サイトアイコン 吉祥寺@ブログ since 2016

<吉祥寺ライフ>大盛寺で「般若心境」の写経に挑戦する

広告

今日初めて「写経」なるものに出かけた。

井の頭公園内にある「井の頭弁財天」を訪ねた際、そこの掲示板にはられていた案内を見たのがきっかけだった。

最近、禅にはまっている妻も一緒に、大盛寺というお寺に出かけた。天台宗のお寺だが、井の頭弁天はこのお寺の管轄下にあるのだと言う。

弁天さまの脇にある急階段を上がった先に大盛寺はある。

かなりの急階段なので登るのが面倒だと思い、自宅から公園の南側を大回りしてお寺に行く。北風が強まり気温が下がってきた。まだ午後3時前だというのに、すでに日が西に傾き、せっかくカメラを持って出たのに、写真を撮りたいと思うような光線具合ではなかった。

お寺に着くと、受付にお坊さんと女性がいて、「比叡山に奉納しますか?」と聞かれる。

「初めてなのでよくわかりません」と答えると、では後で結構ですと言われ、写経を行うテーブルに座る。すでに数人の人が来ていた。ほとんどはおばあさんで、おじいさんが1名。

受付にいたお坊さんが私たちに簡単な流れを説明してくれる。

まず最初に住職に合わせてお経をいくつか読み、テーブルに置かれた写経用紙に薄く印刷された「般若心経」をなぞりながら全部書き写す。そして最後に、「右為」と書いたうえで、家内安全とか身体健康などと写経した理由を書き、自分の名前と日付を記入する、と教えてくれた。

墨は、予め墨汁を硯に入れてくれる。

住職が登場する。40歳ぐらいだろうか。結構若くて軽い感じ。先日の月窓寺の住職の方がおちつきがありありがたい印象だ。

冒頭、住職からの説明があったが、これまた軽い。ありがたみのかけらもない。お経を読み始めても声が高く、ありがたみがない。ここの座禅会に来るのはやめようと決めた。

ようやく写経が始まった。

用意された小筆に墨を吸わせてお手本をなぞっていく。習字は本当に久しぶりだ。中学以来だろうか。結婚式やパーディーの受付で名前を書く以外に筆を持った記憶がない。

墨をたっぷりつけると文字が太くなり細かい字が書けない。軽く書こうとすると力の入れどころがおかしくなる。そしてすぐにかすれてくる。いずれにせよ、うまく書けない。

やはり習字は難しい。心が歪んでいるせいだろうか。

それでも何とか1時間で書き上げた。妻はさずがに私より上手だった。

この写経の会は2ヶ月に1回だというので、また来たいと思う。何年も続けていればそのうちうまくなるだろう。


ちょっと新鮮な経験だった。

夜は珍しくテレビを見続けた。

まずは「世界遺産」。今日は北イタリアのチンクエ・テッレだ。海に面した驚くほどの断崖絶壁を削って作った段々畑から生み出されるワインの話は面白かった。

と思っていると、金曜に行ったばかりの「Tokyo Design Week」で、屋外の作品が燃え、5歳の男の子が死亡したニュースが飛び込んできた。

今私が一番お気に入りの大河ドラマ「真田丸」はいよいよ佳境で、ついに大阪城の出城「真田丸」が完成する。いつもは冒頭にあるオープニングタイトルが今回は番組の最後に流された。今日から始まるCXの新番組「フルタチさん」を意識したのだろうか。その「フルタチさん」はまだ企画が甘く、MCの古館さんのハイテンションがちょっと痛々しい。

そして続いてはNHKスペシャル。福島第一原発の廃炉費用を調べた調査報道だ。

取材した福島放送局の記者が自らMCとして番組を仕切っていた。低い声で安定感があり、近い将来東京に戻り、こうした番組のMCを目指すという強い野心を感じた。

東電が負担することになっていた費用が膨れ上がり、電気料金や税金の形で国民負担に回されているのに説明がなされていないという趣旨だ。個人的には国民負担以外の解決策はないと思うが、東電社員や株主がどの程度身を削っているのか、原発政策を推進してきた責任者たちは身を切っているのか、廃炉作業の過程で暴利をむさぼっている輩はいないのかなど、知りたいポイントはいくつもある。

そして、最後はBS-TBS「外国人記者は見た」。火曜日に迫った米大統領選挙について各国ジャーナリストが議論を進めた。私は先週401Kを売ってしまったので、トランプさんが大統領になっても直接の被害はない。しかし、ヒラリーさんがこのまま大統領になってもその先が大変だろう。むしろ何をしでかすかわからないトランプさんの方がアメリカのプレゼンスを保てると考える人がいても不思議ではない。

この選挙は、「アメリカ時代の終焉」を意味する歴史的な選挙になるかもしれない。時代の潮目を感じる。

せっかく写経で穏やかな気持ちになったのに、テレビを見ているうちに次第に心が重くなっていく。

私はこのまま静かな老後を送ることができるのか。それさえ心配になってくるのだ。

モバイルバージョンを終了