか、私も妻もほとんど知らないのでこれは完全な旅気分である。

大阪駅でJRの環状線に乗り換えて新今宮という駅で降りる。
山手線ならどこの駅でも大体の見当はつくが、大阪環状線についてはさっぱり、どこが北でどこが西なのかもさっぱりわからない。
こいつは面白いと思う。
65歳になっても大阪の地理さえわからない。
東京と岡山を往復するだけでなく、これからは途中寄り道して大阪や名古屋、紀伊半島などこれまで素通りしてきた場所を訪ねてみたいと思った。

新今宮から南海電車に乗り換え、橋本という駅に向かう。
南海電鉄のホームで電車を待っていると、ホームに掲げられた高野山特急の広告が目に止まった。
お坊さんが行列した見たことのないポスター、所変われば品変わる、やっぱり面白い。

新今宮を出発した電車は途中堺のあたりを通過する。
戦国時代に歴史を動かした堺の街や古代日本が築いた世界有数の巨大建造物「百舌鳥・古市古墳群」はこんな住宅密集地にあるのかと、Googleマップで現在位置を確認しながら思ったりした。
高野山で先祖の永代供養をして時々訪れるようになれば、自ずとその周辺を旅する機会も増えるだろう。
これも伯母のお導きということかもしれない。

電車はずっと変わり映えしない都市の中を走っていたが、境を過ぎたあたりから遠くに山が見えてきた。
外は相変わらず雨が降り続いていて、山には雲がかかっている。
いかにもこれから高野山に行くぞという雰囲気で、なかなかいい感じだ。

橋本駅で別の南海電車に乗り継ぐため、30分ほどホームで待つ。
ここはもう和歌山県だ。
この辺りまで来ると、外国人観光客の姿が目立つようになり、日本人と外国人がほぼ同数という印象だ。
地図で確認すると橋本駅から高野山までは大した距離ではないのになぜ電車を乗り換えるのだろうと疑問に思ったが、電車が走り出してその理由がわかった。

橋本駅を出発した電車は徐々に高度を上げていき、山がどんどん近くなっていく。
そう、まさに箱根鉄道に乗っている気分だ。
箱根湯本で電車を乗り換えるように、橋本からは急勾配を登ることができる車両に変える必要があるのだろう。

関ヶ原の戦いの後、真田幸村が蟄居した九度山を通り、線路はさらに急勾配になっていく。
単線なので途中の駅で長時間停車して3本の電車をやり過ごす。
距離は短くても時間がかかるのはこういう理由かと思う。

そうして終点の極楽橋駅に到着したのは午後1時すぎだった。
電車を降りるとすぐにケーブルカーに乗り換えなければならない。

切符はどうするのかなと考えている余裕もなく、人々の流れに乗ってそのままケーブルカーに乗り込んだ。
ここまで来ると、もはや日本人の方が少数派で、ケーブルカーに乗り込む乗客の大半が外国人だということに気づく。

ケーブルカーの窓からは雨の中でしっとりと濡れた桜と新緑が見える。
外国人があえて高野山まで来る理由がわかる気がした。

終点・高野山駅に到着。
ここでも慌ただしくバスに乗り込む。
ケーブルカーも高野山のバスも全部Suicaでの支払いができるので、いちいちチケットを買い求める必要はない。
日本の旅も便利になったものだ。

高野山駅からのバスは、奥之院行きと大門行きの2路線。
私たちが予約した宿坊はどちらのバスも通りメインストリート沿いにあるので、空いている大門行きのバスに乗った。
乗客は全員外国人だった。
東京でもこれほど外国人比率の高い場所はないと思う。

初めて訪れる高野山。
右も左も分からないまま、Googleマップを頼りにバスを降り大雨の中を宿坊まで歩く。
今夜の宿は「別格本山 普門院」の宿坊。
2食付きで2人で3万4000円である。

ところが、チェックインは午後3時からということで、荷物だけ預かってもらい再び雨の中、高野山の街を彷徨うことになった。
さすが標高800メートルの宗教都市だけあって、町全体がとても落ち着いた雰囲気だ。
大雨の影響もあるのか、日本人のおじいちゃんおばあちゃんの姿がほとんどない。
歩いているのはずぶ濡れの外国人観光客ばかりだ。

あまりに雨がひどいのでお昼ご飯でも食べようと、宿近くの喫茶店に入った。
「喫茶 養花天」。
ここでも客は外国人ばかり。
店内はほぼ満席で、人気の「从甚ラーメンランチ」はすでに売り切れだった。

温かいコーヒーが飲みたかったので、私はチョコレートケーキのセット(800円)を注文した。
濃厚でクリーミーなチョコレートケーキで、これは期待以上だった。

妻が注文した厚焼きトースト(350円)も予想を超えた量と美味しさ。
これならば、夜に宿坊で出されるであろう精進料理と被ることはないだろう。

食事後少し街をぶらぶらしたが、どんどん雨が激しくなり、防水ではない妻の靴やズボンがびしょびしょになってしまった。
もう宿に行きたいというので、高野山見物もほどほどに普門院に戻り部屋でブログを書いているというわけだ。
果たしてどんな料理がいただけるのか、明朝のお勤めはどんな感じなのか、続報はまた明日電車の中で書くとしよう。
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