半年遅れで「Gatebox」というプロジェクトを知った。しかも、その情報源は「スプートニク日本」というロシア発の日本語ニュースサイトだ。
まずは、こちらのYoutube映像をご覧いただきたい。すごくよくできている。
ホログラムの2次元キャラクターと一緒に暮らし、会話を楽しみ、メールのやり取りもしてくれる。ちなみに、彼女の名前は「逢妻(あずま)ヒカリ」と言うらしい。
究極のオタク向け“AI妻”とでも言うのだろうか。
去年の12月、ベンチャー企業が予約販売を始めた。価格は29万8000円。
初日に100台の予約が入り、1ヶ月で予定の300台を売り切った。
海外からの反響もすごく、海外メディアでも広く取り上げられたらしい。確かにいかにも日本的なニュースだ。
そして今年3月、あのLINEがこのGateboxを開発した会社を買収した。さすがに動きが早い。
ホログラムの技術は以前から開発が進められていたが、何に使うのかその使い道がまだ見えていなかった。確かに、無機質なロボットよりもホログラムのキャラクターと一緒に暮らしたいろいう人は多いかもしれない。
一時は脚光を浴びたPepper君も最近ではどこにでもいて、あまり注目されなくなった気がする。プログラムされたロボットの面白さは一瞬で消費されてしまう。臨機応変に変化する相手でなければ、長く付き合うことは難しいのかもしれない。
そうなるとどうしてもAIの出番となるのだろう。
きょう幕張でデジタルサイネージの展示会をのぞいたのだが、ここにもAI技術を取り込んだコミュニケーションロボットを開発したベンチャーがプレゼンを行っていた。
顔の部分がスクリーンになっているので、言葉に合わせて表情が変化するし、映像や情報に切り替えることもできる。こうしたロボットが必要な情報を伝えてくれたり、話し相手になってくれたりと言う未来をこの会社も思い描いているらしい。
思い通りにならない人とのコミュニケーションを最初から放棄し、ロボットやホログラムを会話の相手に選ぶ世代が登場してくるのか?
確かに、新しい技術の登場で、これまでSFの世界だった出来事がどんどん実現できるようになる。若い世代にとっては、まさに挑むべきフロンティアだろう。
それは認めつつも、やはり面倒でも、人とのコミュニケーションも大切にしてほしい、老婆心ながらそう思う。