うなぎを食べたい、と思いネットで近場を調べてみた。
吉祥寺にはあまりいい鰻屋がないようだ。去年行った「うち田」は廃業してしまった。
ちょっと範囲を広げて調べると、荻窪に比較的値段の手頃な鰻屋がいくつかありそうだ。
昔、荻窪の近くに住んだことがあったが、当時は子育てが佳境で、食べ歩きなど考えもできない状況だった。なので、名店が多いといわれる荻窪も、私たちには未知の世界である。
ということで、行き先を荻窪に決め、予約の電話を入れる。まずは、一番評価が高い「安斎」というお店。「本日は予約で満席です」と留守番電話が答える。
そして次に電話したのが「東屋」だった。荻窪駅南口から歩いて5分ほどだ。

こじんまりと渋い入り口。扉に「本日、予約で満席」との張り紙がある。電話しておいてよかった。

まさに、うなぎの寝床のように奥に細長い店内は、照明が抑えられ落ち着いた風情だ。
土壁には千代の富士、北勝海時代の4横綱の手形が押された額が飾られる。

その額の下には、石造りの小さな池が作られ、小魚が泳いでいる。

狭いスペースに遊び心を詰め込んだ江戸っ子らしい趣向なのか・・・。

これはおそらく「東屋」と書かれているのではないかと推察する。昔使った看板か何かだろう。実はこの店、すごい老舗なのだ。

壁にさりげなく飾られた写真と地図。
そこには「明治20年代麻布にて創業」「昭和23年頃荻窪にて」という説明が添えられている。明治20年といえば、今から130年前のことだ。
このお店の妙な静けさは、そんな歴史と無縁ではないかもしれない。

これがメニューだ。うな重とかば焼き、しら焼きが数種類。そのほかにはきも吸い、お新香、ごはんしかない。う巻きも肝焼きもない潔さ。悪くない。

妻はいつものように一番安いものを注文する。「うな重 竹」(2300円)。
想像したより立派な鰻だ。照りが出てうまそうだ。

私は奮発して「うな重 極上」(3900円)に「きも吸い」(200円)を付ける。
容器は「竹」より気持ちだけ大きい。

フタを取ると、中はこんな感じ。「竹」に比べ、うなぎに厚みがあり、サイズも大きい。適度な焦げ目もあり、これは本当にうまそうだ。
山椒をぶっかけて、食う。

普通にうまいのだが、何だろう、ちょっと物足りない。
フタを開けた瞬間に、目から入った情報で期待値が高くなりすぎたのか・・・。
ガツンとくるインパクトがない。口全体に広がるはずの充足感が思ったほど広がらない。
おそらく相性なのだろう。この店の味は、私にドンピシャではなかった。

きも吸いについては、普通に美味しいが、びっくりするということもない。
それでもこの店の雰囲気は、とてもとても好きだ。落ち着くいい店だと思う。
食べログ評価3.58、私の評価は3.45。

「東屋」を出て、もう一軒気になっていた「川勢」という見に行った。1200円のうな丼が食える店らしいが、予約ができない。予想通り行列ができていた。
暑いので、多少高くても予約できる店がいい。
どうせ鰻なんて、たまに食うだけなんだから・・・。
ちなみにこのブログの「吉祥寺グルメ」というカテゴリーの定義だが、荻窪あたりまで広げようと思う。吉祥寺にいて、ちょっと昼を食べに行こうという感じで出かけるエリアということで、とりあえず中央線では「荻窪〜武蔵境」の間のお店は「吉祥寺グルメ」とさせていただくので悪しからず。