今日は妻の体調が悪かったので、街で用事を済ませつつ一人ランチ。
最初はパスタにしようと思って家を出たのだが、お目当ての店がいっぱいで次第に街のはずれまで来てしまった。

五日市街道に近い弁天通りで目に止まったのがこのお店。
「沖縄料理 琉球」。
以前から店の存在は知っていたが一度も入ったことがない。
このあたりまで来ると、吉祥寺の人混みが嘘のように人通りが絶える。

入り口にかかった派手な暖簾と一対のシーサーを見て、急に沖縄そばが食べたくなってきた。
それにしてもこの華やかな文様、これはどう見ても日本文化ではなく、琉球が中国の影響下にあったことを示している。

店内に入ると、さほど広くもないお店だが、そこはまさに沖縄だった。
カウンター席とテーブル、居心地の良さそうな小上がりもある。
沖縄を感じさせる装飾品に溢れた空間で、当然のごとく沖縄の歌が流れていた。

カウンターの上にはいい感じの甕が並んでいた。
泡盛だけでなく、泡盛をベースに作ったさまざまな薬膳種もこの店の売りらしい。
カウンターの奥には店の看板だったママさんの写真がいっぱい飾られている。
「ママさんはもうお店に出ていないんですか?」とお店を切り盛りしている2人の女性に聞くと、「2年前に亡くなったんです」との答えが返ってきた。
このお店のオープンは1989年、名物ママさんが手塩にかけて守ってきたことがわかる素敵なお店である。

私はランチメニューにあった「沖縄そば」(800円)を注文した。
注文した後でメニューを開いてみると、おつまみからチャンプルーまで代表的な沖縄料理がなんでも食べられる素敵なラインナップだった。
お酒もいろいろ。
まさに吉祥寺にいながらにして沖縄の居酒屋に入った気分だ。
「昼はランチメニューだけですか?」と聞くと、「どれでも大丈夫ですよ」との答え、ランチメニューというのは850円沖縄そばが800円で食べられるという程度のことだと分かった。

知り合いの女性が訪ねてきて、スタッフの女性たちとずっとおしゃべりをしている。
でもそれを聞いているのが心地よい、どこか田舎のお店に行ったような感覚を味わっている間に私が注文した「沖縄そば」が出来上がった。
見た目は特段変わった様子はないが、一口スープを飲むと、深い味わいが口の中に広がった。

豚バラ肉を煮込んだソーキは柔らかくトロトロだ。
もしももっとソーキを食べたければ「ソーキそば」(1200円)がある。
そのほかにも、豚足の「ティビチそば」や「薬草そば」「イカスミそば」など多彩な沖縄そばが用意されている。

しかしやっぱり絶品はこのスープだろう。
カツオの出汁がしっかりしていて、味が深い。
「滋味」という使い慣れない言葉が思わず浮かんできた。
体の調子が悪い時には絶対に癒されるやさしい味だ。

私の妻は沖縄そばはあまり好きではないが、チャンプルーなどは大好きで、今度また妻を誘って別のメニューも食べてみたいと思った。
吉祥寺の喧騒を離れて、静かに沖縄を感じられるとても良いお店を見つけた。
食べログ評価3.34、私の評価は3.60。
「沖縄料理 琉球」 電話:0422-21-6015 営業時間:【火〜土】12:00〜14:00/17:00~22:00 【日】17:00~22:00 定休日:月曜 https://www.instagram.com/ryukyu0201/
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