<きちたび>ニュージーランドの旅2020🇳🇿 バスも電車も船もこの一枚でOK! 【AT HOP カード】でオークランドっ子気分

🇳🇿ニュージーランド/オークランド 2019年12月30日~1月4日

ニュージーランド最大の都市オークランドに5泊。

特別の目的があるわけではないので、公共交通機関を利用して市内をぶらぶらして過ごしました。

そんな時に超便利なのが「AT HOP カード」。

日本のSuicaやPASMOに当たる交通カードで、これ一枚あればバスでも電車でも船でも楽々乗ることができます。

しかもカードを使うと現金払いの半額になることも多いので、絶対にお得です。

【AT HOP カード】の使い方① オークランド空港の到着ロビーで購入する

オークランド空港に到着したら、まず最初に空港ロビーの売店で「AT HOP カード」を買いましょう。

私たちは、到着ロビーにあった「TAKE HOME」という売店で買いました。

こちらが、「AT HOP カード」です。

1枚10NZドル(約720円)。

このカードに、好きな金額をチャージします。ニュージーランドではカードをチャージすることを「Top Up」と言うようです。

私たち夫婦は売店で「AT HOP カード」を2枚購入し、店員さんが「Top Upするか?」と聞くので、それぞれ50NZドルずつチャージしてもらいました。

うれしいことに、カードの購入やチャージにはクレジットカードが使えます。無駄に現金を両替して小銭をためる必要がないので助かります。

空港から市内に向かう「スカイバス」でも「AT HOP カード」は使えます。

市内までの料金は片道17NZドル。

このスカイバスではAT HOP カードを使っても割引はありませんが、空港で行列に並んで切符を買う手間が省けます。実際に私たちも、目の前に止まっていたバスに飛び乗ることができました。

カードを買っていなければ、30分後のバスを待たなければならないところでした。

乗車時に前方扉の内側にある読み取り機にカードをタッチし、降りる際にもう一度タッチする、それだけです。

バスを降りる時は、前後どちらの扉でもOKです。

【AT HOP カード】の使い方② カードのチャージ「Top Up」する方法

滞在中、私たちは2度、カードのチャージ、すなわち「Top Up」を行いました。

1度目は、南島のクイーンズタウンに日帰りで行く前日。ダウンタウンと空港の往復だけで34NZドルが必要なため、追加で50ドル分Top Upしました。

場所は、ダウンタウン中心部のブリトマート駅。ここに置かれた自動販売機でカードのTop Upが簡単にできます。

日本と違って、ここでもクレジットカードでチャージができるので大変便利です。

2回目は、オークランドを発つ前日。ワイヘキ島へ渡るフェリーに乗る時に、残り必要となる金額を考えながら最低限のチャージをします。

この時は、フェリー乗り場に設置された自動販売機を使ってTop Upを行いました。

ワイヘキ島往復のフェリー代は往復で40NZドル、翌日空港まで行くスカイバスが17ドルです。

【AT HOP カード】の旅① 「タマキ・ドライブ」でセント・ヘリアーズビーチ

それでは「AT HOP カード」を使って私たちがどこに行ったかをご紹介しましょう。

まず最初にゲットしたのは、バスの路線図です。

ダウンタウンにあるブリトマート駅の案内所でゲットしました。

オークランドの中央、東、西、南をつなぎ合わせると、近郊の大体の場所がカバーできます。

オークランドの2日目は大晦日。

行き先に選んだのは「ミッション・ベイ」。ガイドブックに「高級住宅が並ぶ市内でも屈指の人気エリア」と書かれていたからです。

バスが発着するブリトマート駅前のバス停に行ってみました。

ところが年末年始(12/22-1/11)は交通渋滞を緩和するためにバスが大幅に減便されているということで、ミッションベイに行くバスは「タマキ・リンク」という路線バスだけです。

しばらく待った後、乗り込んだ「タマキ・リンク」は海沿いの道を東へ走ります。

この道路は「タマキ・ドライブ」と呼ばれる絶景ロードでした。

左手に海、右手に高級住宅街を眺めながらバスは進みます。

海辺にはクルーザーが係留されていて、いかにも「シティ・オブ・セイル」を体感できる気持ちのいい道路です。

そして目的地の「ミッション・ベイ」に到着したのですが、この辺りは飲食店やショップが軒を連ねる賑やかなところで、イメージしていた風光明媚な街とは少し違ったのでそのまま先まで行くことにしました。

