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<吉祥寺残日録>「後発白内障」のレーザー治療は痛みはないが、やはり拷問を受けている感覚 #230726

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「後発白内障」という目の不具合に気づいたのは、先週ゴルフをしていた時だった。

逆光になるショートホールのティーグランドに立った時、グリーンがぼやけて見えたのだ。

あれっ?と思って、右目をつぶってみた。

すると、左目で見える世界がひどくぼやけて、太陽の光が乱反射しているのを感じた。

私は3年前に左目の白内障手術を受けている。

濁った水晶体を取り出して人工のレンズを埋め込んだのだが、その時、医者から「レンズが曇ることがあるがレーザーで簡単に取り除くことができる」と聞かされていた。

ああ、これだなと思った。

人工レンズが曇るこの症状は「後発白内障」と呼ばれるらしい。

日本白内障学会のホームページを見ると、その原因についてはこう説明されていた。

水晶体は水晶体嚢という透明な袋に包まれています。近年行われている白内障手術では、水晶体嚢の前面(前嚢)を円形に切開し、水晶体嚢の中身を超音波で破砕吸引し、残した水晶体嚢の中に眼内レンズを挿入します。しかし、術後しばらくすると、水晶体嚢の中に残っている水晶体の細胞が増殖して水晶体嚢を濁らせてしまいます。軽度であれば症状はありませんが、進行すると眼内への光の透過性が落ちるため、視機能が低下します。これを後発白内障といい、術後5年で約20%の患者さんに発症するといわれています。

引用:日本白内障学会

曇りの原因は、細胞の増殖ということらしい。

妻にその話をすると、「自動車の運転が心配なのですぐに医者に行って」と尻を叩かれ、かかりつけの眼科に電話した。

すると、準備が必要なので予約して後日来て欲しいと言われた。

そして昨日、眼科を訪れると、まず最初に通常の視力や眼底検査を行い、院長が私の目の状態をチェック。

「確かに曇りがあるがレーザー治療をしますか?」と聞かれ、「YAGレーザー治療」という治療法について説明してくれた。

まず治療開始前に、点眼麻酔を行い特殊なコンタクトレンズをあてた上で、瞳にYAGレーザーというレーザー光線を混濁に照射して切断するのだという。

目にレーザーを当てるというとすごく怖く感じるが、痛みなどは基本的にないそうだ。

ただし、一過性で眼圧が上昇したり、虹彩炎が生じること、人工レンズに極小のキズが入る場合があるというが、ごく稀なケースなので心配はいらないと説明された。

この眼科の院長はとても説明が丁寧なので、安心してお任せすることができる。

私が治療に同意すると、院長はその場でまず瞳孔を開くための目薬を私の左目にさした。

瞳孔が開くまで時間がかかるため、待合室でじっと待つのも時間がもったいないと思い、「昼食を食べてきてもいいか」と院長に確かめると、30分以内に戻るのなら大丈夫と言われ、すぐ近くのハンバーガーショップで簡単なランチをとる。

こういう時、医者が吉祥寺だと周辺になんでもあるから便利だ。

15分ほどで食事を済ませ再び眼科に戻ると、看護師さんが来て私の瞳の状態を確認して、もう一度目薬をさす。

しばらくするとまた看護師さんがやってきて、今度は眼圧が急上昇するのを防ぐ目薬というのをいうのをさしてくれた。

さらに、そのまま待っていると、またまた看護師さんがやってきて、今度は点眼麻酔だと言って2回に分けて目薬をされた。

こんなに何度も目薬をすることも滅多にないと思いながら待っていると、名前が呼ばれ診察室で院長の2回目の診察を受ける。

院長は瞳孔の奥の状態を確かめた上で、私に濁ったレンズの写真を見せながら、再度治療の意思確認をし、これから別室で治療しますと言った。

時間はすでに午後1時半を回っている。

午前の診療は12時45分で終わっているので、残っている患者はまばらだ。

この眼科はとても人気で多くの患者が訪れるため、後発白内障のレーザー治療は、こうして午前と午後の診療時間の間に行なうことにしているそうだ。

院長や看護師さんの昼休みを邪魔しているようで少し気が引ける。

別室に案内だれると、レーザーの機械の前に座らされ、特殊なコンタクトレンズをはめられる。

私はコンタクトレンズというものをしたことがないので、目に何かが取り付けられた感触がとても気持ち悪い。

レーザー光線の衝撃を和らげるとともにまぶたが閉じるのを防ぐ効果があるのだろう。

顎と額を機械に当てた状態でベルトで後頭部を固定される。

部屋の電気が消され、赤い小さなランプを見るように指示される。

右目ではランプの光が点のように見えるのだが、左目の方は赤い光が4つのぼんやりと拡散した状態に映る。

「それではレーザーを射っていきます」

院長の言葉に続き、「ピッ!」という電子音が聞こえる。

それに呼応するかのように、左目のあたりで小さな鈍い音が。

レーザーが混濁を切断する音なのだろうか?

院長は1回ごとに機械の位置を微調整しながら、何度もレーザーを照射していく。

私は頭を動かすこともできず、ただされるがままに赤いぼやけた光を見つめている。

白内障の手術の時もそうだったが、まるで拷問でも受けている感覚だ。

普段他人に触られることのない目という場所をいじられるのは苦痛である。

痛みは確かに全くないのに、どういうわけか息苦しくなってくる。

もしもこの状態で針を目に刺されそうになったら、間違いなく私はなんでも自白してしまうだろう。

そんな妄想が頭の中を駆け巡っている間に、レーザー治療は終わった。

時間にすればほんの5分程度だったのだろうが、私にはそれなりに長く感じた。

治療後、自由の身となった私が誰もいない待合室で待っていると、また看護師さんがやってきて術後の目薬というのをさしてくれた。

そして再び眼底検査を受け、院長の3回目の診察に臨む。

院長はレーザー治療後の私の左目の写真を見せながら次のように説明した。

「治療前にあった膜のようなものをレーザーで十字に切断したので、膜がめくれて中央部の濁りが取れている」

レーザーを使って一体何をするのだろうと疑問に思っていたが、この説明でようやく少し理解できた。

細胞の増殖によって人工レンズの裏側にできた膜を切断すると中央部がきれいになるものの、濁った膜がなくなるわけではなく周辺部に残るということらしい。

それでも人間が物を見るためには光が通る中央部がきれいになっていれば事足りるため、レーザー治療によってモヤがかかったような状態が解消するのだ。

なんとなく理屈がわかり、視界も頭の中もスッキリしたように感じる。

このレーザー治療はほとんどの場合、一度きりで良くて、ごく稀に2回以上やる人がいるそうだ。

こんな拷問、できることなら一度だけで勘弁してもらいたいものだが、私の場合、右目はまだ白内障になっていないため、将来右目でもう一度お世話にならなければならないかもしれない。

とはいえ、とりあえずは視界良好。

やはり目が見えるというのは本当にありがたいものである。

<吉祥寺残日録>白内障手術は「拷問」に似ていた #200908

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