クライアントとの打ち合わせのため、午前中会社に行って、昼過ぎに吉祥寺に戻った。
自宅に向かう途中、たまたま銀行に行く妻で遭遇し、昼ごはんを食べて帰ろうということになった。
どうせなら、コロナ騒動で消えて欲しくない吉祥寺オンリーのお店へ・・・。

人影が嘘のように消えたハモニカ横丁にある小さなレストランを選んだ。
「Le Ptite Restaurant Kiyo」。
1階はわずか6席のカウンター席のみ。
「密閉、密集、密接」を避けろという今のご時世では、ちょっと避けるべきお店かもしれないが、短時間のランチなので入ることにした。

理由は、金曜日限定の「まかないカレー」という案内に強く惹かれたからだ。
500円で、サラダとドリンク付きだという。
しかも、限定10食というレアものである。

カウンターには先客が2人。
これなら、密集度は許容範囲内だと判断した。
客の後ろをすり抜けると、狭い階段を上がって2階席もあるが、カウンターの空いた席に座って、「まかないカレー」を2つ注文した。

この店は、小さいながら基本的はフレンチ、まあビストロと言った方がいいのだろう。
黒板に書かれた前菜には、私の好きな田舎風パテやトリッパの煮込みといったフランスのビストロ料理が並ぶ。

まずは、ミニサラダ。
ドレッシングは味がしっかりしている。

目の前でシェフが調理しているのを間近で眺めながら、サラダをいただく。
この近さが、ハモニカ横丁の魅力でもある。

「まかないカレー」が出来上がった。
昔のカレーライスのように、船型にライスが盛られ、皿の空いたスペースにたっぷりのカレーだ。

野菜は形が残らないほどカレーに溶け込み、肉はトリッパが使われているのが最大の特徴だろう。
トリッパとは牛の胃袋「ハチノス」のことだ。

ライスの上には、タマネギを揚げたものだろうか?
フレンチらしいちょっとした風味づけがオシャレだ。

個人的には、すごく好きな味である。
特別何かが違うというわけではないが、さらっとしていて深みのようなものを感じる。
レストランでは実は「まかない」が一番美味しいと聞いたことがあるが、確かにこの「まかないカレー」はわざわざ金曜日に来る価値があると思う。

食後のドリンクは、アイスコーヒーを頼んだ。
これで500円とは、なんだか申し訳ない気がする。

いよいよ明日から、東京で外出自粛が本格的に始まる。
飲食関係のお店は特に大変だと思うが、ぜひ頑張ってこの危機を乗り越えてもらいたい。
今度はぜひ、田舎風パテを食べてみたいと思っている。
食べログ評価3.38、私の評価は3.60。
「ル・プティ・レストラン キヨ」 電話:0422-27-5536 営業時間:12:00~14:30/18:00~24:00 定休日:不定休