🇲🇹マルタ/ヴァレッタ 2018年8月
朝6時半。まだ日が昇る前のプールサイドはひっそりしていた。
時差ボケを無理に直そうとせず、早起きを利用して朝散歩に出かけた。
街の中心部リパブリック広場。
パラソルが並び、一日中観光客で賑わうこの広場も、朝は閑散としている。
16世紀に聖ヨハネ騎士団によって築かれたまさに中世そのままの要塞都市だが、ところどころにこのような真新しい、ちょっとシュールなオブジェが置かれている。
半島の先端に築かれたこの要塞都市を碁盤の目のように走る路地は、急な坂の連続だ。
朝7時すぎになって、坂の上の方にだけ朝日が当たる。
坂道の両側に色とりどりの玄関ドアが並ぶ。
ヴァレッタの街には、古いビルがびっしりと建ち並んでいるが、カラフルなドアと飾り窓が薄汚れた土壁を引き立て、何とも言えない情緒を醸し出している。
坂道を下り、東側の海岸線まで出ると、正面から当たる朝日が建物を鮮やかに照らし出した。
赤と水色・・・
白と青・・・
緑・・・。
そして、猫。
動物写真家の岩合光昭さんもマルタの猫を撮影していた。
人間も何となくのんびりしているように見えてしまう。
ヴァレッタの東側の入江は、ヨーロッパ屈指の天然の良港グランド・ハーバーである。
対岸はスリー・シティーズと呼ばれる3つの町が並ぶ。
スリー・シティーズは、騎士団が初めてマルタ島にやって来た際、要塞を築いた古い町だ。騎士団はこの古い要塞でトルコによる大包囲戦を凌いだ。
その時だった。
巨大なクルーズ船がグランド・ハーバーへ入って来た。
狭い入江にこんな巨大船が入れるのかと眺めていると、あろうことか、クルーズ船はグランド・ハーバーの中でUターンを始めた。
小さい船がまわりにたくさんいるのに大丈夫なのか?
そんな私の心配をよそに、クルーズ船は器用に巨体を回転させ、バックで港へと入っていった。
クルーズ客たちは、おそらくまだ夢の中。
目を覚ますと、知らないうちに船はマルタ島に着いているという塩梅なのだろう。
ひっそりと静まり返ったヴァレッタの朝散歩。
歩くなら、朝日が当たる東海岸グランド・ハーバー沿いの道がオススメだ。
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朝散歩を切り上げてホテルで朝食を食べ、プールでバカンス気分を味わった後、再び街に出た。
ヴァレッタのメインストリート「リパブリック通り」は、朝とは打って変わって観光客で一杯だった。
さすがメインストリートだけあって、建物も飾り窓もきれいだ。
しかし、リパブリック通りもパレス広場を過ぎると、いきなり庶民の街になる。
そして、リパブリック通りをまっすぐ岬の北端まで行くと、16世紀に築かれた「聖エルモ砦」が現れる。ガイドブックによると、ここでも聖ヨハネ騎士団とオスマン・トルコ軍の激戦が展開されたと書いてある。
ただ、私が訪れたのが日曜日だったからか、入り口は閉まっていた。
聖エルモ砦から右手に曲がり、今度はヴァレッタの西海岸を歩く。
さすがに昼間の日光は強烈だ。
ヴァレッタ側には教会のドームと尖塔が見えてきた。入江の向こう側、高層マンション群が見えるあたりは、対岸のスリーマ地区だ。
ヴァレッタの街でひときわ大きなこのクーポラは、「カーマライト教会」の建物で、高さが62mある。第二次大戦で破壊されたが、戦後再建されたものだという。
そして、その隣に見えた尖塔は、「聖ポール・アングリカン大聖堂」。
イギリス国教会に属する教会のようだが、こんなに目立つのにガイドブックには情報が載っていない。
そして大聖堂近くには、こんな感じの集合住宅が海に向かって立ち並んでいる。
キレイといえばキレイな、汚いといえば汚い建物ではある。
でも、マルタストーンで統一された建物と、色とりどりの窓・・・
被写体としてはとても魅力的ですよね。