すると・・・

ミッション・ベイをすぎた海沿いにのどかなビーチが見えてきました。

「ここで、降りよう」

妻とも意見が一致して、私たちは名前も知らないこの浜でバスを降りることにしました。

ちなみに、私たちが乗ってきた「タマキ・リンク」はこんなブルーのバスです。

この辺りの浜は、「セント・ヘリアーズビーチ」と呼ばれているそうです。

人も少なく、景色も最高。

適度にお店もあって、ミッション・ベイなんかよりはるかにグッドです。

みんな大晦日を実に穏やかに過ごしていて、本当に気持ち良さそうです。

気温は20度ちょっとと日本人が泳ぐには少し肌寒いですが、海に入っている人たちもそこそこいます。

私たちは青空のもと、付近の住宅街をお散歩することにしました。

少し岬のように海に突き出したこの辺りは、一段と豪邸が多いようです。

ダウンタウンから車で20分も走れば、敷地の広々とした家を持てるなんて、人口が少ないニュージーランドは羨ましい限りです。

住宅街は緑にあふれていました。

大晦日といえば、南半球のニュージーランドでは夏。

様々な花が住宅街を飾っています。

岬の高台に登ると、海の向こうにダウンタウンの高層ビル群が見えました。

丘の上のベンチに腰掛けて、しばし海を眺める贅沢な時間です。

有名な観光スポットよりも、私たち夫婦にはこんな旅がちょうどいい。

セント・ヘリアーズビーチで、豊かなニュージーランドライフを垣間見ることができました。

【AT HOP カード】の旅② 「メトロリンク744番」でパンミューア駅へ

セント・ヘリアーズビーチでの散歩を終え停留所に戻ると、ちょうどバスがやってきました。

バスに飛び乗ると、乗客は誰もいませんでした。

このバスは、「メトロリンク」の744番。

メトロリンクは市民の足としてオークランド全域に路線を張り巡らせている路線バスです。ぐねぐね曲がりながら住宅街の中を走るので、慣れない観光客には利用しにくいバスとされます。

