<きちたび>香港の旅 2019〜中環セントラルエリアの足「ミッドレベル・エスカレーター」が面白い

🔶「旅したい.com」から転載

<香港>中環セントラルエリアの足「ミッドレベル・エスカレーター」が面白い

🇭🇰香港 2019年6月26日

香港にはいろんな個性的なエリアが存在しますが、中心といえば中環(セントラル)地区です。

香港国際空港からエアポートエクスプレスで終点の香港駅に降りると、そこが中環エリア。急な坂が多いこのエリアを歩くのにオススメなのが「ミッドレベル・エスカレーター」です。

世界一長いというこのエスカレーターを乗り継ぐと、香港の多様な顔を見ることができます。

中環至半山自動扶手電梯

正式名称は「中環至半山自動扶手電梯」。

英語名では、「ミッドレベル・エスカレーター」または「ヒルサイド・エスカレーター」と呼ばれます。

この写真でお分かりのように、中環エリアは、海から山に向かって急な上り坂になっていて、山の中腹に富裕層が暮らす高層マンションが立ち並んでいます。

この「ミッドレベル」に暮らす住民のために1993年に建設されたのが、ミッドレベル・エスカレーターです。

機内で読んだ「地球の歩き方」には、こんな説明が書いてありました。

中環とミッドレベル(半山区)を結ぶ18基のエスカレーター、3基の動く歩道と階段が連なる全長約800mの中環至半山自動扶手電梯。中環の旧中環街市からスタートし、アパート群や路上市場を眺めつつ、高台へ。ハリウッド・ロードと交差する所で大きくカーブするとソーホーエリア、さらに高層マンション群へと入っていき、干徳道Conduit Rd.で終点。上がるごとに景観が変わるミニトリップで、香港の断面図を垣間見る。

「地球の歩き方」より

香港駅からの行き方

空港から香港駅に降り立った私は、まっすぐ「ミッドレベル・エスカレーター」を目指しました。

香港駅の改札を出たら、建物の外に出ず、ホールの西側にあるエスカレーターを上がります。

香港駅が入っている「国際金融センター」の建物を出て、南西方向につながる渡り廊下を渡ります。

下を走るのは、「干諾道中 Connaught Road Central」という大通りです。

通路は、建物の中を抜け、二階建て路面電車が走る「德輔道中 Des Voeux Rd Central」の上を抜けて・・・

また別のビルの中を貫く通路になっています。

このビルの中の通路の入り口には、「中環拾趣 The Tales of Central」と書かれていました。

この通路は、中環エリアにまつわる物語がパネル展示するスペースになっていて、中国語と英語の説明書きが添えられています。

昔の香港の写真も見ることができます。

中国の存在感が強まる今の香港では、イギリス植民地時代を懐かしむ雰囲気も漂っています。

先ほど渡った大通り「干諾道中」から写した「Queen Victoria St」の写真。

1926年の写真と現在の写真が比較できます。

クイーンズロード

「中環拾趣」の通路を抜けた先に、目指すエスカレーターがありました。

もちろん利用は無料です。

場所は、「皇后大道中 Queen’s Road Central」と「閣麟街 Cochrane Street」の交わる所です。

エスカレーターは一方通行。時間によって運行は変則的なので注意が必要です。

6:00-10:20 までは上から下へ、10:20-24:00 までは下から上へ動きます。

なぜか?

朝は、山の上に住む住民が通勤しやすいように上から下に動くのです。もともとミッドレベルに暮らす富裕層のために作られたエスカレーターであって、観光客用のものではないのです。

私が利用したのは、午前11時すぎ。エスカレーターは下から上に動いていました。最初の部分は、エスカレーターというよりも傾斜のついた動く歩道です。

利用者は右側に立ち、急ぐ人は左側を歩くのが香港流。

東京とは反対で、大阪と同じという感じでしょうか。

雑然とした商業エリア

それでは、起点となるクイーンズロードからエスカレーター沿いの風景をレポートしていきます。

ハリウッドロードまでは、ごちゃごちゃした商業エリアが続きます。

エスカレーターの両脇には、新旧さまざまな雑居ビルが並んでいます。

ビルの2階か3階あたりを眺めながらゆっくりと上がっていくのですが、この赤い建物のお店は、窓際にボトルが並んでいたのでバーかと思ったのですが、写真に写った窓に書かれた文字を確認すると、「ハンサム・ファクトリー」という名前の床屋さんのようです。

