🇹🇹 トリニダード・トバゴ/ポート・オブ・スペイン 2024年2月14日
トリニダード・トバゴ滞在3日目。
カーニバルが終わったこの日は何も予定がなく、チェックインまでホテルでグダグダしてから空港に行くつもりだった。
トリニダード・トバゴで何か行ってみたい場所が見つからないかとネットで探してみたのだが見つからなかった。
ところがタクシー運転手のディオンさんから提案があった。
地元のインド料理店でランチしてから空港に行ったらどう?
なるほど、トリニダード・トバゴは他のカリブ海の島国よりもインド系の人口が多くて、アフリカ系と同数暮らしている国なのだ。
おまけに、トリニダード・トバゴのインド料理は、本番インドのそれとは随分違うんだどう力説する。
なるほど、カリブ風のインド料理か…
それは食べてみたい、と思った。

14日の午前11時半、ホテルで私をピックアップしたディオンさんが連れて行ったのはポート・オブ・スペイン郊外の住宅街だった。
こんなところにレストランがあるの?
と思っているとその店に着いた。

その店は「WING RESTAURANT」という実にローカルなインド料理店で、田舎の食堂という印象だった。

でも店内は新しく清潔で、それなりに客は入っているものの、すごい人気店という様子でもなかった。
「ディオンさんの家はここの近くなの?」
どうしてこの店を選んだのかが不思議でそう聞いてみたが、そうでもなさそうだ。

この店でディオンさんが注文してくれたのが、こちら。
確かに日本のカレーとも、インドのカレーとも違う。
そもそもカレーかどうかもわからない何かだ。
聞くと、鴨肉と、カボチャと、ほうれん草と、豆と、山菜と、マンゴーが盛り付けてあるという。

ディオンさんの分は、鴨肉より少し安い鶏肉に変えてあって、後は何を選んだのかわからない。
それぞれ調理してある料理を好みで盛り合わせにするらしい。
食べてみると、それぞれどれも美味しい。
カレー味が基本だがさほど辛くなく、どちらかといえば旨みが濃厚で、日本人好みの味と言えるだろう。
中でもマンゴーは甘味に塩味やスパイスが適度に加わりめちゃくちゃ美味しい。

カレーと一緒に食べるのが、こちらのパンのようなグレープのようなもの。
左の巻いてあるものが「ダールプリー」といって、ダールという黄色い穀物を薄く焼いて重ねたもの、右側のパイっぽい奴が「パラタ」といって小麦粉でつくったチャパティの生地をのばし、何層にも折り重ね、うすーく伸ばして焼いた食べ物だそうだ。
ディオンさんは手で上手に食べていたが、どうもうまくいかず手がベタベタになってしまった。

辛いのが好みならこちらの調味料を少量かけて食べるというが、そのままで私にはちょうどいい辛さだった。
ちょっと余分なタクシー代とディオンさんのご飯代も払うことになったが、これは連れてきてもらってよかったと思う。
旅先で何の予定もない時には、地元のグルメを食べるのが最も手軽な発見につながる。

ちなみに、トリニダード島に年季労働者として最初のインド人が連れてこられたのは1845年のことだ。
イギリスが黒人奴隷の禁止を決め労働者不足に困ったプランテーション経営者たちは当時イギリスの植民地だったインドから貧しいインド人を安価な労働力として導入した。
新参者のインド人は社会の最下層とみなされ、黒人たちからも嫌がらせの対象となった。
そんな過酷な境遇の中でインド系の人たちは自分たちの文化を守り、今もカーニバルに代表されるアフリカ系文化とは一線を画する独自の文化を保ち続けているのだ。

ランチを終えて、空港まで送ってもらったが、まだ飛行機が出発するまで3時間もある。
ちょっと早すぎたかと思いながらチェックインを済ませ、順調にパスポートコントロールも通過したが、その後に思わぬ大行列が待っていた。

手荷物チェックのところで、行列が幾重にも続き、遅々として進まないのだ。
どうやらカーニバルに訪れた外国人観光客が一斉に各地に出国するために殺到して完全に空港のキャパを超えてしまったらしい。
私は早く来ていたので焦ることはなかったが、中には出発時刻が迫って青ざめている人たちも何人もいた。
待ちきれずにズルをして行列の前の方に割り込む人も。
やはり国際線は何があるかわからないので早めに空港に行かないといけないと改めて感じた。

結局、手荷物検査を通過するまでに50分もかかってしまったが、時間がたっぷりあった私にとっては適度の時間潰しになったとも言える。
入国する時には先が見えずいろいろな事態を想定したが、結果的にはカーニバルも2日見られ、珍しくインド料理にもありつけたのだから上出来だろう。
タクシーは高くつくのはしかたがないと割り切って、困った時のタクシー頼み、シニアの旅は時には金に物を言わせて楽をするのも大切なことだと思うのだ。