久々に、三男がうちにやって来た。
うなぎが食べたいというので、妻はいそいそとお店の予約をしたようだ。
そんな日に限って、私は歯医者の予約が入っている。数日前に奥歯が欠けて、応急処置をしてもらうためだ。

午前11時、今年からかかりつけになった「黒田クリスタル歯科」に行くと、麻酔をするという。
うなぎのために、治療を後回しにするわけにもいかず、食事の直前に歯の麻酔をする羽目になった。
治療は無事に終わったが、口の左側の感覚が戻らない。
うなぎ屋の予約は午後1時。ギリギリまで回復を待ったが、感覚が戻らない状態のままお店に向かうことになった。

3年前に訪ねた時には、「うなぎ ます田」という名前だった。
当時就職活動中だった三男を連れてうなぎを食べに来たのを今でも覚えている。結局、三男は希望通りテレビ局に入社に滑り込み、何とか社会人3年目を過ごしているらしい。

その後、「うなぎ ます田」は2017年に店を閉めた。
代わって、立川で三代にわたって営業している老舗のうなぎ屋「志乃ざき」の吉祥寺店としてリニューアルオープンしたのがこのお店だ。

経営が変わってから初めて訪れた店内は、基本的な構造は変わっていない気がするが、内装は綺麗になっている。
奥のコーナーが畳の小上がりになっていて、残りはテーブルとカウンター席だ。

カウンターの向こうでは、注文を受けてからうなぎを焼くらしい。
小上がりには家族連れがいたが、一番下の男の子が待ちくたびれたのか大声で泣き出した。
うなぎ屋で子供の泣き声を聞くことは稀だが、お店の人たちは嫌な顔一つせず子供たちの面倒を見ている。物静かで優しいお店という印象を受けた。

うな重は、並と上と特上の3種類。
値段は、それなりだ。
口が痺れたままの私は「並」にして、いつもは一番安いメニューを頼む妻が「上」を注文した。とても珍しいことがあったものだ。
三男はもちろん「上」を頼んだ。

まずは、私が注文した「うな重」(3700円)。

蓋をとると、ご覧の通り。
うなぎの質は変わらず、量は「上」の4分の3だ。
ご飯にタレがしっかりしみていて、美味しい。

うなぎの焼き加減がいい。
最近ふわふわ感を意識して、ちょっと柔らかすぎるうなぎが多い気がするが、この店のうなぎは表面が少しカリッとしていてちょうどいい。
タレの味もバッチリだ。

「上うな重」(4600円)は朱色のお重に入っていた。
大きさは「並」と変わらない。むしろ「並」のお重の方が大きく見えるほどだ。

でも蓋をとると、うなぎが丸々1匹。
ご飯を覆い隠し、2枚のうなぎが少し重なって見える。

表面の適度の照り、そしてかすかな焦げ目。
いかにも美味しそうだ。

お吸い物は、「肝吸い」か「なめこ汁」のどちらかを選ぶことができる。

カラフルなお新香も付いてくる。
この店の特徴は、山椒。

右の七味入れのような入れ物に、通常の粉の山椒が入っているが、その隣にあるペッパーミルに生の山椒が入っている。

上のボタンを押すと、電動で挽いた山椒が出てくるという現代的な仕掛けになっているのだが、正直これは不要なサービスだと思った。

ご覧のように、細かいのは通常の粉の山椒、そしてところどころに見える小さな塊がペッパーミルで挽いた山椒である。
やっぱり普通の方が断然美味しそうに見えるだろう。
吉祥寺にはあまり美味しいうなぎ屋さんがないので、値段は高いが、うなぎが食べたくなったらたまに利用させてもらうことになりそうだ。
食べログ評価3.29、私の評価は3.50。
「うなぎ 志乃ざき 吉祥寺店」 電話:050-5594-1478 営業時間: [金~火] 12:00~14:00(L.O) 17:00~20:00(L.O) 定休日:水曜日・木曜日 http://unagi-shinozaki.jp/kichijoji
やっぱり江戸前のうなぎがいいですね。
今住んでいるところにはおいしい店がどこにもないうえ高いんですよ。
やっぱり東京はいいなぁ・・・
(=^・^=)