今日は七夕。
梅雨の時期は、雨が降ると畑仕事はお休み、一方で晴れ間が出るとこれまた猛暑になってとても野良仕事をする気になれない。
昨日は久しぶりに晴れの一日で、日中はとても暑かった。
こんな日は水を使った仕事をするに限る。

というわけで、妻が提案したのが納屋の入り口にある破れた障子を網戸に張り替える作業だった。
この障子は木戸の内側にあり、伯母が使っているのを見たことがなかった。

障子と言ってもボロボロに破れているので障子としての機能はすでに失われている。
おそらくこの納屋を建てた当初は、木戸を開けて内側の障子を閉めることで納屋の中の明りとりとして使っていたのだろう。
しかし、こんなボロボロの障子は時代劇でしかお目にかからない。
貧乏浪人が住む長屋とか人通りの少ない峠道の茶店といった風情だ。

紙はすでに劣化して、ちょっと触れただけでポロポロと千切れていく。
ただ障子の桟に糊付けされた部分は簡単には剥がれない。
すると妻はバケツに水を汲んできて、タワシでゴシゴシと桟を洗い始めた。
長年の埃とともに頑固にくっついていた紙が洗い落とされていく。
私は内側から障子を抑える役目だったのだが、妻がタワシに水を含ませて障子を擦るたびに勢いよく水飛沫が私の方に飛んでくる。
でも、暑い日にはこういう作業は苦にならないものだ。

20分ほどの水洗いの結果、障子の桟は見違えるほど綺麗になった。
この障子があることを発見した当初は、どうやって処分しようかと相談していたのだが、こうやって手を加えるとまだまだ使えるものがたくさんある。
お金をかけて新しい網戸をつけるよりも、こうして古いものを再利用し再生した方が味わい深い気もする。
少なくとも古民家を残す以上、使えるものは再利用するという発想はとても大事だと思う。

紙がなくなった障子に、農業用の防虫ネットを張る。
最初は網戸用のネットをホームセンターで買ってこようと思っていたのだが、妻が「これ使えるんじゃない」と言って納屋の中にあった防虫ネットを持ってきたのだ。
サイズ的には十分使えそうだ。
早速、適当な大きさに切って、コードなどを押さえるコの字型の釘や画鋲を使って防虫ネットを障子の枠に固定していく。
画鋲などというものを久しぶりに使ったが、これが大いに役立った。

こうして夫婦で知恵を出し合い、網戸のプチリフォームが完成した。
木戸を閉めると納屋の中が真っ暗になってしまうが、網戸なら光も風も通して納屋の中を快適にしてくれる。
発案者である妻はいたく気に入ったらしく、「ああ、楽しかった」と何度も呟いた。
業者に依頼してリフォームしてもらうのもいいが、自分たちでできるところは知恵を出して自力で直していく。
それこそが古民家で暮らす醍醐味だろう。

ただ、紙を洗い流す際に使った水で納屋の床はビジョビジョになり、一日では乾かなかった。
仕方なく新聞紙を床に敷いて吸い取る作戦に出る。
それでも、網戸を閉めて納屋の中に座ると、これまでとは明らかに違う開放感があった。
この納屋を大改装してセカンドリビングとして利用するプランもある。
ここに薪ストーブやハンモックを設置すれば、母家とは違った空間ができるだろう。
どこまで自分たちでやり、どこからプロに依頼するのか?
それを考えるのもまた楽しみである。