今日は二度寝したせいか、朝から眠気が取れず何もやる気が起こらない。
まあ、そんな日もある。
窓辺に敷いたマットレスに横になってゴロゴロ過ごす。
秋分の日も過ぎ、いつの間にか部屋に差し込む光が長くなったように感じる。
こうして朝からゴロゴロしていると、まるで猫にでもなった気分だ。
でも、最高に気持ちいい。
これぞ隠居暮らしの醍醐味である。
妻が初めて味噌づくりに挑戦するというので、その様子を観察することにした。
まずは、買ってきた大豆300グラムを鍋に投入して一晩浸しておく。
大豆が水分を吸ってふっくらとするらしい。
本当ならば、岡山で栽培していた大豆を使って味噌などを作るつもりだったが、今年はエダマメができた後で病気か虫にやられてしまい全滅してしまった。
来年またリベンジするとして、今年は妻が買ってきた帯広産の大豆を使う。
鍋に入れた大豆を茹でる。
水の分量は適当、塩なども入れずにただ茹でていると、次第にスープのようになってくる。
茹で上がった大豆をフードプロセッサーに入れて潰していく。
大豆はすでに柔らかくなっているため、あっという間にペースト状になった。
ここで、米こうじの登場。
妻が買ってきたのは栃木県「天鷹酒造」で製造された有機米こうじだった。
加える麹の種類によって、味噌の呼び名が変わるらしい。
妻が作ったように米こうじを使うと「米味噌」、麦こうじを使えば「麦味噌」、そして米こうじと麦こうじを合わせて使うと「合わせ味噌」となる。
ちなみに、米こうじを使った米味噌は、濃厚で甘口なのだそうだ。
ペースト状になった大豆は粗熱をとったうえで、300グラムの米こうじと混ぜ合わせる。
この時、米こうじにあらかじめ120グラムの塩を加えておく。
大豆300グラム、米こうじ300グラム、塩120グラムに茹で汁を少し足しながら手で混ぜていき、何とかく色の薄い味噌らしきものが出来上がった。
妻も初めてなのでレシピを見ながらの挑戦なので加減がわからないが、茹で汁が少なすぎてパサパサしすぎかもと気にしている。
こうして出来上がった味噌らしきものを野球ボールの大きさに丸めていく。
大きなミートボールのようにも見える。
こうして作ったボールを保存容器の中に投げ入れる。
そーっと入れるのではなく、まさに投げ入れるのだ。
その目的はボールの中の空気が抜くことで、空気な残っているとカビが発生する原因となる。
こうして投げ込んだボールを押しつぶすように保存容器の中に詰め込んでいくと完成。
この状態で半年から1年ほど家の中の冷暗所に置くのだが、マンションの場合、適当な冷暗所が見当たらない。
妻はとりあえずその味噌を北側の部屋に置いたようだ。
冬になって暖房を使うようになれば、また置き場所を考えなければならないだろう。
昔の人は、このようにして我が家の味、すなわち「手前味噌」を作っていたのだろう。
美味しい味噌ができれば、それはそれで楽しい作業だがさてどうなりますか・・・。
いずれにしても、味噌づくりに励む妻はいつもよりも楽しそうで、それを眺めている私も穏やかな気持ちになった。