表参道の駅を上がると青山の街が広がる。相変わらずオシャレな街だが、交差点を囲むビルは昔とあまり変わらず、再開発の進む東京にあってはむしろ古い印象も受ける。
午後からこの交差点近くで開かれるセミナーに参加するため、ちょっと早めに表参道にやってきた。ランチを食べてから行くとちょうどいい時間だ。
静かな路地を歩くと小洒落た教会がある。
どちらかと言えば、宗教的な色合いは薄くおもに結婚式などに使われるチャペルだ。
その向かい側に立つモダンな商業ビルの中にめざすお店はあった。
あまり聞いたことのないハンバーガーショップだ。サイトを調べると・・・
『 Umami Burgerは、2009年にロサンゼルスで誕生し、間もなく評判のハンバーガーとなり、街のベストレストラン及び国内ベストハンバーガー部門でランキング入りを果たしました。その後、サンフランシスコ、シカゴ、ニューヨークに進出し、現在アメリカで24店舗を展開する規模に成長しました。2017年初めには、うま味の本元である日本に海外進出を果たし、更にその範囲を拡大しています。』
店内は結構広く、中央のカウンターを囲むようにテーブル席が配置されている。
ハンバーガーショップにしては、落ち着いたインテリア。
すごく混んではいないが、ガラガラでもない。少しのんびりするには、ちょうどいい。
メニューは、食材を明示した文字ベースのメニューのほかに、写真で構成された別メニューが添えられている。
文字情報と写真の両方を見て、選ぶことができるのだが、正直どれを頼むか迷う。
例えば「トリュフ」というハンバーガーは、「トリュフアイオリ、ハウストリュフチーズ、トリュフグレイズ、ビーフパティ」が入っているらしいが、全くイメージがわかない。
ドリンクメニューもすごい。
通常のソフトドリンクのほかに、カクテルやワインがずらりと並んでいる。中にはカリフォルニアを代表するワイン「オーパス・ワン」(5万4000円)まである。
日本人が抱くハンバーガーショップの概念とは相当かけ離れたお店のようだ。
紙ナプキンもおしゃれ。
コースターに描かれたお店のロゴマークは、キスマークのようなハンバーガーのデザインだった。
まずは、「コカ・コーラ」(400円)。
普段コーラを飲むことはほとんどないが、ハンバーガーを食べる時だけは昔からコカコーラと決まっている。若い時の習慣というのは、容易に変わらない。
「高いコーラだな」と思ったが、量はアメリカンサイズ。日本の感覚だとLサイズという感じだ。でもアメリカだとこれがSサイズだろう。
学生時代に初めてカリフォルニアに行った時、調子に乗ってLサイズを頼んだら2Lほどの巨大パックが出てきてぶったまげたことを思い出す。
そして、来ました。散々迷った末に私が注文したのは・・・
「UMAMI ウマミ」(1380円)。
店の名前にもなっているベーシックなハンバーガーだ。アメリカ人が考える「旨味」とは一体どんなものか、確かめてみたくなった。
ウマミ・バーガーの中身は、「パルメザンフリコ、ローストシイタケ、ローストトマト、キャラメルオニオン、ウマミケチャップ、ビーフパティ」。
旨味の代表格・椎茸がケチャップをかけられて具の一番上に乗っかっている。
その下に敷かれたおせんべいのようなものが、「パルメザンフリコ」のようだ。
「フリコ」とは、細かく切ったチーズを小麦粉と混ぜ油で揚げカリカリにしたものだそうだ。確かに、硬い。ハンバーガーにかぶりついた時、このフリコが硬くて強い違和感がある。あまりに食べにくいので、抜き出して別々に食べた。これって、そのままパルメザンチーズを入れてくれた方が間違いなく美味しいのではないだろうか。
正直、期待したほど「旨味」は感じなかった。ものすごく美味しいとも思わない。そして、値段が高い。
ハンバーガーとコーラで2000円近くというのは、ちょっと厳しい。
一度試すには面白いお店だとは思うが、この値段だと気楽には通えない。ただインスタ映えを狙った客層には人気を得られるかもしれない。私には予想がつかない世界だ。
食べログ評価3.51、私の評価は3.40。