<吉祥寺残日録>岡山二拠点生活🍇野焼きと薪ストーブ、おじいさんは山に柴刈りに・・・ #220117

岸田政権発足後初めての通常国会が始まった。

施政方針演説に臨んだ岸田総理は「コロナ最優先」を打ち出すとともに、脱炭素社会に向けた取り組み強化などをアピールしたがどこかで聞いたことがあるような政策ばかりで、ワクワク感は正直感じられない。

それでも世論の動向に素直に対応し、批判に対しても真摯に説明する姿勢が評価されて、就任以来岸田政権の支持率は徐々に上昇を続けている。

岸田さんが「いい人」であることが国民に伝わっているということだろう。

最低賃金の引き上げや温暖化ガスの排出に値段をつけるカーボンプライシングの導入など、慎重論が強い政策をもし岸田さんが推進することができれば、私の評価は一気に好転するだろう。

一国のリーダーは「いい人」であって欲しいが、それ以上に目先だけでなく未来に対しても責任を持つ人であってもらいたい。

さて、そんな世の中の動きとは関わりなく、私は岡山で草刈りに明け暮れている。

今回の帰省の主目的だったブドウ畑の草刈りは、結局3つの畑合わせて7日間もかかった。

他の用事もあるため、1日2〜6時間ほどの野良仕事である。

1つのブドウ畑については、以前書いたように剪定作業も自分たちで行った。

去年伸びたブドウの枝を1芽残して切っていくのだが、当然のことながら畑中に枝が散乱することになる。

こうした切り枝は、集めて畑の片隅で焼いて処分するのが農家の習わしのようだ。

風のない穏やかな日には、集落のあちらこちらからブドウの枝を焼く煙が立ち上る。

私が子供の頃からそのやり方は変わらない。

しかし、時代とともに変わったこともある。

昔は冬になると家の庭に古いドラム缶を出して、大人たちがよく焚き火をしていたものだ。

ダイオキシンが問題となってから、こうした焚き火は原則禁止され、岡山の田舎でもやる人がいなくなった。

枯れ葉などはビニール袋に入れて燃えるゴミとして出すのだ。

ただ、剪定したブドウの枝や草刈り後の雑草など、農家に限り畑から出たゴミを畑で野焼きすることが特例として認められているらしい。

私も野焼きをしてみたいと思うのだが、心配性の妻は許してくれない。

素人が適当に燃やして山火事にでもなったら大変だと心配しているのだ。

仕方なく、水浸しになって使い物にならない畑をゴミの集積場として利用することにした。

池が凍りつく寒い朝、一輪車に剪定したブドウの枝や枯れ草を積んで、ゴミ捨て場の畑まだ運ぶ。

本当は車に積んで運びたいのだが、慣れていない狭い道で脱輪すると困るという理由で妻が反対した。

しょうがない。

運動だと思って、ゴミ運びのため何度も畑を往復する。

農業用の一輪車は「ネコグルマ」と呼ばれている。

このネコグルマで枝や雑草を運ぶために、わざわざホームセンターで「ガラ袋」を購入した。

「ガラ袋」という名前は初めて知ったが、端材やガレキの運搬や保管に使われる土嚢袋よりも丈夫な袋で、硬い枝のような尖ったものを運ぶにはもってこいだ。

とにかく大きくて、いっぺんにたくさん運べる。

家の裏庭で山積みになっていた雑草や落ち葉も、この「ガラ袋」に入れて畑に運んだ。

図書館で借りてきた本によれば、こうした雑草や落ち葉を原料にして堆肥を作ることができるということなので、いずれこの畑で堆肥作りにもチャレンジしてみたいと夢はどんどん吹くらんでいく。

雑草の山が片付いて裏庭がスッキリすると、今度は剪定したイチジクの枝が気になってきた。

納屋に斧があったのを思い出して、これを適当な長さに切って薪にすることを思いついた。

実は以前から古民家にふさわしい薪ストーブの設置を考えていた。

ずっと妻には反対されていたのだが、古民家リフォームのプランが二転三転する間に、トイレの新設を断念するならば薪ストーブの購入を許すと妻が考えを変えたのだ。

庭の剪定をするだけで、たくさんの処理すべき枝や落ち葉が生み出される田舎の現実に気づいたのだろう。

もちろん燃えるゴミとして出すこともできるのだが、冬はとても寒いこの古民家にもし薪ストーブがあれば、ゴミとなるものを燃やして暖を取れるという私の説明に妻も実益を感じたんだと思う。

斧でカットした枝は農業用のコンテナに収めて、縁側の下に置いておくことにした。

薪ストーブで燃やすためには十分に乾燥させる必要がある。

まだいつ薪ストーブが設置できるか定かではないが、来たるその日に備えて、燃料となる薪の貯蔵を始めることにしたのである。

今回の帰省で、山林の様子もちょっとだけ見てきた。

昔は風呂を沸かすため、裏山から木を切ってきて、庭で薪割りをしていたことを思い出す。

今では使い道もなく放置され荒れ果てた山林も、薪ストーブがあれば、間伐材の有効利用や竹やぶの管理にもつながるだろう。

寒い冬をいかにして乗り切るのか?

二拠点生活での大きな課題だったが、今回の滞在で、その方向性が少し見えてきた感じがする。

リフォームをめぐって夫婦喧嘩が続いたが、ここ数日は、私が畑で草刈り、妻は家の大片付けで役割分担していたため夫婦円満が続いている。

『昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山に柴刈りにおばあさんは川に洗濯に・・・』

子供の頃に聞いた昔話の定型文には、年老いた夫婦が円満に暮らすヒントが隠されていたことに気づかされる日々である。

 竹やぶ

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