久々に行って来ました、銀座。
銀座四丁目の交差点には、知らない間に新たなビルが建っていた。これはSONYビルかそれとも日産ビルなのだろうか?
銀座四丁目のシンボルといえば三越と和光と決まっていたのに、明らかにこの新しいビルの方が目立っている。
どうやら「GINZA PLACE」というビル名らしい。持ち主はサッポロビールのようだ。
和光の前では外国人が記念撮影。やはりまだこちらの絵の方が銀座を感じる。
さて、私は特に銀座に行きたかったわけではなく、買い物嫌いな妻が珍しく「GINZA SIX」に行きたいというので付いて行っただけだ。
ショッピングとはほとんど無縁な私が説明するまでもなく、「GINZA SIX」は今年4月、松坂屋の跡地にオープンした複合商業施設だ。
大丸松坂屋百貨店のほかに、森ビル、Lキャタルトンリアルエステート、住友商事の4社による共同事業だという。「Lキャタルトンリアルエステート」というのは、ルイヴィトンなどを傘下に置くフランスの大ブランド企業「LVMHグループ」をスポンサーとする不動産投資・開発会社だそうだ。
私は見たことがなかったのだが、椎名林檎とトータス松本を起用して金のかかったスペシャルムービーまで作る力の入れようだ。
私たち同様、物見遊山の客で今日も大変な混雑だ。
まずは1階に入居している三井住友銀行へ。
当然きょうはキャッシュコーナー以外営業していないのだが、大型サイネージが従来の店舗に比べ新しさを感じさせる。
GINZA SIXに入居している店舗の多くがサイネージを導入し、おしゃれな動画を店舗づくりに活用しているのは商売柄ちょっと参考になった。
店内はいわゆるショッピングモールで、特に驚きはない。吹き抜けには草間彌生さんのいつもながらのオブジェがぶら下がっている。また草間彌生かと思うだけだ。
ショッピングモールとしては先日訪れた中国・南京のモールの方がスケールも大きくハイセンスな印象を受けた。
そんな中で、一番目を引いたのが「蔦屋書店」。二子玉川の「蔦屋家電」なども独自の店作りで人気だと聞くが、ここのレイアウトも私には新鮮だった。
工芸品が展示され、関連の本が置かれる。店全体が巨大な書庫のように見えるレイアウトもインパクトがある。
なんと日本刀が売られている。この刀は、333万円だそうだ。
外国人が多く来店しているこの店では、確かに日本刀を買うお客もいるかもしれない。たとえ日本刀は買わなくても、その周囲に並んでいる日本刀の本をお土産に買う客は確実にいるだろう。本屋がバタバタ潰れる時代に、商売の方法はまだいろいろあることを教えてくれる。
屋上には庭園があった。
季節柄アジサイが咲いてはいたが、直射日光に照らされて暑そうだ。
銀座の街を展望できるのだが、ビルの屋根ばかりが見えてあまりいい眺めではない。
そんな個人的にはイマイチな屋上庭園にあって、子供が水遊びできるスペースだけは好印象を持った。よくあるこの手の施設に比べ水の深さがさらに浅く、気軽に水遊びをさせられるのが良い。一時、銀座にいるのを忘れてしまいそうな空間だ。
今度はエレベーターやエスカレーターを乗り継いで地下3階に降りる。ロビーには立派な松が描かれた「鏡板」が飾られている。
ここには「観世能楽堂」があるのだ。
妻は「絶対寝るから見ない」というが、私は能を一度見てみたいと思っている。演目によっては安い舞台もあるようなので、またの機会に拝見するとしよう。
そんな感じで駆け足で「GINZA SIX」を見て来たが、結局何も買わなかった。我が家は夫婦揃って買い物が苦手だ。人混みを見ているだけで嫌になってくる。
それでも百聞は一見にしかず。
新しい名所は見ておくと何かのヒントになる。好奇心だけは生涯失いたくないものである。