プロのように、うまく構図を切り取ることはできないけれど、写真を撮るのが楽しい街だ。
そして、光線の弱い朝よりも、南国の太陽が輝く真昼間の方が、撮影には良さそうだ。
西海岸を南に下ると、街並みが途切れ、高い城壁がそびえ立っていた。
城壁の下は、海。
透明度の高い、とてもきれいな海だ。
そして、その海から攻めてくる外的=イスラム教徒から島を守るために築かれたのが、この城壁、そしてこの城塞都市ヴァレッタなのだ。
この西海岸から、対岸に渡る船がある。
ヴァレッタの街を対岸から見てみたくなり、船に乗ることにした。
ヴァレッタから対岸のスリーマまで、往復で5.60ユーロ(約720円)。
片道わずか5分ほどの船旅だ。
午後、日が西に傾く時間帯にこの船に乗ると、中世そのものの要塞都市を様々な角度から見ることができる。
船に乗るなら、この時間がいい。
スリーマに到着すると、マルタ伝統のカラフルな船が港に停泊していた。
観光船のようだが、色あざやかな船とヴァレッタの街は、とてもいい取り合わせだ。
そそり立つマルタストーンの城壁は、難攻不落と言われたヴァレッタのシンボルである。
それでも、以前読んだ塩野七生さんの「コンスタンチノープルの陥落」には、オスマン・トルコ軍が、ビザンティン帝国の都コンスタンチノープルの難攻不落と言われた城壁を攻略する様子が克明に記録されている。
どんな鉄壁の城塞も、いつかは破られる。歴史はそう教えている。
スリーマの街は、ホテルが立ち並ぶ観光客の街だ。
だから、ヴァレッタを遠望しながら食事ができる気の利いたレストランがあるのではと思ったのだが、しばらく探したが適当な店が見つからず、ヴァレッタに戻って食事をすることにした。
スリーマの港からは、ヴァレッタ周辺はもちろん、マルタ島やお隣のコゾ島、コミノ島の超美しいビーチを堪能できるボートトリップがたくさん運航している。
若い頃だったら、間違いなく参加しただろうが、子供も巣立ち、妻は日差しを嫌がるのでこうしたツアーに参加することもなくなってしまった。
Embed from Getty Imagesちなみに、こんな感じのビーチが待っているらしい。
ヴァレッタに戻り、いつも観光客で賑わうリパブリック広場の野外レストランに入った。
ピザの本場ナポリに近いという理由で、私が注文したのは「マルゲリータ」(7.50€)。
出てきたのは、これだった。
見た目はシンプルだが、味はいいのではと期待したが・・・
硬い・・・。そして、不味い。
こんな最低のピザを食べたのは、生まれて60年で初めてかもしれない。それほどの、とんでもないピザだった。
妻は、海の幸を期待して「FISH OF THE DAY」(15€)を注文した。
これがまた、不味い。パサパサなのだ。
これならホテルでトマトでもかじっていた方がずっとマシだ。最低のレストラン。
リパブリック広場の「Eddie’ s Cafe Regina Est. 1947」には気をつけてください。
よくこんな食い物出しておいて、1947年から潰れないものだ・・・。ヒドイ。
あまりに不味かったので、近くのジェラート屋さんで「 Limone di Sicilia 」という名のシャーベットを食べた。
期待したほどではなかったが、お口直しにはなった。
ヴァレッタの街には、ジェラート屋さんがたくさんある。やはりイタリア文化圏なのだろう。
朝から散々歩き回っても、最後の食事が美味しくないだけで、残念な夜になる。
時差の関係で早く眠くなるので、この日はそのままホテルに戻り、寝た。
ヴァレッタのピザは、本当に最低だった。
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<参考情報>
私がよく利用する予約サイトのリンクを貼っておきます。

