昨日の夕方、突然シルバーさんに切ってもらった裏庭の柿の木といちじくの木。
今日は朝から切り倒されたこれらの木の片付けに追われた。
小型の電動チェーンソーで太い枝から順に切断していき、太い幹、太い枝、細い枝、末端の枝と切り分けていく。
柿の木もいちじくの木も老木なので、幹の内部はかなりスカスカになっている部分もあり、電動のチェーンソーでも難なく作業が進んだ。
太い幹と太い枝は適当な長さに輪切りにし、裏庭の隅っこにとりあえず集めてみた。
柿の木の5メートルを超える高さにあったこの太い幹は、輪切りにしても持ち上げるのに苦労するほどの重量で、やっぱり木って重いなあと痛感した。
こんな木が隣の家に倒れかかったらと考えると、やはり半分の高さに切った判断は間違っていないと改めて感じる。
細い枝や末端の枝は葉っぱを落として農業用コンテナに収まる長さに切り、とりあえず昔の鶏小屋に収納する。
どうしてここに置いたのかについてはこの記事の後ほどで書きたいと思う。
私が朝から木こりの真似事をしている間、妻は切った柿の木に実っていた西条柿の皮をむき、干し柿作りを始めた。
西条柿の中からまだ硬い実をより分けて、皮をむき、30秒ほどお湯をくぐらせて殺菌する。
この柿をヒモにぶら下げて、納屋の前の物干し竿に首飾りのようにぶら下げてみた。
最初は真っ直ぐに垂れ下がらせたのだが、下の方が地面に近くなるため動物に食べられる危険性があると考え首飾り状にしてみたのだ。
少し柔らかくなっている柿は干し柿には向かないため、日光に当てて追熟させてみる。
渋柿である西条柿は硬い状態では渋くて食べられないが、ドロドロに熟すとものすごく甘くなるのだ。
すでに木で熟した西条柿もいくつかあったので、冷蔵庫で少し冷やして食べてみることにした。
皮を破ると、中からツヤツヤした果肉が流れ出した。
スプーンですくって食べると、なんとも言えない上品な甘さが口いっぱいに広がった。
いちじくの方も、小さな実がたくさんついていたがまだ熟したものはなく、追熟するとどんなになるか実験するために、日向にしばらく置いて様子を観察することにした。
大きさはまさにドライいちじくにぴったりのサイズなのだが、果たして食べられるのだろうか?
そんなことをして庭の後片付けをしていると、午前10時に1台の車がやってきた。
岡山市内にある薪ストーブの専門店「ヒッコリー」の店長さんが家の下見に来てくれたのだ。
古民家の冬は寒いので、せめて優雅に薪ストーブでも設置できれば少し快適になるのではないかと思い一度現場を下見してもらうことになっていたのである。
まずは薪ストーブ用の煙突を設置できる場所を探すために、屋根の形状をチェックしてもらう。
古民家の屋根は藁葺き屋根に後からトタンを張ったもので、その部分には煙突は通せないことがわかった。
もしも煙突の穴を開けるなら、その周辺の瓦の部分ならば可能だという。
ただ、屋根が急傾斜で高いため、煙突を最大限3メートルぐらいまで高くしないと、排気がうまくいかず室内に煙が逆流する可能性があるのだそうだ。
さらに隣の家の2階部分と同じぐらいの高さになるため、風向きによっては煙や匂いがそちらに流れていくことも考えなければならないこともわかった。
私たち夫婦の間では、台所につながる内側の土間が設置場所として一番適しているのではないかと思っていたのだが、煙突の関係で想像していたほど簡単ではないようだ。
いろいろ相談しているうちに、新たな設置場所の候補も見つかった。
現在タンス部屋として使っている奥の4畳半だ。
この部屋の押し入れの上は、母家と納屋の間の瓦屋根の部分にあたり工事が可能で、しかも隣近所への迷惑が最小限に食い止められることもわかった。
もしこの部屋に薪ストーブがつけば、冬場によく使う部屋のすぐ隣なので、暖房効率的にも土間よりもずっと好条件だ。
いずれにせよ、この4畳半に設置してもらうとすると、押し入れなど周辺のリフォームも必要となるためすぐに決めることはできず、中長期的にこの家をどのように活用するのかを夫婦で十分に話し合った上で、リフォームの全体像の中で検討することになった。
今年エアコンを設置して初めて迎える冬を経験した上で、薪ストーブの必要性を冷静に判断することになるだろう。
せっかく店長さんに来てもらったので、薪についても教えてもらった。
昨日切った柿の木といちじくの木を見てもらい、「こうした木でも薪として使えますか?」と聞いてみると、店長さんの答えは・・・
「木の種類はなんでもいいんですが、割った方がいいですね。このままだとなかなか乾かないので、薪として使えるまで何年もかかりますね」
要するに樹皮からは水分がほとんど蒸発しないので、まずは薪割りをして乾きやすくしてやることが肝要なのだ。
薪割りをして屋根のある風通しのいい場所に置いておいても、薪として使えるまでには最低1年。
今の時期はまだ樹木が水分を吸い上げているので、薪を作るためには植物が活動を止める真冬が最適なのだと教えてもらった。
小枝は焚き付けなどに使えるが、葉っぱはストーブに入れない方がいいという。
葉っぱを燃やすと灰がたくさん出てしまうのだそうだ。
こうしていろいろ教えてもらって、昨日切った柿の木といちじくの木は昔の鶏小屋に置いて保管することにした。
屋根があって風通しがいいからで、店長さんからも太鼓判をもらった。
薪ストーブを設置するかどうかは不明だが、もし設置したらすぐに薪が必要になる。
ホームセンターで買えば簡単だが、我が家には果樹や庭木、さらには裏山もある。
もし薪ストーブを使うなら、燃料となる薪は自給できなければ意味がない。
薪ストーブのある生活には憧れがある。
ただ、気密性の低い古民家の場合、家中を暖めることはやはり無理だということもわかった。
年に一度の煙突掃除、定期的な灰の掃除、そして年単位の時間がかかる薪作り。
ゆらめく炎を眺めるためには、それ相応の準備が必要となるのだ。
ずぼらな私のそれが本当にできるのか?
まずはそこから冷静に考える必要がありそうだ。