今年の梅雨は平年より遅れている。
岡山を含む中国地方の場合、平年の梅雨入りは6月6日ごろ、梅雨明けは7月19日ごろということらしい。
すでに2週間近く梅雨入りが遅れているということになるが、おかげで畑仕事の方は順調に予定がこなせている。
今月8日に岡山に来てすぐに、タマネギとジャガイモを収穫。
肉じゃがにしたり、カレーにしたり、自分たちで育てた野菜をせっせと食べている。
妻が春に蒔いた花のタネも、今月一斉に咲いていた。
その中に名も知らぬピンクの花があり、ふわっと広がる姿が美しかったので、花瓶に活けて左官さんに塗り直してもらったばかりの床の間に飾ってみた。
去年失敗したアサガオも、今年はたくさんの花を咲かせてくれている。
アジサイやギボウシ、ムラサキシキブなど私たちが植えた庭の植物もちゃんと根づいてくれたようだ。
その後は、ブドウ畑で細々とした作業。
実が膨らみ始めたブドウの房を整える摘粒という作業を数日かけて行い、伸びた枝を摘心し、その後に2回目となるジベレリン処理、最後に病気や害虫の予防のために農薬を散布して、とりあえず6月に行う作業は終了だ。
今月末に東京に戻る前に、通常7月初めに行うブドウの袋かけも済ませるつもりだ。
ブドウの作業が一段落すると、今度は草刈りだ。
ブドウ畑の下草に始まり、野菜を育てている2つの畑、桃の畑、お墓の周り、そして春からずっと放置してあった柚子の畑の伸び放題の草もひと通り始末した。
こうして年に何度も草刈りを行うのが煩雑だと思っていた私だが、実際にはこまめに草刈りをした方が草がまだ柔らかくて草刈機に絡みつくこともなく、かえって楽で効率的だということがわかった。
かなり伸びた雑草を刈りながら畑の奥に進んでいくと、柚子の木の隣で切られてしまったと思っていた栗の木が再生していた。
今年の冬、藪を綺麗にすることに燃えた妻が、私が知らないうちに1本だけ残っていた栗の木を切ってしまったことを知り、とても残念に思っていただけに、雑草の向こうに栗の葉を見つけた時にはとても嬉しかった。
この栗の木、私たちがこの畑を開墾するまでは、葛に覆われて瀕死の状態だった。
だから私はこの栗の木をなんとか再生させたいと考えていたところ、妻はそれが栗の木だとも知らず、みすぼらしい木だと思って切り倒してしまったのである。
しかし結果的には、妻が全部の枝を切り落としたおかげでフレッシュな葉が生えてきて、栗の木は生き返ったように見える。
自然の力というものが逞しく、本当に不思議なものだと改めて思い知らされた。
畑の方では、タネから育てているトウモロコシが大きく成長していた。
先端の雄花が開花し、根元の方にはヒゲのような雌花も姿を現している。
雄花の花粉が落ちて雌花のヒゲに付けば受粉ができるのだが、この季節、雄花を切り取って雌花に擦り付けて人工的に受粉させるという作業が行われる。
昨日私がトウモロコシの人工授粉を行なっていたら隣のおじさんが声をかけてきた。
「囲いをせんと、タヌキに全部食べられるよ」
7月には収穫時期を迎えるトウモロコシ、どうやらタヌキの大好物らしい。
昨夜まとまった雨が降ったのをいいことに、私は今朝からタヌキからトウモロコシを守るための準備を始めた。
去年、サツマイモをイノシシから守るために購入したネットをトウモロコシの畝の周囲に張り巡らせる。
雨上がりは土が柔らかく、ネットを支える支柱が手で簡単に立てられた。
ただ、イノシシ除けのネットは穴が大きくて、タヌキならばこの穴から出入りできるのではないかと不安になった。
試しにホームセンターを覗いてみると、小動物対策としてイノシシ除けのネットよりも穴が小さいネットが売られていた。
「これを買うか」と一瞬思ったが、その時あるアイデアが私の頭に浮かんだ。
白菜やキャベツの栽培に使った防虫ネットが使えるかもしれない。
家に戻り、すぐに仕舞ってあった使い古しの防虫ネットを取り出し、イノシシネットの外側に張り巡らせてみた。
サイズがバラバラで不恰好ではあるが、とりあえずタヌキの侵入は防げそうだ。
トウモロコシの収穫時期は7月中旬。
果たしてこれで、タヌキの攻撃からトウモロコシを守り抜くことができるのか?
今年の新たなチャレンジである。
