<東京@グルメ>本郷「喫茶ルオー」の「セイロン風カレーライス」

コロナが一段落しているうちに少し動こう。

そう思って、新企画「江戸東京歴史散歩」の取材に出かけた。

その途中でランチに立ち寄ったのが、東京大学正門前にあるレトロな喫茶店。

1952年創業の「喫茶ルオー」である。

いいじゃないの、学生街の喫茶店。

私のようなシニアにとって、学生街の喫茶店はやはりこういうレトロな方がいい。

手作り感満載の看板も素敵だ。

フランスの画家ルオーから名前をとった画廊喫茶という文化の香り高い老舗の喫茶店なのだ。

店内は混雑しておらず、窓際の席に座った。

年季が入った木製の家具。

格子状のガラス窓からは東大の木立が見える。

いいお店だ。

それもそのはず、ここは三島由紀夫や司馬遼太郎も通った名店なのである。

一階は、うなぎの寝床のように奥に伸び、2階に上がる階段もある。

階段の下を少し掘り下げるようにして厨房が作られているようだ。

メニューを眺める。

飲み物がずらりと並ぶ。

コーヒー、紅茶は400円。

レモンスカッシュ、クリームソーダ、ミルクセーキもある。

一方、食べ物は「セイロン風カレーライス」一点勝負で、私がそれを注文すると女将さんは厨房に向かってただ一言、「一つ」と声をかけた。

それで通じるのだ。

「セイロン風カレーライス」(1000円)。

大盛りだと1200円、小盛りが900円で、飲み物がセットになっている。

「セイロン」と言っても今の学生には通じないのではないだろうか・・・。

今ではスリランカという名前に変わったセイロンだが、昔イギリスで流行した小麦粉をたっぷり使ったカレーのことを「セイロン風」と呼ぶのだそうだ。

大きな牛肉の塊とジャガイモがゴロリ。

シナモンやナツメグ、香味野菜を5時間煮込んで作るそのカレーは、予想していたよりもスパイシーだ。

そしてここは学生街、ご飯の量が見た目以上に多い。

付け合わせは、刻んだラッキョウと福神漬け。

これぞ昔のカレーライスといった趣である。

静かにクラシックが流れる学生街の喫茶店で、「セイロン風カレーライス」をいただく。

学生時代には感じなかった幸せを、シニアになるとしみじみと感じる。

もう少し、ご飯が少なければ、もっと幸せなのに・・・。

カレーを食べ終わると、女将さんは「ホットでいいですか?」と確認して、小ぶりなカップに入ったホットコーヒーを運んできた。

クリームとスティックシュガーを入れて飲むと、甘党の私にちょうどいい甘さになった。

これが昔ながらの砂糖壺だともっといいのだけれど、などと思う。

コロナ禍でお店で食べることを控えていたが、少しずつ日常に戻っている。

また時々知らない街に出かけていって、古くから残る渋いお店で時間を過ごしてみたい。

これこそ、会社を辞めた後に始めようと思っていた生活なのだから・・・。

食べログ評価3.56、私の評価は3.40。

「喫茶ルオー」
文京区本郷6-1-14
電話:03-3811-1808
営業時間:[月~金]9:30~20:00 [土]9:30~17:00
定休日:日曜・祝日

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【東京@グルメ】

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