5. ルージン L’ USINE

そして、ホーチミン最後のディナーは、ちょっと趣を変えてみた。
「バインミー」というベトナム風サンドイッチを食べられる店をネットで探して、ドンコイ通り沿いにあるこの店を見つけた。

通りから2階にある店の看板は見えるのだが、どこから上がればいいのか入り口がわからない。
この何だか怪しげなアーケードが店への入り口だった。

絵画や雑貨を売っているお店の間を通り、右に曲がるとちょっと怪しげな階段があった。

階段を上がると、警備員のおじさんが暇そうにスマホを眺めていた。
そのおじさんの先にあったのが、お目当の「ルージン」だ。

店内には、イルミネーションが輝く2本の木。
モダンなカフェレストランだ。

ドンコイ通りに面したテラスには、2組限定のテーブルが用意されているが、当然のことながらすでに2組のカップルで埋まっていた。

まずは、まだ飲んでいなかったベトナムコーヒーから。
この店のメニューは英語表記、「Vietnamese Milk Coffee」(5万5000ドン)を注文した。

グラスの底にコンデンスミルク。量は思ったより少なかった。
フランス植民地時代にフランス人が残したコーヒーにミルクを入れて飲む習慣と、フランス人が撤退した後、生のミルクが手に入らなくなったという事情が合わさって、コンデンスミルクを使った甘いベトナムコーヒーが生まれた。

そして、この店に来た目的であるバインミーが運ばれて来た。
「Vietnamese Caramelized Pork “Banh Mi”」(9万5000ドン)。

バインミーは店によっていろんな具材を使うそうだが、この店では照り焼きのミートボールを中心に野菜や香草をフランスパンに挟んでいた。
実は、私は日本でもバインミーを食べたことがなく、かつてベトナムを取材した際も一度もお目にかからなかった。つまり、これが私にとっては初めてのバインミー体験であった。
まあまあ、予想通りの味だったので、驚きはなかったが、ミートボールもパンも美味しく、よってミートボールのバインミーも私の期待を裏切らなかった。美味しい。

三男はハンバーガー、「Crispy Butter Milk Chicken Burger – Kale & Cashew Slaw, Sriracha Mayo & French Fries」(19万ドン)という長い名前のチキンバーガーを注文していた。

妻は数あるサラダの中から、「Vietnamese Caramelised pork Salad」(15万ドン)を注文した。
これって、私が注文したバインミーの中に入っていたミートボールではないか。
どうやらこのミートボールはこのお店の自慢のメニューらしい。

ホーチミンには、素敵なカフェが増えていると聞くが、確かに日本にあっても人気になりそうなお店だった。
何と言っても、お店へのアプローチを探すドキドキ感が魅力的だ。
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