「新型コロナウィルスに苦しむ吉祥寺の飲食店を応援する」というコンセプトで去年からずっとテイクアウトを続けてきたが、新規感染者が減少し東京でも時短要請などの制限が全面解除された最初の夜に、久しぶりにリアル店舗に出かけてみることにした。

選んだのは弁天通りに静かに佇む居酒屋「MIYAUCHI みやうち」。
入居するビルがちょうど改修工事の最中だった。

店の入り口には感染対策をしっかり行っていることを示す東京都の認証シールが貼られていた。
入り口には消毒液、換気のために外部に通じる天窓も何か所か開けっぱなしになっている。

開店直後の5時半に伺ったこともあり、まだお客さんの姿はない。
妻と二人、カウンターの一番端の席に陣取る。
かなり広めのお店だし席の間隔は十分に取られているため、特段不安は感じない。

まずは、焼酎のお湯割を1杯注文する。
銘柄をお任せすると「山ねこ」(550円)のお湯割が運ばれてきた。
宮崎県の山奥にある「尾鈴山蒸溜所」で作られた芋焼酎だ。
夜も更けて外気もだいぶ冷えてきているので、滑らかなお湯割が美味い。

お湯割をちびちび舐めながらメニューを吟味する。
「みやうち」のメニューはとても魅惑的で、いつも迷う。
妻が何を選ぶかをみてから私の注文を決めることにした。

妻が最初に選んだのは「里芋コロッケ」(500円)。
しっかりと塩味がついていて、ソースなどはつけずにいただく。

衣の中は、熱々で・・・サクサクだ。
美味しい。

私は「帆立と春菊のかきあげ」(750円)を注文した。
予想した以上に量がある。
春菊はちょうど良い具合に揚がっていて、これまたサックサクだ。
天汁に浸していくらでもいける。

3品目は冬の定番「牛すじ大根」(600円)。
これはいつ食べても間違いがない。
もうすっかり体は温まってきて、揚げ物が2つあったので、お腹も膨らんできた。

ここで飲み物が空になり、目の前に置かれていた一升瓶が気になる。
奄美黒糖焼酎「れんと」。
「れんと」という焼酎は全く知らなかったが、「奄美大島開運酒造」の代表銘柄なのだそうだ。

なんとクラシック音楽を聴かせて熟成させるという。
貯蔵タンクに一定の音響振動を加え熟成を促す「音響熟成」製法で熟成された黒糖焼酎です。「音響熟成」とは、”音楽のゆりかご”の中で、ゆっくり焼酎を熟成させる方法なのです。れんとはモーツァルトやベートーベン、ビバルディなどのクラシック音楽に約3ヶ月包まれながら熟成の時を過ごすのです。この熟成でまろやかでやさしい味と豊かな香りが生まれます。
引用:奄美大島開運酒造
この「れんと」を水割りで注文したが、出てきたのはお湯割だった。
この頃にはお客さんもだいぶ増えて厨房も相当忙しそうなので、そのままお湯割でいただく。
これまたまろやかで、泡盛のような癖もない。

そして、〆に選んだのは「天然ひらめ あら出汁雑炊」(500円)。
名前を聞くだけで美味いのは間違いないと確信する。
大きめのお碗で出された雑炊は、期待を裏切らない優しい一杯だった。
これは美味い。
寒い日に、身も心も解きほぐされていく心持ちがする。

私たちが食べ終わった午後6時半ごろには、お店の半分以上が埋まっていた。
みんな適度の距離をとり、静かに飲食を楽しんでいる。
これなら感染リスクは決して高くないだろう。
やっぱりリアル店舗には、テイクアウトでは味わえない良さがある。
またタイミングを見ながら、贔屓のお店を試してみたいと思っている。
食べログ評価3.53、私の評価は4.00。
「みやうち」 電話:0422-43-8334 営業時間:[月~土]17:30~24:00 [日]17:30~23:00 定休日:無休