鎌倉での民泊バケーション、2日目のお昼は蕎麦を食べることにした。

長谷の宿からGoogleマップを頼りに路地をくねくね歩き、たどり着いたのは、住宅街の中に突然現れる立派なお店だった。
「鎌倉 松原庵」
かつて仕事をご一緒したタレントさんがこよなく愛する鎌倉の名店で、一度連れてきてもらったことがある。

古き良き鎌倉の豪邸を改装したお店で、庭には広々としたモダンなテラス席が設えてある。
ただ夏は暑いので、お客さんは皆、室内に案内されるようだ。

玄関を入ると、和ダンスが置かれた畳の間。
いかにも古都鎌倉に来たという落ち着いた空間で、女性スタッフが迎えてくれる。

案内されたのはお座敷、カーペットの上にテーブルが並べられている。
開店の11時すぎに伺ったが、すでに先客がいた。

庭に面した廊下の奥にも部屋があるが、こちらは畳に直に座るスタイルなので、妻はテーブルがいいと言った。
古い古民家をリノベした建物は、ところどころ新しい柱が添えられたり、金属製の筋交が加えられて補強されている。
岡山の古民家を使うようになってから、どうしてもそういうところに目がいってしまう。

メニューを開くと、多彩なお蕎麦のほか、おつまみも充実している。
コースメニューも用意されているが、さほどお腹も空いていないので、私が「天せいろ」、妻が普通の「せいろ」を注文して、天ぷらは2人でシャアすることにした。

こちらが松原庵の「天せいろ」(2310円)。
さすがに、それなりの値段ではある。
しかし運ばれてきた瞬間、私の目はその天ぷらに釘付けとなった。

お皿にうずたかく盛られた天ぷらは、普通の蕎麦屋で出される天せいろのそれとはだいぶ佇まいが異なっていた。
ナスやカボチャといった定番の野菜天が見当たらないのだ。
エビとイカ、それ以外は大葉と三つ葉だけである。
「お塩でお召し上がりください」と声をかけられた。
確かにこの天ぷらは塩一択だ。
エビやイカはしっとり、大葉と三つ葉はサクッと揚がっていて実に美味い。

蕎麦も腰があって喉越しがよく、とても美味しい。
つゆの加減も私好みだ。
鎌倉で思いがけず、これまで食べた中で最高に超私好みの天せいろに出会った。

松原庵の前の道を来た方向の逆に進むと、海に出た。
空にはどんよりとした黒い雲。
宿に帰り着くとすぐに、ザーッと雨が降り出した。
食べログ評価3.72、私の評価は4.20。
「鎌倉 松原庵」
電話:0467-61-3838
営業時間:11:00 - 21:30
定休日:無休
https://matsubara-an.com/index.php