緊急事態宣言で飲食店での酒類の提供自粛が呼びかけられ、酒屋さんの苦境も続いている。
ということで、井の頭公園をひとまわりした帰りに、吉祥寺通り沿いにある老舗の酒屋「マルキ屋商店」に立ち寄った。

表向きはリフォームして新しく見えるが、周辺に住宅がそれほどなかった70年前からこの場所で営業しているお店である。
この日は梅酒を作るためのいい焼酎がないかと思ってのぞいたのだが、思わぬものが目に止まった。

「マサキ屋商店」ではオススメのお酒を盛んにアピールしているのだが、その中にちょっと変わった梅酒があった。
「日本酒でつくった さっぱり きれいな味わいの 梅酒です。」
日本酒で梅酒って作れるの?
このちょっとしたコピーでがぜん興味を惹かれた。

さほど広くないお店に入ると、真正面に東京生まれのお酒が並べられている。
その中に、お目当ての梅酒があった。

「澤乃井 梅酒ぷらり」(500ml / 1100円)。
澤乃井といえば東京を代表する日本酒ブランド。
隣には、テレビ朝日「路線バスの旅」で徳光徳光さんが購入したという「澤乃井 柚子酒ゆずほ」、反対には埼玉西武ライオンズのオフィシャル商品である「ライオンズ にごり梅酒」も並んでいる。
どれも魅力的だが、まずは初志貫徹で日本酒で作った梅酒というのを試してみようと思った。

「澤乃井 梅酒ぷらり」はスリムな箱に収まっていた。
奥多摩の梅の名所「吉野梅郷」の生産者の協力を得て、東京の梅と東京の日本酒で作った梅酒なのだ。
そういえば「澤乃井」の蔵元・小澤酒造の所在地は青梅市である。
昔から梅作りが盛んな土地だったのだろう。

中から出てきたのはスリムなボトル。
黄緑色のラベルデザインとマッチしたやさしい色合いの梅酒のようだ。

原材料は、清酒(国産)、梅、糖類。
アルコール度数は11度と梅酒としては少し低めだろうか。
製造年月日の記載がないので、いくつかの梅酒をブレンドして作っているのかもしれない。

梅酒なので当然のことながらかなり甘口なので、どちらかといえば食前酒的にいただく。
爽やかな梅の香りと酸味が美味しい。
甘味もしつこくなくて、どんな料理とも嫌味なく合わせられると思った。

冷やして飲むと、フルーティーな白ワインのような味わいで、洋食との相性も良さそうだ。
焼酎や泡盛のような癖もなく、すっきりとしていて、暑い日の昼間などに一杯ちょうどいい。

それにしても、日本の酒蔵も最近では様々な挑戦をしている。
気になったお酒を買ってきて順番に試すことが、だんだん楽しくなってきた。
「マサキ屋商店」 電話:070-6663-8664 https://masaki-ya.com/ 「小澤酒造」 〒198-0172 東京都青梅市沢井2-770 http://www.sawanoi-sake.com/