でも、早速バスマップを広げてみると、744番のバスはあちこちぐるぐる回った末に最後は鉄道の駅まで行くとわかったので、終点までこのバスに乗ってみることにしました。

バスが内陸に入るにつれ、街の様相が変わってきました。

敷地はゆったりしていますが、平屋の家が増えてきます。

途中から若者たちが乗ってきました。

風貌から、明らかにマオリの若者だとわかります。服装や仕草を見ていると、若者たちが決して裕福でないことは一目瞭然です。

停留所でバスを待つ人たちもマオリの人たちばかり。

先ほどのセント・ヘリアーズビーチとはまったく違う貧しそうなエリアには圧倒的にマオリの人が多いことに、私は多少ショックを感じました。

というのも、ニュージーランドではマオリの言葉を公用語として、いろいろな場面でマオリの伝統文化を大切にしているイメージがあったからです。

そうしてバスは終点に到着しました。

ここはパンミューアという地区で、かつての噴火口の跡「マウント・ウェリントン」がすぐ近くに見えます。

ちなみに私たちが乗ってきた「メトロリンク」は、紺色とシルバーのバスです。

【AT HOP カード】の旅③ 「イースタンライン」鉄道でブリトマート駅へ

停留所の目の前には、鉄道の真新しい駅「パンミュール駅」がありました。

しかし、営業していないのか、人が誰もいません。

オークランドの通勤電車は「Auckland Transport」が運営し、4つの路線があります。

ここパンミュールの駅には「イースタンライン」の電車が止まるのですが、やはり年末年始は本数を減らしているようで、ホームも1ヶ所閉鎖されていました。

それでもたまたま私たちがホームに降りようとした時に電車が滑り込んできて、慌てて電車に飛び乗りました。

中はとても綺麗で、空いています。

しかし、駅に改札ゲートがなかったので、カードをタッチせずに電車に乗ってしまったことに気づきました。

ちょうど女性の車掌さんが回ってきたので、そのことを伝えると、「降りた駅で相談してください」とにこやかに答えてくれました。

線路沿いには工場やコンテナヤードがあって、窓からの眺めはバスに比べて良くありません。

でもダウンタウンに近づくと、景色が一変します。

線路はボブソン湾を横切っているので、まるで水の上を走っているような素敵な体験ができるのです。

そして電車は、終点ブリトマート駅に滑り込みました。

出口でカードの件を相談すると、ちょっと困った顔をして、「いいよ」という仕草で通してくれました。

結局、電車はタダで乗ってしまったようです。

滞在中、電車に乗ったのはこれ一回だけでしたが、電車に乗る際にはホームにある読み取り機にカードをタッチするのをお忘れなく・・・。

【AT HOP カード】の旅④ 「インナーリンク」と「アウターリンク」で博物館へ

一夜明けて、1月1日。

元旦は閉まっているところが多いので、やっていそうな博物館へ。

ダウンタウンの東、「オークランド・ドメイン」という広大な公園の中にある「オークランド戦争記念博物館」へは緑のバス「インナー・リンク」が便利です。

やはりブリトマート駅前の停留所から乗りました。

オークランドの東西をつなぐ緑のインナー・リンク沿いには、主だった観光エリアのほとんどがあるため観光客にも利用価値が高いバスです。

博物館近くのパーネル・ロードでバスを降ります。

ダウンタウンから1kmほど東にあるこのエリアは、オークランドでも最も古い住宅街で19世紀後半に建てられたビクトリア様式の建築物が保存されているそうです。

こちらが「オークランド戦争記念博物館」。

でも戦争関連の展示は一部だけで、大半はマオリ文化やニュージーランド固有の鳥たちなど、この国を理解するための貴重な資料がたくさん展示されているニュージーランド最大の博物館です。

この博物館のことは、別の記事で詳しく書きますが、絶滅した巨大鳥「モア」の実物大模型など見るべきものがたくさんありますので、時間があればぜひ訪れることをお勧めします。

