父親たちの星条旗

クリント・イーストウッド監督の映画「父親たちの星条旗」を観た。

太平洋戦争の激戦地、硫黄島での戦いを日米双方から描いた2部作のアメリカサイドの物語である。硫黄島に星条旗を立てた兵士たちを英雄に祭り上げ、巨額の国債を売るためのキャンペーンに使った舞台裏を描いている。

アメリカでさえあの戦争で国庫が尽き、戦争継続が困難な状況に陥っていたという話も知らなかった。

ネットで調べてみると、第二次大戦中にアメリカは、1635万人を海外での戦場に送り、6640億ドルの戦費を使ったとされる。死傷者の数も108万人と言われ、国民の間に厭戦気分が広がっていた。そこで、激戦地の英雄が必要だったのだ。

日本に比べたらはるかに余裕があるが、国民全体が洗脳状態にあった当時に日本に比べ、苦境に耐える国民全体の共通意識は希薄だったのだろう。

それでも、硫黄島の周辺を埋め尽くしたアメリカ艦隊の凄まじい物量には、映画とはいえ驚かされる。それに対峙して戦う日本兵の心境は想像に絶する。

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それにしても、クリント・イーストウッドはいい監督である。人物にせよ、事件にせよ、戦争にせよ、すべては単純ではないことを常に描く。角度を変えれば、違った印象を見るものに与える。アメリカの視点と日本の視点。この2部作は、そうしたことを伝えたかったのだろう。

戦場から遠く離れた大人の世界では、常に打算と政治が物事を決めて行く。現場の若者たちの論理とはかけ離れた結論に導かれることも多い。この映画で描かれた史実は、まさにそうしたいつの時代、どこの国にもありそうな矛盾だ。この矛盾こそが、戦争の本質なのかもしれない。

そういえば、今日のニュースで、アメリカのマティス国防長官が「ソウルに被害を与えることなく北朝鮮を攻撃する方法がある」と発言したと伝えられた。個人的にはちょっと気になる発言だ。

これまで何度も書いてきたように、私は北朝鮮が先制攻撃するとは考えていない。先に手を出すとすればアメリカだ。ただ、その際、韓国への攻撃が避けられないことが、歴代のアメリカ政権の手足を縛ってきた。しかし、トランプ大統領は軍事オプションを真面目に考えていると想像している。

そのためのプランをマティスさんはじめ、政権の軍人たちに考えさせているだろう。実際に、北朝鮮はアメリカに核ミサイルを打ち込むと威嚇しているのだ。アメリカがこんな脅しを受けて、黙っていたことはこれまでにない。いつか必ず北朝鮮を叩く日が来ると私は思っている。

特に根拠があるわけではないが、最近、先制攻撃をするとしたらこの冬かもしれないと思うようになった。木の葉が落ち、衛星で監視がしやすくなる。準備期間も十分取れる。ただ、どのようにしたら韓国への被害を防いで北朝鮮を攻撃できるのか、私には予想もつかない。

大規模な兵力を集中して一気に決着を目指すことになるだろう。日本にも韓国にも利用可能な基地があることはアメリカにとって作戦を立てる上でメリットだろう。

圧倒的な物量。

硫黄島の映画を見ながら、北朝鮮の未来とダブって仕方がなかった。

安倍さんが解散を急いだ背景にも、北朝鮮攻撃というタイムシケジュールがあるのではないかと、何の根拠もなく私は疑っている。

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