🇨🇦 カナダ/エメラルド湖 2016年8月13日
道を間違えて偶然訪れることになったエメラルド湖。
この湖があるヨーホー国立公園も、世界遺産「カナディアン・ロッキー山脈自然公園群」に属する美しい場所です。
多くの観光客が押し寄せる人気観光地とは一味違うエメラルドこの魅力とその湖畔に立つ静かな一軒宿についてご紹介します。
レイク・ルイーズよりも私の心を打った小さな湖にぜひ早朝行ってみてください。
ジャスパー方面は分岐にご注意を
朝食をすませ、6時半にホテルを出ました。
天気は晴れ、パンフに来て初めての快晴です。
はっきりとした目的地を決めないまま、北方のジャスパー方面に車を走らせます。
昨夜も寝不足なので、体調と相談しながら行けるところまで行くことにします。
レイク・ルイーズへの道はこの日で3回目ですが、天気によって山並みの印象は大きく違います。
土曜の早朝、車も少なく快適なドライブです。

レイク・ルイーズの出口を通り過ぎて、初めてその先に進みます。
しばらく直進すると、道路が一車線に変わりました。
山が一段と間近に迫ってきます。
やがてハイウェイは左に大きくカーブし、西に向かい始めます。

「おかしい」と、ようやく気づきました。
どうやら道を間違えたようです。
ジャスパー方面、つまり北に向かうつもりでしたが、分岐を間違えてヨーホー国立公園方向、すなわち西に進んでいるようです。
私は、代表的な観光コースであるジャスパー方面が本線だと、勝手に思い込んでいたのですが、実際には、ヨーホー方面に行く道が本線で、ジャスパー方面に行く場合、一旦出口を出る必要があったようです。
ちゃんとガイドブックを読んでいれば、書いてあることです。
完全な思い込み。
私にはしばしば、この手の失敗があります。
エメラルド湖へ進路変更
ルートを間違えたことを、今さら悔やんでも仕方がありません。
私の特技は、臨機応変、融通無碍。
失敗を逆手に取って、前向きに目的を変更するのです。
実際、ヨーホー国立公園とおぼしきこのあたりの景色は素晴らしく、この先にある「エメラルド湖」という小さな湖に進路を変更することに決めました。
傍を、貨物列車が、長い長い長い長い貨車を引いてゆっくりと走って行きます。
そういえばパンフでは夜、よく汽笛の音を耳にしました。
久しぶりに聞く、懐かしい音、旅情を誘う音色です。

エメラルド湖への進路変更、これは大正解でした。
「結果オーライ」私はずっとそんな感じで生きてきた気がします。
エメラルド湖に到着したのは、7時半ごろ。
湖畔に佇む一軒宿の宿泊者以外まったく人影はありません。
観光客で賑わうレイク・ルイーズなどと比べると、静かでとても密やかな湖です。

まだ朝陽はこの湖には届いておらず、エメラルド色ではなく神秘的なブルーが湖面を包み込んでいます。
「静謐」
日常ではあまり使うことのない言葉が、ふと頭に浮かびました。

静かな、時 ……。

「静寂」とは、まさに
こうした時間をいうのでしょう。

美しい庭に囲まれた湖畔の一軒宿
湖畔の宿「エメラルドレイク・ロッジ」は、美しい花々に囲まれていました。

どの花も小さく、可愛らしく、ひっそりと咲いています。

バンフのカスケード・ガーデンとは比較にならない、ナチュラルで、それでいて丁寧に手入れが施されている素敵なお庭です。

イングリッシュ・ガーデンと言うのでしょうか?
ケバケバしさのない、自然でとても好感のもてるお庭。妻も私もとても気に入りました。


有名観光地から離れたエメラルド湖は、静かな休暇を楽しむには最高のロケーションだと感じました。
驚いたことに、この静かな湖にも、中国人の家族が泊まっていました。

団体旅行ばかりをイメージしてしまう中国人観光客ですが、最近のリッチな中国人は日本人以上に洗練された旅をしているようです。
ここに宿泊している中国人家族は大声で騒ぎ立てることもなく、静かに食堂へ入っていきました。

エメラルド色に変わる湖面
花々を撮影している間に、朝の日差しが少しずつ山々を照らし始めます。
すると・・・

鏡のような湖面に、うっすらと、エメラルド色が現れてきました。
「これが、エメラルドか・・・」

私は夢中で写真を撮ります。
そして次の瞬間、光の帯が、ゆっくりと水面にまで到達します。

少しずつ少しずつエメラルド色に変わっていく湖の色。
朝早く起きた者だけが味わえる、一瞬の色彩のうつろいです。

道を間違えたことによって偶然訪れることになったエメラルド湖。
それは文字通り「神のお導き」と言ってもいい素晴らしい時間を私たちに与えてくれました。

やがて朝日が私が立っている場所まで届きます。
逆光の中で朝もやが立ち上る……。
幻想的な光景が目の前に現れました。


はるばるカナダまで来た甲斐があったと、心から感じた朝でした。

やはり、天気は大きいですね。
さらに予備知識がなかった分だけ感動が大きくなったのかもしれません。
行き当たりばったりの旅も悪くないものです。
この後、世界遺産の絶景ロードを北上し、コロンビア大氷原を目指します。
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