<吉祥寺残日録>国家非常事態宣言 #200314

自らの演説で過去最大の暴落劇を演出したトランプ大統領が今度は「国家非常事態」を宣言した。

何としても再選のためには株価を回復させなければならないトランプさん。

これまで全く新型コロナ対策には後ろ向きだった姿勢をかなぐり捨てて、起死回生の勝負に出た。

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株価を回復させるためには、とにかくウィルスの封じ込みが必要だとようやく理解したようで、そうなると動きは速い。

最大5兆4000億円の連邦予算をウィルス対策に投入するほか、全米にあるウォルマートの敷地内にドライブスルー型の検査場を作ること、グーグルが開発した検査を受けるためのスクリーニングサイトを活用することなど、政府機関だけでなく民間の力を総動員して早期の封じ込めを図る意志を表明したのだ。

トランプ大統領は、初期対応の遅れについて自らに責任はないとした上で、この対策によって「来週には数百万件の検査が政府指定の会場でドライブスルー形式で可能になるだろう」と強調した。アメリカでも日本同様、検査の遅れが指摘されていたのだ。

ちなみに、アメリカでもCDCがオリジナルで開発した検査キットに問題があり、それが検査が進まない原因になっていたと指摘されている。日本オリジナルにこだわる感染研と同じ構図だ。でも、このタイミングで世界中で使用されているスイスの製薬会社ロシュの検査キットをアメリカでも使えるよう認可した。これによってドライブスルー形式の検査が可能となったのだ。

トランプ大統領の国家非常事態宣言を受けて、ニューヨーク市場は急反発。前日下落した分を取り返すように過去最大の上昇を記録した。恐怖指数に連動してAIが超高速取引を繰り返す現代の株式市場を象徴するように、今週は5日連続で1000ドル以上の幅で乱高下する異常事態が続いた。

当面の底は打ったのかもしれないが、ウィルスの勢いが衰えない間は、大荒れの相場が続くだろう。

さてアメリカの決意を見て、日本はどうするのか?

今日の東京、観測史上もっとも早く桜の開花が発表された。

しかし朝から寒い一日で、午後には吉祥寺でも雪が降り始めた。異常な暖冬が続いた今年の冬、初めての雪だ。

グーグルのような本格的なものではないが、インターネットを使った専用サイトの必要性について、私もこのブログで1ヶ月前に指摘していた。

参照記事:

【今さら「先手先手」と言える厚顔無恥な政府に頼らず、少しでも感染を広げないために各自できることを実践しよう】

吉祥寺@ブログ 2月16日

それから1ヶ月経っても日本では相変わらず「帰国者・接触者相談センター」が電話で取りまとめる昭和さながらの対応を変えず、それがボトルネックとなって検査が一向に進んでいない。

テレビでももっと検査をすべきだ、どこに問題があるのかという声は高まっているが、一方でドライブスルーの検査などやると医療崩壊が起きると主張する政権寄りの勢力がテレビでもネットでも大きな顔をしている。

どうして検査をすることと医療崩壊がイコールなのか、意味不明な解説がまかり通っている現状を私は毎日イライラしながら見つめている。

日本はいつからこんな非論理的な後進国になってしまったのだろう。

「バカの壁」という本のタイトルが頭に浮かぶ。

今回、アメリカがグーグルのシステムとドライブスルー検査を採用したことで、おそらく日本国内の論調も大きく変わることが期待される。アメリカは中国や韓国の対策を参考にしているだけで、それを自国の英知を集めて改良しているのだろう。

つまり、いいものは何でも取り入れるという当たり前の対応を取っているに過ぎない。

それに比べて日本は、中国や韓国から学ぶことを良しとせず、いたずらに時間を浪費してきた。テレビを見ても、台湾の対応を褒める企画はあっても、「中国の対策から学ぼう」という姿勢は皆無だ。中国は特殊であるという一言で、日本にとって参考にある対策はないかという視点が欠落している。

私も長くテレビの現場で働いていたのでわかるが、おそらく中国を褒めると、大量の抗議が寄せられ、下手をするとスポンサー企業にまで抗議がいくので、現場が萎縮し中国から学ぶことを避けるように見える。私の時代は、現場に裁量権があったが、安倍政権になってからメディア全体が萎縮しているように見える。

本当に、くだらない国になってしまったものだ。

そして夕方、安倍総理が記者会見に臨んだ。

前日に「緊急事態宣言」を出せる新型インフルエンザ等特別措置法の改正が国会で承認されたのを受けたもので、どんな発表になるか注目された。

結果から言えば、新味のない会見だった。

「我が国の感染拡大は持ちこたえている」とする公式の見解を受けて、直ちに緊急事態を発令する状況にはないと述べた。確かに日本の感染者数は、毎日ゆっくりと増えている状況で、爆発的な感染拡大は見られていない。検査を積極的に行っていないことが理由だとは言え、この数字で緊急事態というのは無理がある。

批判が強い検査態勢については、今月末には1日8000件に増やすと述べたが、それ以上の言及はなかった。

最も心配される医療体制についても、病床や人工呼吸器の確保を進めていると話したが、軽症者や無症状者の退院基準の変更や医療従事者のマスクや防護服といった切迫した問題への具体策は一切聞かれなかった。

正直、会見内容はがっかりだった。

もう少し目新しい具体策が盛り込まれると思っていたので、安倍政権のスタンスには相変わらず違和感を感じた。

欧米諸国の危機感が一気に高まる中で、日本だけ限定的な対策でこの難局を乗り越えられるのか?

もしこの程度で乗り越えられれば、安倍政権の手腕を評価したいと思うが、果たしてどうなるだろう?

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