私も在宅勤務を開始!今週から「新型コロナウィルス」を巡る世界の風景が変わってきた

武漢の封鎖が始まってから1ヶ月以上が経って、ようやく日本でも新型コロナウィルス対策が本格化してきた。

私の勤める会社でも先週金曜日に在宅勤務を認める方針が示され、私も今週から在宅勤務を行なっている。60歳を過ぎ、去年から管理職としての雑務から解放されたため、自主的に在宅で仕事をすることも増えている昨今だが、新型コロナのおかげで堂々と在宅で働くことができるようになった。

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中身のない「基本方針」に対して批判が殺到したためか、安倍総理が昨日になって大規模イベントの自粛を要請した。それを受けて、プロ野球のオープン戦も無観客試合とすることが決まるなど、日本社会が本気でウィルスに向き合う雰囲気ができてきた。

おまけに、東京オリンピックの中止や延期といった日本人には面白くない話も真面目にテーマに浮上。もし中止にでもなれば日本経済には大きな影響が出るだろう。

私が1ヶ月前から指摘してきたPCR検査の問題は、先週あたりからようやくテレビの番組でも取り上げられるようになり、ついに加藤厚労相が来週をめどに保険適用を行う旨を国会で答弁した。民間の検査機関でも検査が行えるようになってきていて、検査の問題は改善に向かう方向だ。

しかし、検査が本格化すると果たしてどのくらいの感染者が見つかるのか?

日本人が本気で恐れるのは来週以降かもしれない。

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ここ1ヶ月意外なほどしっかりしていた株価も、今週になって急落した。たまらずトランプ大統領が記者会見し「アメリカは大丈夫だ」と大見得を切ったが、その後も株価の下落は止まっていない。

今頃になって株価が下がったのは、ヨーロッパでもイタリアを中心に本格的な感染が始まったからだ。アメリカ疾病予防管理センター、CDCも「アメリカでも感染が広がるのは避けられない」と言ったことで投資家たちもようやく自分の問題として新型コロナの恐怖を感じたのだろう。

日本市場がいかに外国人投資家によって支配されているかを再認識させられる株価の動きである。

欧米でも在宅勤務の動きが始まったようなので、今後さらに人の移動が制限されるようになり、世界の経済活動に影響が広がってくるだろう。

感染スピードが下がり、工場が再開し始めた中国でも、人員や材料の不足のためすぐには元には戻らないようだ。長い間、家に閉じこもる生活をしてきた人たちが通常の生活に戻るのはやはり簡単なことではないのだ。

イタリアとともに感染者が急拡大している韓国。きっかけは大邱の新興宗教団体「新天地イエス教会」での集団感染だが、韓国政府が日本とは比べ物にならないスピードで検査を行ったことによって、中国に次ぐ感染国になってしまった。

ちゃんと検査をしてウィルスを抑え込むという文在寅政権の方針は立派だったが、その結果、韓国人が各国から入国を拒否されたり隔離されたりひどい目に遭っている。国内でも文大統領を批判する声が高まっているというので、ちょっと気の毒な気もする。

きっと安倍さんは、そうなるのを恐れて検査を遅らせ、世界の目が韓国やイタリアに向くのを待ってから、ようやく対策強化を決めたのではないかと勘ぐりたくなる。

その韓国のある町では、ドライブスルー式の診療所というのが登場したという記事を目にした。検査を受けたい人は自分の車で診療所を訪れ、防護服を着た医師たちによって屋外で検査を受けるのだ。

これはかなり頭がいい方法だ。診察室で導線を気にしながら検査を待つよりもずっと安全だろう。

国が一律にルールを決めるのではなく、自治体に裁量を持たせればいろんなアイデアが出てくるものだ。そしてどこかで編み出された良い方法をみんなが真似ればいい。民間の検査機関を排除するのではなく、現場の医師がいつもの検査会社に依頼する方が、絶対にスムーズに事が運ぶのだ。「危機管理」の名の下に、普段現場を知らないお偉いさんが出しゃばってくるから混乱するのだ。国は「ああしろこうしろ」と指図するのではなく、現場の知恵を信じ、良いアイデアがあればそれを広め、財政的に支援する程度の関与でいい。

むしろ国が動くべきは、倒産の危機に立たされる飲食店など中小企業に対する支援策である。医療は現場に任せて、派生してくる影響を最小限に食い止めるために安倍さんには陣頭指揮を取ってもらいたい。

本当の危機は、これからやってくるのだ。

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