昨日は南岸低気圧の通過によって、東京でも朝から雪が舞った。

事前に大雪の予報が出されていたため、高速道路などが予め閉鎖されるなどしたが、実際にはみぞれ、もしくは雪混じりの雨といった所が多かったようで、1月のような大雪にはならなかった。
私はもう3日ほど家から一歩も出ず、北京のオリンピックを見続けている。
注目のフィギュア男子の試合を見終わって、ちょっと時間が空いたので、妻と一緒に料理をすることにした。

作ったのは、「お事汁」。
我が家のトイレにかけてある「和食の暦」に、2月8日の「事八日」に食べる伝統的な料理として紹介されていたものだ。
私は「事八日」も「お事汁」も知らなかったが、カレンダーによれば・・・
『2月8日と12月8日を「事八日」といい、昔から事を始めたり納めたりする大事な日とされ、この事八日には無病息災と五穀豊穣を願い、具だくさんで栄養豊富な「お事汁」を食べる風習がある』
とのこと。
2月8日は過ぎてしまったが、物は試しで作ってみることにした。

ネットで調べると、「お事汁」は6種類の具材で作ると書いてあるものが多い。
まず用意するのは里芋。
だいぶ前から私が「お事汁、お事汁」と言っていたので、妻が事前に買ってきてくれていた。
里芋のほかに、大根、にんじん、ごぼう、こんにゃく、小豆。
これが代表的な材料だが、大根がなかったので「買ってこようか」と私が言うと、妻は「いい」と言ってさっさとしいたけを切り始める。
この辺りは主婦の大雑把なところだが、手際が早いので従うほかはない。

妻がまず始めたのは、小豆を茹でること。
他の具材に比べて時間がかかるため、先に茹でておくのだという。

小豆の用意ができたところで、鍋に湯を沸かし、昆布と鰹節で出汁を取る。
妻が切った椎茸も出汁が出るからといち早く投入されている。

その間に、私はごぼうの皮をこそぎ取り、斜めに切っていく。
最初、すごく角度をつけて切っていると、妻から「これじゃ長すぎる」と注意され修正する。
ごぼうという野菜は硬くてすぐに回転するので、油断すると指を切りそうだ。

里芋の皮も意外に硬く、これも用心しないとケガのリスクがありそうだ。
皮を剥いたら、ランダムに一口大にカットしていく。

こうしてカットした具材を鍋に放り込み、しばらく煮る。
あとは放っておけばいいので、その間に出汁をとった鰹節のかすで何かできないかと再びネットを検索する。
すると、簡単にふりかけを作る方法が出ていた。

まずは、出汁をとった後の鰹節を絞ってフライパンで炒る。
油は入れず、水分が完全に飛ぶまで炒っていく。

鰹節がパサパサになったところで、砂糖と醤油で適当に味をつける。
ふりかけなので、かなり濃いめに味付けをした。
ここでピンと閃いて、冷蔵庫から梅干しを取り出し、これを刻んで一緒に炒めてみる。

とりあえず、これでふりかけは完成。
それを見て妻が「美味しそうね」と言った。

さて、そうこうするうちに鍋の方も整い、具材も柔らかくなったようだ。
妻が味噌を溶き入れる。
レシピに日本酒も少々加えると書いてあるので入れようとすると、妻が拒否して、私用に別の鍋を取り出して「お酒はこっちだけ入れて」と私の汁と妻の汁を分けた。

というような手順を踏んで、人生初の「お事汁」が出来上がり、鰹節のふりかけとともに我が家の食卓に並んだ。
こうして見ると、実に地味である。

食べてみると、見た目通り地味な味。
妻が手抜きで作る具沢山の味噌汁と何ら変わらない。
「お事汁」という名前に惹かれて作ってはみたが、要するにあり合わせの野菜を入れた味噌汁なのだ。
それでも昔はこれが贅沢品だったのかもしれない。

私がアレンジを加えた鰹節のふりかけは、見た目ほど美味しくはなかった。
味付けが悪いのか、旨味がすでに出てしまっているからなのか、原因はよくわからないがやはり少し物足りない。

2月8日の「事八日」は一年の仕事を始める日。
昔の人は今ぐらいから農作業を始めたのだろう。
私も岡山での農作業を始めたい気分ではあるのだが、コロナの収束はまだ先のようで、もうしばらくはオリンピックを見ながらおとなしく過ごすしかなさそうだ。
お事汁を再び作るかどうかはわからないが、もし作ることがあれば自分が育てた野菜で今度は作ってみよう。