咲き始めは遅かった今年の桜だが、開花すると一気に満開になった。
今年こそ吉野の桜を見に行こうと思っていたのだが、テレビ局時代の先輩が亡くなって急に東京に戻ることになった。
ということで、家の周囲の桜で我慢する。
家の近くと言っても、さすがに田舎だと家や畑に桜の木を植えてる人も多くて、どうしてなかなか立派な桜があちこちにある。
中でも、桃の畑に行く途中にある一本桜は特に立派で、日に日に艶やかさを増す姿を毎日楽しませてもらった。
4月になってもまだ蕾の状態だったこの桜の木にちらほらと花が見え始めたのは、つい4〜5日前のことである。
ところがわずか3日ほどでもう満開と言っていいぐらいまで花で覆い尽くされた。
そんな桜の変化を横目に、私はひたすらに伐採した木を燃やして過ごした。
桃の畑での焼却作業もまだ終わっていないが、今回の滞在中にどうしても剪定したブドウの蔓だけは燃やしてしまいたくて、伐採した柿の木や庭木と一緒に家から一番近い畑に焼却炉を運んで朝から晩までせっせと燃やした。
焼却作業の大敵である雨を避けて、直径20センチほどの丸太、10センチ以下の丸太、剪定したブドウの枝や庭木の細い枝、細長いつる草、棘のあるつるバラなどなど、焼却炉の中の燃え具合を確認しながら、投入する順番を調整する。
雨や朝露で湿っているため、火力が弱い時には壊した戸棚の板や干し草なども織り混ぜて効率よく焼いていく。
おかげで2日間で、太い丸太以外、全てを燃やすことができた。
昨日はお昼には新たな木材の投入はやめて、灰になるには時間がかかりそうな塊は炭の状態で取り出して、残った灰は土に穴を掘って埋める。
こうして帰り支度を済ませて、今日、東京に戻ってきたわけだ。
焼却炉が冷めるのを待つ間、例の一本桜を間近から眺めに行ってみた。
この日は晴れているものの、空が白っぽくモヤがかかっていて、青空バックとはいかなかったが、まあそれなりにお花見気分は味わえる。
近頃では、桜目当てでこの時期に日本を訪れる外国人も増えているので、有名な花見スポットはどこも大変な人混みだという。
こうして誰もいない田舎の桜を愛でるのも、これはこれで風流というものかもしれない。
不要な木を燃やすついでに、去年ブドウ棚を解体した時に出た廃材を仕分けして捨てる作業も行った。
解体業者がだいたいの廃材は持って行ってくれたのだが、作業後に畑を歩いていると、あちらこちらに針金やコンクリートの破片が落ちていた。
作業の邪魔になるため、廃材を見つけるたびに拾って畑の隅に積み上げていたのだが、それが草刈りの妨げとなり今年の課題となっていた。
古いホースやビニール紐の切れ端などは燃えるゴミに、切り倒したブドウの切り株は焼却炉へ、そして大量の針金はまとめて屑鉄屋に持ち込み買い取ってもらうことに。
針金は私の力ではうまく折り畳めず、ガラ袋一杯になってしまった。
これをなんとか軽自動車の荷台に押し込んで屑鉄屋に持っていくと、600円余りで買い取ってくれた。
桜が咲くこの季節は、片付けの好機である。
さほど寒くはなく、まだ暑くもない。
雑草も虫もまだ活動期前で、邪魔されずに作業に集中できるのだ。
おかげで、我が家の畑はだいぶ綺麗になった。
3日ほど東京での用事を済ませたら、すぐに岡山に戻り作業の続きを行なうとしよう。
4月中には片付け作業を終了させて、本格的な草刈りの季節に備えることにしている。
