<吉祥寺残日録>岡山二拠点生活🍇 ブドウと柿と草刈りと!イベントの間に取り組んだ10月の農作業日誌 #231009

今回の岡山への帰省はちょっとバタバタだった。

友人たちとの旅行と義父の納骨式。

その合間にやらねばならない農作業が目白押しだったからだ。

岡山にやってきたのは先月28日。

家に入ると、玄関に飾っていたカボチャにカビが生え、真っ白になっていた。

庭には大きなキノコが。

妻が大事にしているローズマリーのすぐ近くに生えていたので東京にいる妻に知らせると、「土ごと掘り返して遠くに捨てておいて」と指示された。

先月には発芽していた白菜やキャベツ、ブロッコリーの苗も、留守中に何者かに食われてしまった。

そういえば、白菜やキャベツの苗には防虫ネットを張らねばならないことを思い出した。

畑に行ってみると、先月植えたニンニクが掘り返されて散乱している。

何者かが何か埋まっているのを見つけて掘ってみたが、ニンニクは好きではなかったとみえる。

ニンジンの葉が食べられて芯だけになっていると思ったら、立派なアゲハチョウの幼虫がせっせと葉を食べていた。

それにしても綺麗な虫である。

指でつまんで遠くに投げる。

アズキもそろそろ豆ができてくる時期だが、どうやら何者かに食われてほぼ全滅のようだ。

今年初めて挑戦するアズキ。

上手く芽が出たので豆が取れるのを楽しみにしていたが、これではほとんど収穫は期待できない。

それでも、百日草の花がたくさん咲いていて、玄関にしばし飾った後、お墓にお供えさせてもらった。

個人的には派手な花は好きではないが、お墓の花にはちょうどいい。

一緒に蒔いた「センニチコウ」も赤い可愛らしい花を咲かせていた。

こちらはお墓というよりも、家の中の小さな一輪挿しや仏壇がお似合いだ。

これまで「センニチコウ」という花を育てたことがなかったが、手入れも簡単なようなので来年以降、我が家の定番になるかもしれない。

そんな感じで始まった今月の岡山二拠点生活。

友人たちとの四国旅行から戻ってからは、もっぱら畑の草刈りに追われる。

今年2度ほど草刈りをしたので、去年のような3メートルの雑草は生えていないが、それでもセイタカアワダチソウは私の身長を超える2メートルほどに育ち、もうすぐ黄色い花を咲かせようとしていた。

耕作放棄地からの脱出を目指す私の当面の目標は、このセイタカアワダチソウを根絶すること。

だから花が咲いてタネができる前に草刈りをして子孫を残させないために今月全体の草刈りをすることにしたのだ。

この季節になると、「ヌスビトハギ」や「センダングサ」といったいわゆる「ひっつき虫」と呼ばれる雑草が生えてくる。

草刈りをしていると知らぬ間にタネがびっしりと服にくっついてなかなか取れない厄介者だ。

それでも、これまでの経験で敵を早期に発見する術を身に付けたので、去年までに比べると被害は軽微にとどまった。

2台の電動草刈機を交互に使い、朝と夕方を中心に3日ほどかけて全部の畑の草刈りを行う。

畑仕事を始めて頃に比べると、草刈りもだいぶ慣れてきて、無心で草と向き合うことができるようになった。

まるで禅の修行のようなもので、心を穏やかにして目の前の草を見極め、なるべく作業を止めることのないように草刈機を動かしていく。

振り返れば、自分が雑草を刈った清々しい畑が広がっている。

草刈りという作業は慣れてくると案外気持ちのいいものなのだ。

今月6日には、妻と2人で、残っていたブドウを全部収穫した。

猛暑だった今年は、ブドウの成熟が例年より半月ほど早く、10月初めにまだ棚にぶら下がっていたブドウは傷んだものが多く、寄付するのも憚られる。

収穫したブドウを吟味して、自分たちで食べるもの、親族にあげるもの、ジャムにするものを選び、傷んだ房は穴を掘って処分することにした。

もったいないが仕方がない。

JAのマニュアルによれば、マスカットの収穫時期は10月初旬からとなっているが、今年は9月の上旬にはもう食べられる状態だったので、あの時期に収穫して寄付した方が良かったかもしれない。

