イヌクシュク

カナダ旅行もいよいよ最終日。バンクーバーは滞在中ずっと快晴でした。

出発まで少し時間があるので、妻とカナダ最後のお散歩に出かけました。

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朝の空気はひんやりしていて肌寒いほどです。
坂を下って海岸に出ます。

上半身裸のムキムキ男二人が犬を連れてジョギングをしています。
「ゲイかな?」
バンクーバーに来てから、そんな印象を抱く人たちをたくさん見かけます。

ちょっと調べてわかりました。
どうやら私たちが宿泊しているこのエリアは、バンクーバーの中でも同性愛の人たちが多く集まる場所のようです。

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そういえば、ホテルからすぐのデービー通りの交差点は、横断歩道がレインボーカラーに塗られていました。それまでスーパーの買い物でいつも渡っていた横断歩道。

「あの虹は、そういう意味か」
虹色は、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー(LGBT)のシンボルカラーです。

近くにはゲイが集まる有名なナイトクラブもあるそうです。
民族を超え、性別も超越した街なのです。

海岸を少し歩いて、イヌクシュクの像までやってきました。
近くで見ると結構大きな石像です。
1986年のバンクーバー万博のために作られ、その後、市に寄贈されました。
説明板には、イヌクシュクは「北のもてなしと友情のシンボル」と書かれていました。

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近くの海岸には、いくつもの小さな石積みがあります。
観光客たちが残していったものでしょう。

今回の旅の記念として、私たちも海岸に降りて石を積むことにしました。
バランスをとりながら、2人で7つの石を積みました。

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楽しかったカナダの旅も、これで終わりです。
妻と2人で、またどこか知らない国へ旅に出たいと思います。

本当に、いい旅でした。

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今回初めて訪れた、カナダ。そのカナダは、来年2017年に建国150周年を迎えます。
実際に旅をしてみて改めて、自分がカナダについて何も知らないことに驚きます。

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そんな中、ここ数十年で「カナダ学」なる学問のジャンルが生まれたそうです。

カナダ研究で一番興味深いテーマは、何と言っても「多文化主義」。
1971年、当時のトルドー首相が議会で「多文化主義の導入」を宣言し、1988年には「多文化主義法」という形で法制化されました。

カナダの多文化主義は、法律によってはっきりと決められているのです。
その内容は、①文化的異質性を認め合い画一化することを意図しない、②各民族集団の固有文化を温存する、③文化的にお互いが異なることに価値が与えられ尊重される、というものだそうです。

グローバル化する世界の中でも、カナダのように民族や文化の多様性を国の基本方針として定めている国は珍しいでしょう。
そうして半世紀近く、少しずつ積み上げられた多文化主義の努力が、バンクーバーで見たような寛容で、ゆったりとした社会を作り上げたのだと実感しました。

「グローバル社会の実験場」であるカナダが、今後どんな国になっていくのか。
そんなカナダについて、日本人はもっともっと知る必要がある。
わずか10日間の旅ではありましたが、私は今、強くそう感じています。

 

このカナダ旅行の詳細は「夫婦旅行はコンドミニアム〜カナダ2016」に書きました。ご興味があれば、こちらからご覧ください。

 

<参考情報>

私がよく利用する予約サイトのリンクを貼っておきます。

 

 

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