夜7時からのセミナーに出席するため、茅場町に行った。
1時間ほどあったので晩ご飯を食べながら時間を潰すことにした。
選んだお店は「茅場町 鳥徳」。
うなぎと焼鳥のお店のようだ。渋い店構え。店のサイトにはこのように書かれていた。
『入口は狭いけれど、中に入るとまるで昭和初期の民家に入りこんだ感覚におちいってしまう店内。明治時代、初代徳太郎が創業以来、使いつづける7種類の秘伝のタレで焼く焼き鳥、4代目が心をこめてつくるうなぎのかば焼き、3代目章夫が戦後考案して以来親しまれている鳥鍋御飯、1つ1つ手づくりをしています。どれもみな、ふとたべたくなるなつかしい味です。』
明治から続く老舗の味なのだ。
一階はテーブルとカウンター、二階はお座敷になっているらしい。
壁に掲げられたメニューを見ると、いささか取り止めがない。代々の店主が開発した名物料理が積み重なってこうしたメニューが出来上がったのだろう。
A弁当、B弁当、C弁当と弁当が並んでいるのも珍しいが、これらのお弁当は夜もちゃんと食べられると言う。
一階奥のカウンターに座ると、目の前に広い厨房が広がっている。
そして職人さんが大ぶりの焼鳥を丁寧に焼いているのをガラス越しに見学することができる。ある意味では特等席だ。
1時間ほど潰さないといけないので、まずは瓶ビール1本と焼鳥を注文した。
焼鳥が焼けるまで時間がかかりそうなので、「モツ煮」(600円)を注文した。
モツ煮とは言っても内臓感は薄く、玉子や豆腐も潜んでいる。
全体にしっかりと煮込まれた色合いだが、味は予想外にマイルドだった。
そうしているうちに、焼鳥が出てきた。
なかなか見た目のいい焼鳥だ。
塩が2本。
右が「ヒナ」(250円)、左が「ナンコツ」(300円)だ。
この店の「ナンコツ」は、太い鶏肉の中に軟骨が隠れている。これは食べ応えがある。
そして、タレも2本。
左が「レバー」、右が「つくね」、どちらも250円だ。
どれも美味しい。
そして目の前で焼かれている串が気になって、私も一本いただくことに・・・。
まるできも焼きのような鮮やかな照り。
その正体は、「皮」(250円)。
メニューには、塩と書いてあったが、タレで食べたいと言うお客さんにはタレでじっくり焼いてくれると言う。
ジューシーな皮に秘伝のタレ。これはとても魅力的な組み合わせだ。
30分ほど時間を潰したので、ご飯を頼むことにした。
ご主人にオススメを聞くと、「鳥鍋御飯」(1100円)を勧められた。
3代目が戦後に考案したという名物「鳥鍋御飯」。
パッと見は普通の鳥鍋だが、入っている鳥の部位にバリエーションがある。
汁の味もとても良く、これは期待以上に美味しさだった。
鳥鍋をいただきながら目を厨房に向けると、二階の団体さん用に手際よくうなぎを焼いていた。
今度は、うな重を食べてみたいものだ。
東京下町の良さを今に伝える貴重なお店だ。
食べログ評価3.58、私の評価は3.70。