博物館からの帰りは、パーネルロードから黄色い「アウター・リンク」に乗りました。

アウター・リンクもオークランドの東西を結んでいますが、インナー・リンクよりもダウンタウンから離れたところを走ります。

インナー・リンクとアウター・リンクを使いこなせるようになれば、オークランドっ子に一歩近づいた感じがするでしょう。

【AT HOP カード】の旅⑤ 夕方のフェリーで往復するサンセットクルーズ

元日の夕方、天気が良くなってきたので、船に乗ってみることにしました。

でも時間はもう午後7時。

遠くにはいけないと思い、一番近い対岸のデボンポートまでフェリーで行ってみることにしました。

フェリー乗り場は、中心街クイーンズストリートをまっすぐ北へ行った海岸線にあります。

この歴史的な建物が目印で、「ウォーターフロント・フェリー・ビルディング」と呼ばれています。

ダウンタウンのフェリーターミナルには4つの埠頭があり、デボンポート行きのフェリーは1番埠頭から出発します。

入口のゲートにカードをタッチして待合室へと進みます。

午後7時、デモンポートからの船が着岸し、降りる乗客を待ってから船に乗り込みます。

フェリーの後部デッキに座って、海を眺めます。

夕日がオークランドのビル群をシルエットに変えていました。

夕方になって気温はかなり下がってきましたが、風が当たらないデッキなら気持ちよく過ごせます。

西に見えるのは、ハーバーブリッジ。

シティとノース・オークランドをつなぐおよそ1kmの橋です。

目的地のデボンポートもこのノース・オークランドにあり、橋を渡って車で行くことも可能ですが、間違いなくフェリーの方が気持ちいいでしょう。

ダウンタウンを出港し、15分ほどでデボンポートに到着しました。

短い時間ですが、これだけでもオークランド気分を味わうことができます。

古くからヨーロッパ人が入植したデボンポートには、ビクトリア調の建物が残ります。

海沿いには公園や遊歩道があって、対岸のオークランド中心部を望みながら、のんびりとした時間を過ごすことができます。

そして私の目をひときわ引いたのは、巨大化しすごい存在感がある街路樹でした。

このデボンポートのことは、また別の記事に書くことにします。

デボンポートで1時間ほど過ごして、午後8時20分のフェリーでダウンタウンに戻りました。

年始のこの季節、日没は午後9時前です。

この時間にデボンポートからダウンタウンに向かうと、スカイタワーを中心とするオークランドのビル群にちょうど夕日が沈んでいくのが見えるのです。

お手軽なサンセットクルーズが、カードを使えば往復10ドル弱(約700円)で楽しめるのです。

悪くはありませんよね。

【AT HOP カード】の旅⑥ 「メトロリンク309番」でアンベリー・パーク

1月3日は、羊を見に「アンベリー・パーク」に行ってみることに・・・。

利用するのは、メトロリンクの309番バスです。

オークランド市内をぐるぐる回って南に進み、45分くらいで目的地に到着しました。

バスを降りたのは、「ミュアー・アベニュー」。

静かな住宅街のど真ん中です。

ありました。

牧場のようなこの広々とした場所が、すべて公園、「アンベリー・リージョナルパーク」です。

柵の中に入ることもできます。

牛がいました。

でも羊ははるか遠くにいたので、再びバスで近くまで移動します。

羊たちものんびり草を食べていました。

オークランド近郊で羊を見たくなったら、ここアンベリー・パークが一押しのようなので、こちらも別の記事にまとめておきます。

羊を見た後で、やはり309番のバスに乗ってやってきたのは「ニューマーケット」と呼ばれるショッピングエリア。

ダウンタウンと比べてもハイセンスな店が多いエリアです。

ニュージーランドには素敵なリネン類を扱うお店も多く、妻のお土産を探して何軒か見て回りました。

そして、ニューマーケットにあるおしゃれなカフェで食べたのは、めちゃめちゃ柔らかなラム肉。

羊を見た後に、子羊をいただくことになりました。

帰りは緑のインナー・ラインでダウンタウンまで戻りました。

【AT HOP カード】の旅⑦ フェリーと路線バスで人気のワイヘキ島へ

ニューマーケットから戻ったその足で、オークランド沖に浮かぶ人気のリゾートアイランド「ワイヘキ島」まで足を伸ばすことにしました。

ワイヘキ島行きのフェリーが出るのは、ダウンタウン・ターミナルの2番埠頭です。

何の予備知識もないまま、ちょうど止まっていた午後4時発のフェリーに飛び乗りました。

3階建になったフェリーですが、私は1階の後部デッキに座り、風に吹かれながら船旅を楽しみます。

左手には、約600年前に噴火によって誕生したランギトト島が見えます。

オークランド周辺には多くの火山の跡が残っていて、去年近くのホワイト島で噴火によって観光客が命を落とした悲劇は記憶に新しいところです。

フェリーは40分ほどで、目的地のワイヘキ島に到着しました。

私たちはフェリー乗り場で何か情報を得ようと資料を探していると、他の乗客たちは全員ターミナルからいなくなっています。

まずいかなと思って外に出ると、バスが出発して走り出すところでした。

行き先もわからないまま、そのバスを止め、乗り込みます。

行くあてがあるわけでもないので、とりあえず気になる場所が見つかるまでバスに乗り続けました。

ぶどう畑が見えたので、降りてみたのですが、ワイナリーかと思った建物は不動産屋で、しかも休業中でした。

それにしても、この島は至る所にアガパンサスの花が咲いていました。

結局、降りたバス停に戻り、来た時と同じ502番のバスに乗って、港に戻りました。

後から調べて知ったのですが、この島では「HOP-ON、HOP-OFFバス」という観光客用のバスで回るのが便利だそうで、ダウンタウンのチケット売り場でフェリーとのセット券が売られているそうです。

でも、別にワイナリーにどうしても行きたかったわけでもないので、行き当たりばったりのバスの旅も、私たちにとっては楽しい旅でした。

ニュージーランド初の地下鉄開通でさらに便利になるオークランドの交通網

オークランド中心部では今、地下鉄の工事が盛んに行われています。

ニュージーランド政府とオークランド市は共同で行う「シティーレールリンク」
と呼ばれる国内初の地下鉄建設事業です。

既存の鉄道を 3.5 キロの地下鉄で延長して環状線とし、現在行き止まりとなっているブリットマート駅に双方向から進入可能にしようというプロジェクトです。

2023年までの完成を予定していて、旅客輸送力を現在の 1 時間当たり延べ 1 万 5,000 人から、3 万人に倍増させる計画だそうです。

日本人から見れば、いたってのんびりとして見えるニュージーランドでも交通渋滞の問題が深刻なようで、鉄道の活用は世界的なブームのようです。

何れにせよ、オークランドに滞在するなら、便利な「AT HOP カード」をぜひ手に入れて、使い倒して楽しんでください。

知らないニュージーランドが見えてくるかもしれません。

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