今年のハロウィンは3年ぶりにオフラインでのイベントが解禁され、この日を待ち望んだ若者たちが街に集まった。
しかし、韓国ソウルでは、若者の街梨泰院に10万人の人が繰り出して、大惨事となってしまった。
ソウルの街は東京以上に細い路地が多く、地下鉄の駅から次々と吐き出される群衆は狭い路地に集中し身動きが取れない状況に陥った。
1平方メートルに10人という超過密状態になった群衆は、坂道で前後に揺さぶられ、ついに将棋倒しが起き、154人が死亡する前代未聞とも言えるハロウィンの大惨事となった。
日本人の若い女性も2人犠牲となった。
一人は北海道から韓国に語学留学していた女子学生、日韓の架け橋となる夢を抱いて今年からソウルに暮らしていた。
一般的に若者は人混みが好きで、気持ちが沸き立つのを楽しむものだ。
自分と同じような人たちがたくさんいることを肯定的に捉える。
その中には調子に乗って大騒ぎする者もいて、「押さないで」と言われると悪ふざけしてわざと押したりする。
気分が悪くなる女性がしゃがみ込んだりするだけで、将棋倒しの危険性が高まるのだ。
この年になると、生理的に人混みを避けたいという衝動に駆られるが、若い頃は私もお祭り好きでどちらかといえば調子に乗りやすいタイプだった。
人様に危害を加えることなくこの年を迎えられただけでも、ラッキーだったと思ってしまう。
日本でも、渋谷や道頓堀に多くの若者が仮装して集まったようだ。
それでも日本の方が群衆警備の経験を積んでいるので、大勢の警察官が動員され、黄色いリボンを使って群衆の誘導を行っていた。
警察官の皆さんにはご苦労なことだが、たまには若者たちが思いっきり羽目を外せる日があるのも大切なことだと私は思っている。
コンプライアンスだの管理という言葉があまりにも言われすぎて、日本の若者は大人しくなりすぎたように見える。
自分たちが未来を作っていくという根拠のない自信を持った生意気な若者がいない国は、徐々に衰退していくだろう。
私の子や孫には、夢を持って自分らしい人生を生きていってほしい。
だから過剰に規制するのではなく、時には若者たちのエネルギーを発散できる場を用意しなければいけないと感じながら、妙にお行儀が良くなってしまったテレビを見ながら思うのだ。
さて私はといえば、ハロウィンの昨日、ゴルフに行ってきた。
立川国際カントリー倶楽部の公式ハンディ取得に必要な10ラウンドの8回目。
スタート時間が7時37分と早かったので、5時起きで電車に飛び乗ったが車内でうたた寝をするほどまだ眠たかった。
この日に備えて、私は2日前、パターとアプローチの練習に行った。
シングルプレーヤーを目指す上で、パターとアプローチが私の課題だと自覚しているからだ。
練習して何かコツを掴んだと思っても、しばらく経って次に行くとすっかり忘れて同じミスを繰り返す。
もともと練習などせずぶっつけ本番でこれまでの人生を生きてきた私だが、年をとるに従って、一度覚えたことをすぐに忘れるようになり、少しこまめに練習をしなければシングルなど到底無理だと考えたのだ。
3時間ほどみっちり練習し、ようやくなんとなくパターの感覚が掴めたと感じ、勇んで昨日のラウンドに臨んだ。
この日は、奥多摩友の会のお2人と3サムでのラウンド。
お2人は毎週月曜日に一緒に回っているという。
スタートホールは奥多摩コースの10番、打ち上げで距離があり難しいホールだが、見事に2オンしロングパットもほぼOKの位置まで寄せることができて楽々パー。
これは練習の甲斐があったとほくそ笑む。
2ホール目のティーショットでOBを叩いたものの、打ち直しの後はほぼ完璧で、出だしの3ホールまでは自分の思い通りのゴルフができた。
やっぱりちゃんと練習すると、しっかりと成果が出るものだと感じたのだが、それはここまでだった。
4ホール目で3パットしてから調子が狂い始め、ここから3ホール連続の3パット。
次第にショットも乱れてきて、結局前半はボギーペースの45に終わる。
後半に入ってもパターの調子は一向に上向かず、終わってみれば41パット、1パットのホールが1つもない散々なラウンドとなった。
ショットもどんどん悪くなって後半はほとんどパーオンすることもなく48。
最近のラウンドとしてはワーストの93を叩いてしまった。
シングルになるためにはあと10打ほど縮めなければならない。
この日は終日素晴らしい秋晴れで、奥多摩の山の向こうに富士山もくっきりと見えた。
どうしてこんなにパットが入らないのか。
パットが入らないと面白くないし、気分もだんだん沈んでくる。
スタートが早かった分、ラウンドが終わったのは午後1時、最初のクラブバスの出発時刻まではまだ1時間半もあった。
私は再びパター練習場に行き、一人で1時間ほど黙々とパターの練習を続けた。
帰宅した後も、パターのことが頭から離れず、ベッドに寝転びながらYouTubeでパターの動画を見始めた。
私のゴルフは最初から我流で、ほとんどレッスン動画などを見ることがなかったのだが、先日のアプローチ動画が多少参考になったので、パターについても見てみる気になったのだ。
いろんな動画がある。
距離感が合わず3パットを連発した後だけに、「3パット激減 距離感の合わせ方」なんて動画も気になる。
しかし結論から言えば、レッスンプロの教えは千差万別で、「要するに入ればどんな打ち方でもいい」ということらしい。
もちろん基本はあって、ボールの近くに立って、ボールを左目の真下に置き、手首を使わず、肘を軽く曲げ、五角形を崩さないように大きな筋肉でまっすぐ穴の方向に転がす。
でも、最終的にはやっぱり「感覚」なのだ。
プロは、短いパットを繰り返し繰り返し練習する。
来る日も来る日も練習する。
それでも入る日もあれば入らない日もあるのだ。
だから1日2日練習したところで、急にパットが上手くなるはずもない。
根気強く、パットとアプローチの練習に通い、自信を身につけること。
どうやらこれしか、方法はないようだ。
YouTubeのレッスン動画を見て、それがわかった。
若者たちにエネルギーを発散できる場所が必要なように、シニアにも自らを奮起させる目標が必要だ。
ゴルフのシングルプレーヤーになる目標はすぐに達成されそうもなく、今後取り組むにはちょうどいい目標である。
そのためには、コツコツとパットの練習に励むこと。
それを自らに課そうと改めて心に決めた。