今日午後、東京に戻ってきた。
今月はずっと雨続きで畑に行くと蚊も多いので、最低限の収穫をしながらのんびりと過ごした。
ところが・・・
東京に戻るのを前に今朝畑をひと回りしていたら、とんでもない光景に遭遇した。

桃の畑に行ってみると、何か様子がおかしい。
よく見ると、桃にかけていた黄色い袋が破れて散乱しているではないか。
やられた!
何者かはわからないが、野生動物がうちの桃を食い散らかしたに違いない。

枝先に残っていた袋もご覧の通り。
中身は盗まれ、袋だけが虚しくぶら下がっている。

去年は虫にやられたので、フェロモンの力で害虫を惑わす「コンフューザーmm」という秘密兵器を購入し、枝にぶら下げていたおかげで害虫被害は免れたのだが、桃を食べにくる動物には全く効果がない。
チェックすると、成長して大きく膨らんでいた桃の約半分が被害にあったようだ。
くそ!
妻が帰京する日に見回った時には大丈夫だったから、この2日間の犯行に違いない。
こんなことなら、まだ未熟でも早めに収穫して仕舞えばよかった。

枝が折られているところもあった。
おそらく、枝先についている桃を取ろうと枝に登ったところ重さに耐えられず根元から折れてしまったのだろう。
ということは、犯人はイノシシやタヌキではなく木登りが得意な桃の天敵、ハクビシンの仕業と考えられる。

残っている桃を確認する。
中には袋かけした後に自然落果したものもあり、大きくなれずに袋の中で朽ちていた。
ハクビシンはこういう袋には目もくれず成熟した桃だけを狙う。

それでも獣害を免れた桃もいくつかはあって、順調に育った桃はもうお店で売られているぐらいの大きさになっている。
袋はすでにパンパンだ。
中には袋のサイズに収まりきらず袋を破って白い肌を見せ始めている桃もある。
ハクビシンにしてみれば、これはまたとないご馳走で、一度味をしめたら今夜もまたやってきて残りの桃も食われてしまうに違いないと思った。

仕方ない。
清水白桃の収穫時期は7月下旬から8月上旬だが、それまで待っていては全部食われてしまう。
一輪車とコンテナを取りに戻り、残っている桃を全部摘み取ってしまった。
生き残ったのは全部で11個だった。
確か30個以上は袋かけしたはずなので、収穫できたのは3分の1という感じだろうか。

動物に桃を食べられるという話はよく聞かされたので、私もある程度は覚悟していた。
だから妻が帰るのに合わせて、2個ほど収穫して東京に持ち帰ってもらった。
つまり今年の収穫は合わせて13個ということになる。
ただし、この時点では桃はまだ熟しておらず、ヘタに近い半分はまだ淡い緑色をしていた。

岡山の桃は山梨や福島の桃と違って、肌が白いのが特徴でだ。
ヘタの方まで白くなると食べ頃らしいが、果たしてこのまま置いて追熟させることが可能なのかどうか?
とにかく、しばらく常温で置いておいて追熟するかどうかを確かめることにした。

今日夕方、吉祥寺のマンションに戻ると、妻が持ち帰った桃の色はだいぶ白くなっていた。
狙い通り追熟が進んだようだ。
淡い緑色が白桃らしい乳白色に変化している。

試しに1個切って食べてみる。
恐る恐る口に運ぶと、とてもジューシーで甘い。
ちゃんと熟して美味しくなっているではないか。
まだ若干の渋みを感じる部分もあるが、店で売られている桃と比べても味は遜色ない。
使用した農薬は市販の桃と比べ圧倒的に少ないことは確かなので、これなら大成功と言ってもいいだろう。

今朝収穫した桃のうち9個は宅配便で吉祥寺に送った。
土曜日には到着するはずだ。
それにしても、こうして美味しい桃を味わってしまうと、これをむざむざハクビシンに食わせてやったのかと口惜しさが改めて込み上げる。
ネットで「桃の獣害」について検索すると、みなさん被害を受けてハクビシン対策に苦労していることを知った。
去年は害虫、今年は獣害。
桃づくりというのは本当に難しい作業である。
でもそれだけ、桃は美味しいということだ。
人間様にとって美味しいだけでなく、動物にも虫たちにも桃は大人気なんだということが身に染みた今年の桃づくりであった。