吉祥寺の数ある喫茶店の中で、一番個性的なお店かもしれない。
ダイヤ街の地下に1979年、ちょうど40年前にオープンした。
階段を降りると、舞台のような世界が待っている。
40年前から少しも変わらない店が懐かしさと安心感を与えてくれる。
洞窟のような店内。
このインテリア、いつ来ても妙に落ち着く。
土と木でできたインテリアにレトロな照明。
店の一番奥に作られたフェイクの庭が抜群のアクセントになっている。
それもそのはず、このお店は「劇団 結城座」によって作られた喫茶店なのだ。
COFFEE HALL くぐつ草は、創立380年になる「江戸糸あやつり人形劇団 結城座」の劇団員の手により、昭和54年春に開店しました。 オープン以来40年間変わることなくこの吉祥寺で親しまれてきました。
お店のサイトより
まるで洞窟のような不思議な空間が広がる店内は、街中の喧騒を忘れさせてくれます。
伝統のメニューも、実に味わい深い。
くぐつ草のメニューは、珍しいことに本革でできている。
だから、何年経っても破れないし、むしろ味わいが増してくる。
この店に来ると、いつも名物の「くぐつ草カレー」を頼むので、今日はあえて別メニューを注文してみた。
「オムカレーセット」(1280円)。
オムライスのようなカレーをイメージしていたが、見た目はかなり違った。
11時から2時のランチタイム限定で、通常1150円のオムカレーに飲み物を付いて割引となる。
肝心のカレーだが、レンズ豆とココナッツミルクが入って酸味の効いた味だ。
こだわりのスクランブルエッグは、文字通りフワフワ。
ウインナーソーセージも添えられとにかく彩り鮮やかな一皿だ。
保守的な妻は、いつもながらの「くぐつ草カレーセット」(1630円)を注文した。
単品だと1150円だが、ミニサラダと飲み物がセットになる。
レーズンが散らされたこのライスがいつ見てもオシャレだ。
ミニサラダは、ゆで卵にショートパスタが入り、こちらもビジュアルがいい。
そして何と言っても、伝統のカレー。
フルーティーでコクがあり、いつも変わらない美味しさだ。
やはり文句なく美味しい。
個人的には、オムカレーより、くぐつ草カレーが断然好みだ。
セットの飲み物は、二人ともコーヒーを選んだ。
この店では、コーヒーは2種類ある。
私が選んだのは右の「ストロング」、妻が選んだのは左の「ソフト」。
単品で注文するとどちらも670円だ。
濃い「ストロング」にたっぷりのお砂糖とミルクを入れて飲んだ。今時の薄いコーヒーではない、昔のしっかりした味がする。
私は好きだ。
何も変わらないお店。
今の吉祥寺では貴重な喫茶店だ。
食べログ評価3.63、私の評価は3.50。
「COFFEE HALL くぐつ草」 住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-7-7 島田ビルB1F 電話:0422-21-8473 予約:不可 営業時間:10:00-22:00 定休日:無休