マスカットの木はすでに老木で、ダニの被害も出ていたので、それも今年の品質に影響したとも考えられ、来年はもう少しいいブドウが作れるよう工夫してみたいと思っている。

それでも多くの人から「美味しい」とお褒めをいただき、やりがいを感じた今年のブドウ作りであった。

この日、近所の人が突然やってきて、「畑を燃やしてしまった」と謝罪された。

どうやら自分の畑の下草を焼いていた火がうちの畑に燃え広がってしまったらしい。

私がちょうど草刈りを終えたばかりの畑で、来月雑草が乾いた段階で燃やそうと思っていたところに火が回ったようである。

私としてはある意味手間が省けた部分もあったので問題はないのだが、やはり野焼きは怖いなと改めて痛感した。

こうして7日までに全部の畑、総面積4000平米の草刈りを無事に終えた。

これで今年の草刈りは最後にしたいので、もう雑草には生えて欲しくないのだが、まだまだ気温は高くきっと来月来た時にはある程度の草丈にはなっているんだと思う。

とはいえ、飛散するタネの量はこれでかなり減らせることができたと思うので、こうした作業を毎年続けていれば、自然と背の高い雑草は減り成長期間の短い背の低い在来種が増えていくものと勝手に期待している。

草刈りをしていると、中にちょっといい感じの植物が混じっているのに気づく。

穂が出始めたばかりのススキはきれいだし、ワレモコウと思しき草もどこからかタネが飛んできたのかうちの畑に生えていた。

こうした野の草が好きな母のマンションに良さそうな草を選んで持っていく。

母はその中から自分が気に入ったものだけ選り分けて、短く切って花瓶に刺していた。

花屋で買う花に比べると貧相ではあるが、山野草ならではの雰囲気があって私は気に入っている。

義父の納骨式も無事に終わり、今日は妻を手伝って家の周りでゴソゴソ作業をしていた。

去年シルバー人材センターの人に切ってもらった渋柿の木に今年2個だけ実がなったため、干し柿にしようと高枝バサミで採ってみると、もう干し柿にするには熟れすぎていて熟し柿としてそのままいただくことにする。

ホームセンターで「ムラサキシキブ」の苗を見つけ、庭脇に植えてみた。

本当は「コムラサキ」を植えたいと思っていたのだが、ホームセンターには扱いがなく、代わりに「ムラサキシキブ」で妥協することにする。

薄紫の実が愛らしい植物だが、果たしてうちの庭を気に入ってくれるだろうか。

裏庭では「赤ジソ」の花が咲き始めた。

もっと量がたくさん取れればシソジュースにするのも悪くないが、1株だけではどうしようもないだろう。

ミニトマトはまだ次々に実をならせている。

赤くなったものから摘んでその日の食卓に登場するが、基本放置プレーでもそれなりに育つのだから我が家には合っていると思う。

嬉しかったのは、裏庭に植えておいたニンニクが順調に発芽していること。

去年は畑でニンニクを栽培しそこそこ収穫できたが、今年は収穫量アップを目指してすぐ目の届く裏庭にトマトを植えたのは正解だった気がする。

来月には富有柿の収穫が待っている。

父の十七回忌に合わせて孫たちも岡山に来ることになっているため、一緒に柿の収穫ができると楽しいだろう。

去年は大豊作だった柿は今年は少なめ。

とはいえ、親族で食べるだけなら十分な量であろう。

サツマイモも今月試し掘りをしてみたいと思っていたが、時間がなくなり来月に先送りすることにした。

孫たちと一緒に芋掘りするのもきっと楽しいだろう。

それまでイノシシの被害に遭うことなく、地中でしっかりと成長してくれることを願うばかりだ。

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