1泊2日でプラハを離れ、世界遺産チェスキークルムロフに行って来た。
結論から言えば、結構疲れた。

レンタカーを借りるため、わざわざタクシーで空港に行った。これは私流の裏技で、知らない街で車を運転して事故やトラブルを避ける狙いがある。
空港は少し街から離れ高速道路が近いケースが多いため、慣れない車で運転してもリスクを減らすことができる。
今回は、Rentacar.comというサイトから予約した。バジェットレンタカーで、シュコダのFABIAというチェコ製の小型車をあえて選んだ。
チェコの車を試して見たかったのだ。

オーストリア=ハンガリー帝国支配下の1895年に創業し、ナチスの占領や社会主義政権による国有化も潜り抜け、1世紀以上を生き延びたシュコダモータースについては帰国後もう少し調べて書いてみたい題材だ。
今はフォルクスワーゲンの傘下に入りしぶとくチェコ自動車のブランドを守っている。
この2日間、作家のカレル・チャペックが晩年を過ごした館を訪ねたり、宗教戦争の舞台となったターボルという街に立ち寄ったり、レンタカーならではの機動力を発揮したのだが、去年のカナダと比べるとストレスがかかる旅だった。

問題の本質はチェコの道路事情にある。
日本と同じような高速道路が国内の各地をつないでいるのだが、二車線の快適なドライブを楽しんでいると、突然一般道になる。

それだけならばいいのだが、高速道路の工事があちこちで行われており、強制的に一般道に迂回させられたりする。

しかも案内が親切でないため、不慣れな異国なドライバーには訳がわからない。何度も田舎道に迷い、迂回すると工事で行き止まりになっていたりする。

おまけにレンタカー屋で借りたカーナビが役に立たない。日本のように車に取り付けられているのではなく、レンタカー屋のカウンターでこんな箱を渡されるのだ。

「おいおい、箱のままかよ」と思い、使い方の説明を求めると、「ここが電源で、ここに目的地を入力して・・・」とごく簡単な説明をしてくれた。もちろん日本語表示はない。
車の中で使ってみる。電源を入れて目的地の住所を入力すると、驚いたことに現在地が香港のあたりになっており、目的地までの距離は1万キロ近くと表示される。
「一体これは何だ」
怒りとともに絶望がこみ上げて来て、レンタカー屋に怒鳴り込もうと思っていたら、ようやくGPSが作動したらしく現在位置がプラハ空港に変更された。
私の推理では、このカーナビは深センあたりで製造された中国製で、新品のまま何の設定もしないままで客に渡したに違いない。
日本ではゼンリンのような会社が地道に精密な地図を作り、日々更新してくれているため、私たちはカーナビの情報を信頼して利用することができる。しかし、市場規模の小さなチェコのような国には、ゼンリンのような専門業者は成立しないだろう。
だから、高速道路の工事情報もまったく反映されておらず、高速道路が行き止まりになり強制的に一般道に迂回させられても、バカなカーナビは警告音とともに「道が違います」と英語で繰り返すばかりだ。
「馬鹿野郎。道が外れているのはわかっている。代わりの道を案内しろ」とカーナビにイラつく。あまりに、カーナビがうるさいので、終いには電源を切りレンタカー屋がくれた簡単な地図を自分の勘で読み解きながら道を探した。

おまけにこのカーナビ、広域を見ようとしても勝手に詳細地図に戻ってしまう設定になっている。目の前100メートルだけなら肉眼でも見える。こんな地図情報では、正しい判断ができない。
信じられないような馬鹿カーナビ。世界標準でモノを作ると、こんなヘンテコな製品ができてしまうのかもしれない。
おかげでヒドい目にあった。車の運転から完全に足を洗い、レンタカーの旅にも当初から難色を示していた妻の怒りが爆発したのだ。
楽しかったプラハの日々が、今日のドライブで一気に険悪なものに変わった。最悪である。

先ほどレンタカーを空港に返し、今夜の宿にチェックインしたので、妻の機嫌も何とか直った。
チェコをレンタカー旅行を計画される方は、こうした道路事情を頭に入れておいた方が身のためだ。
でも、ボヘミアの田園風景を楽しむにはレンタカーが一番いいと、個人的には今も思っている。
道に迷うのも旅のうちと、トラブルを楽しむ心が大切である。
その先には、こんな絶景が待っているからだ。
チェスキークロムロフの詳細は帰国後、美しい写真とともに改めて書いてみたい。
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