<吉祥寺ライフ>「吉祥寺テレビジョン」に行ってみた

暮らしていても、知らないことが多い吉祥寺。

会社を辞めて時間ができたのを機に、この街のことをもっと知りたいと思っている。

そう思ってネットを見ている時に偶然見つけたのが、「吉祥寺テレビジョン」だった。

通称、「吉テレ」。

2018年からスタートした自称「謎のSNS放送局」である。

どんな人が何を目的にこのローカルメディアを運営しているのかを知りたくて、早速アポを取って会いに行ってきた。

「吉祥寺テレビジョン」の活動拠点は井の頭通り沿いにある。

アポは7月1日の午前10時。

場所は、1984年に結成された吉祥寺を本拠地とする演劇集団「劇団め組」のビルの4階だった。

ここが、「吉祥寺テレビジョン」に活動拠点になっている。

「劇団め組」が入居するこのビルは、役者さんたちが出入りするだけあってエレベーターがない。

仕方なく、階段で4階まで上がると・・・

「劇団め組」と役者さんたちが所属する「ヨギプロダクション」の事務所があった。

このドアの向こう側がどうなっているかは、「吉祥寺テレビジョン」が公開している動画でご覧いただこう。

吉祥寺の起業家たちを支援する目的で、「劇団め組」のオフィスの一角をシェアオフィスとして貸していて、たまたまそこで出会った人たちが「吉祥寺テレビジョン」を立ち上げたのだ。

アナウンサー役のかじさんは本業がウェディングプランナー、撮影編集を担当しているディレクターの井上さんはNHKなどの番組を作っている映像制作会社の社長さんだと言う。

「面白いなあ」と思った。

一人一人、自分のやりたいことを実現するために努力している人たちが偶然知り合ってインターネットを使った放送局を作ったのだ。

昔はローカル放送局といえばケーブルテレビが主流で、視聴可能世帯も非常に限定されていた。しかし「吉テレ」の場合、ユーチューブが舞台なので吉祥寺に限らず日本全国、いや世界中の人に映像を届けることができる。夢は無限に広がっていると感じた。

さらに、私がこの「吉祥寺テレビジョン」に興味を持った理由は、「住みたい街」吉祥寺の魅力を作り出した大物たちが次々に登場していたからだ。

たとえばハモニカ横丁の仕掛け人である「VIC」代表の手塚一郎さん。

コロナ自粛が続く5月初めのインタビューで強い危機感を口にしていた。

ただ、「吉テレ」には課題も多い。

いちばんの問題は収入を得ることの難しさ、まだビジネスモデルが確立していないのだ。

短期間であれば、みんなが本業の片手間に遊び心で映像を制作して発信することはできる。

でもそれだけではサークル活動だ。

定期的にちゃんとした番組を作ろうと思うと、出演者のギャラであったりスタッフの日当であったりで制作費が必要になってくる。

人気のユーチューバーは億単位のお金を稼ぐと言われるが、そんなのはほんの一握りの成功例に過ぎない。

お金を集めるためにはアクセスを増やさなければならないし、アクセスを増やすためには発信の頻度を高め、コンテンツの質を高めなければならない。しかし、みんな本業を抱えていてなかなか集まることもままならない現状がある。

そんな状況をいかにして打破するのか、模索している様子がよくわかった。

「吉テレ」には、吉祥寺で不動産を探す人は必ず一度はお世話になる「リベスト」の専務・荒井弘美さんも登場。その昔話もとても興味深かった。

今はパルコとなった一角にかつてお父様が映画館を作り、そこが幼い頃の荒井さんの遊び場だったという。

私が知らない吉祥寺がそこにはあふれていた。

「Hanako」なんかが毎年特集を組むほど誰もが知っている吉祥寺。でも、雑誌やネットで見かける吉祥寺の情報はだいたいどれも似たり寄ったりであり、実は知らないことの方が圧倒的に多いのだ。

そこで暮らし商売をする一人一人に物語がある。

私がこの街でやりたいと思っていることと、「吉テレ」が目指しているものの接点もその辺りにあるように感じた。

井上さんの話を聞きながら、オールドメディアにいた私にできることは何だろうと考え始めている。

何か応援したいと思い、まずはこのブログで紹介させていただいた。

「吉祥寺テレビジョン」を応援してくださる方は、ぜひユーチューブのチャンネル登録をお願いします。

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