ハイアットリージェンシー東京で開かれるAIセミナーに出席するため、久しぶりに西新宿に行った。この超高層ビル群を見上げるのもいつ以来だろう。
昔は新宿駅から歩いたものだが、都営大江戸線の都庁前駅を降りると目指すホテルはすぐ目の前だった。

ハイアットリージェンシー東京は昔のヒルトンホテルだ。
若かった頃は、西新宿は東京でも一番近代的な街だった。高層階のレストランから東京の夜景を楽しむのは文字通り憧れだった。
しかし、久しぶりに足を踏み入れたハイアットホテルは、何となくレトロな印象。エレベーターも昭和の香りがした。

セミナーは27階だったので、窓の外に高層ビル群が迫る。

西側を見ると、新宿西口公園の向こうに吉祥寺方面の街並みが広がっていた。

そして東側にそびえるのが新宿住友ビルだ。

学生時代、「三角ビル」の名前で呼んでいた憧れの超高層ビルだ。でも最近のビルと比較すると、古い印象は免れない。
この三角ビルでは、工事が行われていた。

敷地の外側に工事用のパネルが建てられている。一体どんな工事が行われるのだろう。
家に戻った後、ネットで調べてみた。
「新宿住友ビル大規模改修、目玉は巨大アナトリウム」という日刊建設工業新聞の記事が出ていた。
それによると、今年本格着工し、2年後の完成予定だという。ビルを取り巻くようにガラス屋根の巨大なアナトリウムが新たに作られる。平時はイベントや憩いのスペース、そして震災などの際には大勢が避難する場所となる。
新宿住友ビルが完成したのは1974年のことだ。43年も前だ。建築基準法が改正される前だから、耐震基準も今とは違う。
このビルを改修すると、どの程度改善するのだろう。湾岸地区を中心に東京のあちこちに林立する超高層ビルの将来がちょっと心配になる。

セミナーが終わり、新宿駅に歩きながら、住友ビルに比べ、お隣の新宿三井ビルが何だか綺麗に見えた。外見は昔と変わらない気がするが、あまり昭和の匂いがしない。なぜか・・・。
やはり帰宅後ネットで調べて、私の直感が間違っていなかったことがわかった。
三井ビルは2000年に大規模改修を終えていたのだ。
三井不動産のホームページに詳細が書かれていた。
『 新宿三井ビルディングは、昭和49年9月の竣工以来、新宿新都心地区を代表するオフィスビルとして時代をリードしてまいりましたが、時代の変化に対応したよりよいオフィス空間の提供を目的として平成8年4月に大規模リニューアルに着手し、4年間の工事期間を経て、このたび工事を完了いたしました。
新宿三井ビルディングのリニューアル工事の内容は、テナントのオフィスニーズの変化を先取りし、フリーアクセスフロアの実装や電気容量の増加等の情報化対応、各階4ゾーン分割方式への空調設備の更新、学習機能つきの群管理システムを採用した最新エレベータへの更新、中央監視設備の更新などオフィスビルの基幹設備機能の充実を始め、本ビルの先進的な外観デザインにマッチした、メインエントランス等低層部パブリックスペースの改修、および、基準階専用部・共用部内装のグレードアップにより快適性をさらに追求し、より高いアメニティを提供しています。
また、今回は、霞が関ビルディングと同様、既存テナントをリニューアル完了フロアにそっくり移転させながら進めていくリニューアル方式を採用しており、オフィスフロアでは計50フロアの大規模リニューアルを行いました。
その結果、新宿三井ビルディングは、西新宿超高層エリアの中心という好立地と最新ビルの性能を兼ね備えた、トップレベルの競争力を持つオフィスビルとして、より一層オフィス機能が強化されました。そして、今回、情報通信系を中心とした各企業からもその点をご評価いただき、満室にてリニューアル竣工を迎えることができました。
本リニューアル工事の完了は、当社オフィスビル事業の4大主要拠点(日本橋、霞が関、日比谷、新宿)の一つである新宿において、規模・機能の面でより高い競争力を有するオフィスビルを供給するという当社のアセット戦略を実現するものであり,首都圏における三井本館街区再開発計画、霞が関ビルディング・虎の門三井ビルディング・日比谷三井ビルディングリニューアルと並ぶ当社オフィスビル拠点強化の一環です。
【工事概要】
設備機能の向上
- OA化対応
- OAフロア(80mm)を実装、天井高UP(80mm)
- 受変電設備更新に伴う電気容量UP(30VA/m2→50VA/m2)
- コンセント配線ルート増設
- OAルーバーに対応しやすい照明器具(Hfタイプ、段調光付)への変更
- 通信用ケーブルラック設置
- 空調方式変更
- 各階4ゾーン分割方式に変更
- 時間外空調設定器の設置
- 温度設定器の設置(±2℃)
- エレベータ更新
- 学習機能つき群管理システム採用
- かご内装グレードアップ
快適性・デザイン性の向上
- オフィスフロアの改修
- 専用部・共用部タイルカーペット張り専用部ブラインドの更新
- トイレ・湯沸室改修
(女子トイレパウダールーム新設、シャワートイレ全ブースに設置、エアータオル設置) - 共用部間接照明(やわらかく明るい空間)
- 低層階パブリックスペースの改修
- 4階~B1階の共用部改修によるグレード感、アメニティの向上
- ジョイナー棟(メインエントランス)の改修
- 自動扉・回転扉の改修
- 車寄せ改修
- サイン改修
- 安全性の向上
- 中央監視設備更新
- 加圧排煙設備の導入
- アスベスト封じ込め
【テナント移転作業】
テナント入居フロアもリニューアルの対象であったため、入居中テナントの業務になるべく支障を来さない週末を利用してリニューアル完了フロアへ移転。オフィスフロアとしては55階、53階から5階までの計50フロアのリニューアルを行った。
テナント移転方式の採用は、当社では他に霞が関ビル、虎の門三井ビルで実績あり。
【総事業費】
300億円(本体工事費のほか、テナント移転費、解体費含む)』

こんな改修工事が行われたことを私はまったく知らなかった。
新宿駅へとつながる地下道も、かつてのようなホームレスの姿はなく、帰宅するビジネスマンたちで埋め尽くされていた。

良くも悪くも昔の西新宿とは違う。
東京に出てきて40年あまり。時の流れを感じた。