床屋のビルの脇の路地は、薄汚れた簡単な屋根で覆い尽くされています。

このしたはおそらく、屋台が並んでいるのでしょう。

2基目のエスカレーターは修理中で、ここの区間は脇の階段を登ります。

ビルの外壁でハトが羽を休めている様子を、間近から観察することもできます。

このエスカレーターの下には、普通の坂道が続いていて、高速道路と一般道のような関係になっています。

下を走る坂道沿いには商店が並んでいて、その上をエスカレーターが走り、エスカレーターの下は疲れた人たちが休む憩いの場になっていました。

3基目のエスカレーターから先はちゃんと動いていました。

ストレッチする男性の目立つ看板。

この建物の上部は集合住宅のようで、テラスには植栽も見えます。

この建物の一角には、人気の飲食店「蘭芳園」も見えます。

私も後日、食べてみたのでまた別の記事に書きます。

露天街や生鮮食料品の路上市場が風物詩となっていたこのエリアでも、徐々に再開発が進んでいるようです。

ハリウッドロード

突然、左手にコロニアル風の白亜の建造物が見えてきます。

この前を走る通りが「荷李活道 ハリウッドロード」です。

仕立て屋さんの店内でおじいさんたちが仕事に励んでいる様子も見えます。

このハリウッドロードで、エスカレーターの通路は大きく蛇行します。

ハリウッドロードの上に設置された通路には、川端康成作品の古い映画や・・・

村上隆のポスターが貼られています。

「これは、何だ?」と気になって調べてみると、先ほど見た白亜の歴史建造物と関連がありました。

エスカレーターが大きく蛇行した所からまっすぐに伸びる階段を上がると、去年5月に中環の新しいランドマークとして華々しくオープンをした「大館 Tai Kwun」という文化施設があるのです。

川端の「雪国」が上映され、村上隆の展覧会もここ「大館」でちょうど開かれていました。

1919年に中国全土で起きた抗日運動「五四運動」に関する展示会も開かれているようなので、ある意味ではバランスのとれた香港らしい施設のようです。

この「大館」は、 旧中央警察署・中央裁判所・ビクトリア監獄 などの歴史建造物を改修し、歴史やアートの展示スペースや多くのレストランやショップが入居する最新の観光スポットですが、今回私は時間がなかったのでスルーすることにしました。

ソーホー地区

ハリウッドロードから先は、「ソーホー」と呼ばれる人気エリアです。

ソーホーとは、「South of Hollywood Rd.」、つまりハリウッドロードの南という意味です。

この辺りから、坂道の傾斜が徐々に急になってきます。

かつては家族経営の印刷屋が集まる住宅地でしたが、ミッドレベル・エレベーターの完成とともに繁華街へと変貌を遂げ、個性的なセレクトショップや多国籍のレストランやバーが集まっています。

エスカレーター沿いの「Shelley Street」には、ギリシャ料理店や・・・

人民服の人形が出迎えてくれる中華料理店や・・・

アラビア文字が書かれたアラブ料理店など、個性的なお店が並びます。

そしてこんな可愛らしい落書きも・・・。

「この数年、中環のハリウッド・ロード周辺や上環の太平山街周辺の坂道にアートが登場し、話題となっている」そうです。

エスカレーターを離れて街を歩くと、確かにたくさんの壁画アートを見ることができます。

あちらにもこちらにも、さまざまなタイプの壁画があります。

そして、香港アートのシンボルとして「地球の歩き方」推奨の「PMQ」という施設にも行ってみました。

ソーホーエリアにあるPMQは、2014年誕生の注目スポット。警察官舎だった建物を官民一体となって全面改装したふたつの棟に、香港のクリエイターやデザイナーをはじめ、香港を代表するブランドのコンセプトショップ、飲食店など約140店が入居しており、新たなアートの発信基地を担う。

「地球の歩き方」より

でも、私が見た中では、やはりこの女の子が断トツの最高傑作だと思いました。

この壁画アートは、エスカレーターに乗っていれば、必ず見つかります(消されていなければ)ので、ぜひご覧ください。

半山エリア

ソーホー地区を過ぎ、「堅道 Caine Rd.」と呼ばれる通りを横切ると、エスカレーターは住宅街へと入っていきます。

このあたりに来ると、さらに傾斜が急になってきました。

エスカレーター脇には塀が連なり、緑も増えてきました。

低層の住宅を取り囲むように超高層マンションが林立しています。

「ジャミア・モスク」というイスラム教の寺院もエスカレーター沿いにあります。

1840年に建設された香港初のモスクで、現在香港にはおよそ22万人のイスラム教徒が暮らしているそうです。

いよいよ高層マンション群に分け入ります。

傾斜は一段と急になり、ビルとビルの隙間を縫うようにエスカレーターは進みます。

途中にはスーパーマーケットもあります。

ここは、紛れもなく生活の場。そしてミッドレベル・エスカレーターはこの高層マンション群に暮らす人たちの足として作られたのです。

山の斜面に立錐の余地もないように立ち並ぶ高層マンションですが、生活に潤いをもたらすような工夫も見受けられます。

窓際にささやかな植栽を施したり・・・

パラソルとソファーが置かれたデッキがあったり・・・

ヤシの木が植えられたお庭を持つマンションもあります。

古着のリサイクルボックスも置かれていて、資源の有効活用や助け合いの共同活動も行われているようでした。

ただ、エスカレーターを一歩外れると、坂道を歩くしかなく、ここでの生活はなかなか大変そうです。

さらに、治安対策も大変なようで、エスカレーター沿いには、こんな尖ったフェンスや・・・

幾重もの鉄条網が張り巡らされていました。

そして、最後のエスカレーターに乗ると・・・

終点は、「干徳道 Conduit Road」。

そしてこのあたりが「半山エリア」、すなわち「ミッドレベル」ということになります。

香港の住宅価格は世界一だそうです。

エスカレーター沿いの不動産屋の店頭に掲げられた物件を見ると、安いもので1億円の値が付いていました。

狭い土地にたくさんの移民が流れ込んで自然発生的にできあがった香港の街では、住む場所も商売の場所も確保するのは大変なのでしょう。

ミッドレベル・エスカレーターに乗ると、香港の縮図を垣間見られる気がしました。

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