先日、「ツーリズムEXPO」に出かけた帰りに、久々に都心でランチを食べた。
乗り換えの関係で有楽町でお店を探した。

ネットで選んだのは、交通会館の地下に店を構える老舗の定食屋「キッチン大正軒」。
1965年に交通会館がオープンした当初からこの場所で営業を続けているという。
私が訪れた時、もうすでに午後1時を回っていたが店の前には行列ができていた。
これは期待できそうである。

入り口には店の由来が書かれていた。
『大正三年、巣鴨に創業した精肉店。以来良質な肉を提供し続けてきました。昭和三八年、東京交通会館落成時、この地下街に精肉・大正軒を出店。精肉店ならではの新鮮な肉の旨味を是非ご堪能ください』
最初は交通会館で肉屋を営んでいたということだろうか。

メニューは、カツやフライ、ハンバーグに唐揚げと大学生が喜びそうな高カロリーの定食がずらり。
どんな組み合わせにも対応してくれそうな感じだ。
わざわざ「おすすめ」と表示されていたのが3種類の「ミックス定食」。
エビフライとアジフライは一緒で、もう1品がメンチカツか豚しょうが焼きか煮込みハンバーグかの違いのようだ。
私は煮込みハンバーグの「C定食」(1100円)を選択した。

10分ほど待って、ようやく中に入ることができた。
狭い店内は厨房を取り囲むようにカウンター席が13席。
食べているお客さんの背中にぶつからないように案内された席に滑り込む。

廊下で待っている間に注文を聞かれお金も支払っているためか、席に着くと1分ほどで「C定食」がカウンターに置かれた。
「おお、これはまさに学生街の定食だ」と思った。
食器も盛り付け方も学食の雰囲気である。

ミックス定食には必ずついているエビフライとアジフライ。
私の目の前で大将がひたすらフライ作りを担当していた。
カリッと揚がった衣はいささか硬く、エビもアジも至って普通だ。
よく考えれば、肉屋なので当然と言えば当然だろう。

そして煮込みハンバーグ。
これも特別美味いというほどではなかった。
まあ、良くも悪くも学生街の定食屋である。

私が食事中、厨房の中が少し賑やかになった。
どうやらご飯がなくなってしまい、次を炊くまで注文をストップするという。
この店は並んでいる客から前金でお金を集めるシステムのため、すでに注文を取った客に払い戻ししたらしい。

交通会館と共に半世紀以上。
今も変わらぬ人気店のようだが、60代になった私にはいささかヘビーだった。
久しぶりに胃がもたれた。
食べログ評価3.49、私の評価は3.20。
「キッチン大正軒」 電話:03-3201-0147 営業時間:【月・火・木・金】11:00~14:30/17:30~20:00 【水】17:30~20:00 【土】11:00~15:00 定休日:日曜・祝日