朝起きると、霧が立ち込めていた。
朝6時、妻を誘っていつもの朝散歩に出かける。
「世界で最も美しい町」と呼ばれる世界遺産の街チェスキー・クロムロフの朝。
お城の塔が見下ろす橋にまず行ってみた。
橋には十字架にかけられたキリスト像がある。
キリストとお城を絡めて写真を撮る。
この町でも朝は人が少ない。朝散歩は私たち夫婦にとって最高の旅の楽しみだ。
お城につながる階段を上がる。ちゃんとした坂道もあるが、この階段はショートカットになっている。
「PENSION」と書いた看板があちこちに掲げられている。沿道でお店をやっている人たちが部屋を観光客に提供しているのだ。私たちの宿もこのペンションにあたるのだろう。
お城の塔の下に出た。ここで気がついたことがある。
遠目にレリーフかと思っていた装飾が全部描かれた「だまし絵」なのだ。
ここも・・・
大砲の後ろの壁も、石積みのように見えてすべて「だまし絵」だ。
無教養な私は「やはり田舎の貴族だから金がなかったんだろう」と勝手に解釈していたのだが、後でこれがルネッサンス時代の流行ということを知った。「スグラフィット装飾」というらしい。
そもそもチェスキー・クロムロフの街は、13世紀、南ボヘミアの貴族ヴィートコフ家によってこのお城が建設されたのが始まりだ。
14世紀には、ロジュンベルク家に支配が移り、16世紀に繁栄は頂点を迎える。ルネッサンス様式がボヘミアにも花開いた時期だ。
その後、支配家が変わり近代化から取り残されたため、昔の姿が現代まで残ったという。
早朝でもお城の通路は歩くことができる。
お城の内部はガイドツアーで見学できるが朝9時からだそうだ。私たちはお散歩だけで十分なので、人のいないこの時間はとても気に入った。
東西に延びるお城には5つの中庭がある。
順番に辿って行くと、街を見下ろす絶景ポイントに出た。
霧にけぶるチェスキー・クロムロフの街。
大きな屋根は「聖ヴィート教会」だ。まだ街は完全に寝静まっているように見える。
第4の中庭を抜けると「城の橋」と呼ばれるチェスキー・クロムロフ城の特徴的な場所に出る。
城と城をつなぐ巨大な渡り廊下だ。下から見上げると・・・
ローマ時代の巨大な水道橋を思い起こさせる。
石畳の橋。街の方を見ると・・・
反対側を見ると・・・
どうやら霧が晴れてきているようだ。
今日は快晴になりそうだ。
「城の橋」を渡りきったところにビューポイントがある。チェスキー・クロムロフの絵葉書ショットはここから撮るのが定番らしい。
蛇行したヴルタヴァ川。霧のショットも普通と違って逆にいいものだ。
お城をくだり、旧市街への橋を渡る時、ちょうど霧の向こうに太陽が登るのが見えた。
時間は7時15分。太陽が2つあるように見える。
光が強くなった。まもなく霧が晴れそうだ。
部屋で荷造りをしてから朝食を食べられる店を探しに行く。
いつのまにか青空が広がる。しかし、朝8時に空いている店はほとんどない。
少し町外れに空いている店を見つけた。「ペンション・マリー」のお店で「ピアッツァ・ドーロ」という名のカフェだ。
私はソーセージを注文した。チェコで初めてのソーセージ。チェコはソーセージの国でもある。嬉しくて、写真を撮る前に半分かじってしまった。
たっぷりのマスタードとザワークラウトかな? キャベツなのかどうかよくわからないが、ソーセージとの相性は抜群で朝からとても満足な気分になった。昨夜のベジタリアンフードの不味さを改めて思い出す。
食べ終わった後は、晴天をバックに街を撮影。天気でこうも違うものかと思いながら、地理を覚えた小さな街を半周する。
途中、チェコ・コルナの手持ちが心細くなってきたのでキャッシングした。
なんと日本語の案内が出て驚く。
さらに街を歩き青空の写真を撮る。
昨日夕焼けを撮影した公園。全然印象が違う。
最初に車で乗り入れた旧市街への入り口の石橋。
不安と焦りの中で人をかき分けて渡ったのは昨日の夕方、まだ半日あまりしか経っていない。
すっかり気分は爽快、今の青空のようだ。
朝、霧の中で見上げたお城の塔もまったく印象が違う。
青空の下でのチェスキー・クロムロフも見ることができたので、大型バスが大挙してやって来る前に逃げ出そうということで夫婦で話しがまとまった。
午前10時前、チェックアウトを済ませ、スーツケースをガタガタ引きずりながら川を渡り・・・
「城の橋」をくぐって、駐車場に向かった。
私たちのチェスキー・クロムロフの滞在は、結局16時間で終わった。この町が本当に「世界で最も美しいか?」と問われるとちょっと疑問ではあるが、撮影した写真の量から考えるとやはり美しい町であることは間違いない。
でもこの町を訪れるなら、観光客の少ない夕方から翌朝が絶対にオススメ。日帰りは・・・勿体無い。
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<参考情報>
私がよく利用する予約サイトのリンクを貼っておきます。

