シベリア鉄道

10月3日の産經新聞が北方領土交渉にからんで、シベリア鉄道を日本に伸ばすプランが検討されていると伝えた。

なかなかの知恵者がいるものだ。確かにロシア側にもメリットがありそうな話だし、日本にとっても領土問題と合わせて超大型公共事業による経済活性化というインパクトがある。「ありそうな」話だ。韓国でも北朝鮮を通ってシベリア鉄道を韓国まで引き込み、欧州への大輸送路の東の起点になろうという計画があるらしく、韓国の新聞が危機感を募らせているという。

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産經新聞の記事の内容は、以下のようなものだ。

「日本の対露経済協力をめぐる政府間協議の中で、シベリア鉄道を延伸し、サハリンから北海道までをつなぐ大陸横断鉄道の建設案が浮上していることが2日、明らかになった。両国間の物流だけでなく、観光など人的交流の活発化につながるとして、ロシア側が強く要望しているという。

シベリア鉄道の延伸計画は、アジア大陸からサハリン(樺太)間の間宮海峡(約7キロ)と、サハリンから北海道・稚内間の宗谷海峡(約42キロ)に橋かトンネルを架けて建設する構想だ。実現すれば、日本からモスクワや欧州を陸路で結ぶ新たなルートとなる。

この構想には、プーチン大統領もかつて、「シベリア鉄道を日本の貨物で満載することにつながる」と語り、低コストの大規模な輸送手段として期待感を示したという。

延伸計画とともに、モスクワの東約800キロにあるカザンからウラジオストクまでのシベリア鉄道高速化構想も浮上している。日本側は将来の現地生産をにらみ、車両や信号システム、レールなど日本の技術をパッケージで売り込みたい考えだ。

ロシアは中国、米国に次ぐ世界第3位の鉄道大国。シベリア鉄道が高速化されれば、ロシア国内の経済活性化に貢献するだけでなく、日本企業の商機拡大にもつながりそうだ。」

憲法改正と並んで、北方領土問題解決は自民党結党以来の悲願であり、歴代総裁がやりたくてもできなかった重要な懸案だ。これを成し遂げることは総理就任以来、安倍さんが一貫して目指している野望。同時に「中国包囲網」にロシアを取り込み、中露の接近にくさびを打つことも狙っているのだろう。

自民党内では総裁任期延長の党則改正が着々と進んでいる。2020年の東京五輪を自らの手で行うという野望も現実味を帯びてきている。歴代総理に比べて、しっかりと自らの野望実現へ手順を積み上げている印象の安倍総理。12月のプーチン来日で進展が見られるか、注目したい。

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