<吉祥寺残日録>民間宇宙船が無事帰還!イーロン・マスクの快進撃 #200803

今日の昼ニュースを見ていると、アメリカ関連のニュースが私の目を引いた。

まずはエンゼルスの大谷翔平。

2回目の登板となったこの日、1回は三者凡退に退けたものの、2回は5つの四球を出す大乱調。

試合後、右腕の違和感を訴えてMRI検査を受けたという。

とても、心配だ。

もう一つは、日本のセブンイレブンがアメリカのコンビニ3位の「スピードウェイ」を買収したという経済ニュース。

日本のコンビニが飽和状態となる中、アメリカのコンビニ業界で圧倒的なトップ企業になることを決断した。

これによって、すでにアメリカの業界トップであるセブンイレブンは、全米の店舗数を1万3000店に増やし2位に2倍以上の差をつけたことになる。

しかし、そのための投資額は2兆2千億円。

コロナ禍での巨額投資に市場の反応は懐疑的で、東京市場でのセブン&アイHDの株価は一時8%も下落した。

この一方で、絶好調の男がアメリカにいる。

電気自動車メーカー「テスラ」のCEO、イーロン・マスク氏だ。

彼が手掛ける宇宙ビジネス「スペースX」が開発した新型宇宙船「クルードラゴン」が約2ヶ月に及ぶ民間初の有人宇宙飛行を成功させ、2日無事に地球に帰還した。

宇宙船はフロリダ沖の海上に着水。

海上に着水して帰還した米国の有人宇宙船は45年ぶりだという。

その間は、スペースシャトルが滑走路に着陸していたので、ちょっと先祖返りした印象も受けるが、コスト的にはこちらの方が経済的なのだろう。

2人の宇宙飛行士も元気で、順調にいけば9月末にも日本人宇宙飛行士・野口聡一さんらを乗せて初の本格運用が始まる予定だ。

先日、中国が火星探査機を打ち上げるなど、宇宙開発競争は一層激しくなっている。

国家プロジェクトから民間活用に舵を切ったアメリカの宇宙事業。

「スペースX」が巨額の利益をあげる日が現実味を帯びてきた。

そして本業の「テスラ」も一時の苦境を脱して、とんでもない上昇気流に乗っている。

テスラの株価は、この1年で6倍に跳ね上がり、ついに時価総額で自動車業界首位のトヨタを抜き去った。

背景となっているのは、テスラの生産能力が2021年には年間100万台を突破し、世界の量産車メーカーの仲間入りする見通しとなったことがある。

SDGsの流れが世界的に強まる中で、電気自動車はガソリン車に取って代わる勢いを見せている。

テスラの本拠地であるアメリカだけでなく、環境問題にうるさいヨーロッパや、国策として電気自動車へのシフトを進めている中国まで、日本以上に電気自動車の普及が加速している。

その電気自動車の世界シェアを見ると、トップのテスラを追って、中国企業が大きな比重を占めている。

今はまだ自動車産業は日本経済の大黒柱だが、電気自動車の勢力図を見ると、近い将来、日本の自動車産業が苦境に立たされることは一目瞭然だろう。

電気自動車というのは、ガソリン車に比べてシンプルで、新規参入が容易だと言われている。だから、先日ソニーが電気自動車の試作車を発表するなど、業界の垣根を超えた開発競争が繰り広げられることが予想される。

トヨタ社長が事あるごとに危機感を口にしているのも、自動車業界の未来を見据えたものなのだ。

イーロン・マスクのような経営者は日本に現れないのか?

アメリカ、中国に比べて、日本人はものすごくスケールが小さくなってしまった気がするのだが・・・。

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